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スクイーズアウトとは

スクイーズアウト

(読み方 : スクイーズアウト)

スクイーズアウト(Squeeze Out)とは、「締め出し」あるいは「キャッシュ・アウト」とも呼ばれ、株式を強制的に回収する方法のことを指す。 意見の異なる株主や少数株主から株式を回収することで、経営にかかる意思決定の合意形成をしやすくする目的がある。

M&Aにおけるスクイーズアウトの必要性

中小企業でのM&Aでは、株式譲渡のス キームを利用する場合が多い。 一般的に株式譲渡では、買収側は完全子会社化を目指し、全株式を回収しようとする。 しかしながら、意見の異なる株主や少数株主が買収に同意しない場合、買収側は全株式を取得することができなくなり、必然的に完全子会社化はできなくなる。 このような状態で買収を行うと、買収後に意見の異なる株主や少数株主と対立する可能性や経営方針をスムーズに決定できない可能性が生じる。 そうすると、M&A自体が成約せずに終わるか、リスクに備えて売買価格を大幅に下げて取引しなければならない状態となる。 そのような事態を防止するために、意見の異なる株主や少数株主から株式を回収し、企業の意思決定に影響を与えないような状況にすることが必要であり、その手法としてスクイーズアウトは存在する。

スクイーズアウトのメリット

スクイーズアウトには以下のようなメリットがある。

迅速な意思決定を行うことができる

上記のとおり、経営上、重要な決議を行うためには株主総会が必要である。 仮に、意見の異なる株主や少数株主がいた場合、意思決定を行うまでに時間がかかってしまう。 しかし、あらかじめ意見の異なる株主や少数株主をスクイーズアウトによって退場させておくことで、意思決定にネガティブな影響を与えるリスクを排除することができ、迅速に意思決定を行えるのである。

手続きや事務処理の効率化

株主総会を開催するには、手続きや事務処理に多くの時間を費やす必要がある。 スクイーズアウトによって意見の異なる株主や少数株主が所有する株式を回収し、経営者に株式を集中させることができれば、株主総会を省略することが可能になる(会社法第319条、第320条参照)。

訴訟にかかるリスクを低減することができる

意見の異なる株主や少数株主がいると、取締役等は株主代表訴訟のリスクを背負いながら経営判断を行わなければならない。 しかし、意見の異なる株主や少数株主を意識した経営を行うと、正当な経営判断が行えない場合がある。 そのため、スクイーズアウトによって少数株主を退場させておくことで、訴訟にかかるリスクの低減に繋がり、結果としてスムーズな会社運営に繋がるのである。

税金対策として有効

売却企業を完全子会社化できると、連結納税制度*が選択できるため、税制上のメリットが大きくなる。 通常、それぞれの法人ごとに決算を行い、納税をする必要がある。 しかし、連結納税制度を選択すると親会社と子会社の利益を損益通算することが可能になる。 例えば、子会社が赤字であれば、親会社の黒字から差し引いた税額が算出される。 つまり、完全子会社化できると、結果として節税が可能になるのである。 *連携納税制度とは企業グループ内の各法人の損益を集約することで、企業グループを一つの法人であるかのように捉えて課税する仕組みを指す。

スクイーズアウトの方法

スクイーズアウトには、下記のような方法がある。

株式併合を利用する方法

株式併合とは、複数の発行済み株式を1つの株式にまとめることを指す。 例えば100株を1株にすると、1株未満の株が発生する。この端株を会社が回収することで意見の異なる株主や少数株主をスクイーズアウトする。 ただし、株主総会で2/3以上の同意を得なければ、株式併合はできないため、意見の異なる株主や少数株主の割合が多い場合は実行できない可能性も多分にある。

株式等売渡請求を利用する方法

経営者が特別支配株主(90%以上の株式を所有している状態)である場合は、株主総会の決議は不要であり、意見の異なる株主や少数株主から強制的に株式を回収することが可能である。 特別支配株主が株式等売渡請求を行った段階でスクイーズアウトは成立するため、確実性のある方法といえるだろう。

株式交換を利用した方法

親会社から子会社の株主に親会社の株式を交付することを「株式交換」と言い、完全子会社化する際に子会社への対価として用いられる。 株式交換を行うと、子会社から意見の異なる株主や少数株主を排除することが可能である。ただし、意見の異なる株主や少数株主が親会社の株主になるため、完全にスクイーズアウトすることができない。

全部取得条項付種類株式を利用した方法

発行済みの全株式を全部取得条項付種類株式*に変更し、意見の異なる株主や少数株主の端株を大株主や会社が強制的に回収しスクイーズアウトを行い、その後、残りの株式を普通株式に戻す方法である。 *全部取得条項付種類株式とは、特別決議を経て、株式を強制的に回収できる権利が付与された株式のことを指す。

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