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債務超過とは

債務超過

(読み方 : サイムチョウカ)

債務超過とは、貸借対照表において負債の額が資産の額を上回っている状態のことを指す。 債務超過の場合は、負債の方が資産よりも大きくなっている状態であるため、純資産はマイナスとなる。 債務超過の中にも種類があり、簿価の貸借対照表上で債務が超過している状態にあるものを簿価債務超過、資産や負債を時価評価してもなお債務が超過している状態にある場合を実質債務超過と言う。

債務超過の欠点

債務超過が発生すると様々な不利益が生じる。中でも最大の不利益は、外部からの資金調達が難しくなる点であろう。 企業が継続的に事業を行うために最も必要なのものは、健全なキャッシュフローであり、資金ショートを起こさないことが大前提としてある。 もし債務超過に陥ると、金融機関からの新たな資金調達は難しくなるだけでなく、投資家からの出資も望めなくなる。 また、一度キャッシュフローが悪化すると、新規事業や新たな設備投資への参入が難しくなってしまうため、売上高の低下は時間の問題となる。 すなわち、将来への投資ができなくなる→企業競争力が落ちていく→利益率が落ちていく→さらにキャッシュフローが悪化していくという負のスパイラルが続き、倒産の確率が高くなる。 また信用が低下するため、新規取引先との取引が難しくなったり、既存の顧客との取引が停止されてしまったりするといった弊害も懸念される。

債務超過の原因

債務超過を引き起こす主な原因は、以下の3つに大別される。 ・赤字の累積 ・資産の評価損 ・特別損失 この中でも、企業が債務超過に陥る際に一番原因になりがちなものは、 1つ目の赤字での経営が続くことである。赤字が続くことは、会社の資産が減っていくことを意味し、それが続くといずれは負債の額の方が資産の額よりも多くなり、債務が超過している状態に陥ることとなる。 また、会社として所有している投資有価証券などの試算に評価損が生じると、債務が超過している状態に陥る場合もある。リーマンショックのように、所有している有価証券の時価が大幅に下がると、評価損が膨らみ、債務が超過している状態に陥る可能性が高くなる。 また、発生する可能性は先の2つと比較してあまり高くないが、 自然災害によって発生した損害や損害賠償のような突発的な要因によって債務が超過している状態が生じることも稀にある。台風などによる浸水や大雪による損壊など、臨時的な出費がかさむことによって、債務が超過している状態になる可能性は0ではない。

債務超過の予防策

このような原因から考えるに、債務超過に対する最も有効な予防策はことは赤字での経営の回避といえるだろう。 一般的には、黒字を増やそうとするよりも、赤字を減らそうとするほうが即効性が高いと言われている。コストカットなどをすることによって、赤字はある程度コントロールができる。 また、資金の流入、いわゆるキャッシュフローの悪化にも注意する必要がある。 黒字であっても会社は倒産するこ可能性は十分にある。債務超過に注意しながら、資金繰りにも意識を向けることも有効な予防策の1つといえるだろう。

債務超過の解消方法

増資によって債務超過を解消する

規模がそこまで大きくない、いわゆる中小企業において債務超過を解消する方法の中で簡単かつ有効な方法は増資である。 オーナー経営者や創業者の家族などが、債務が超過している状態を解消するのに十分な第三者割当増資を引き受ければ、債務超過は即座に解消ができる。 債務が超過している状態の企業の第三者割当増資の引き受けは、一見すると大きな損を抱えるように見えるが、もしその企業が立ち直ることができたら、配当金などにより増資した分を回収し、利益を上げることも不可能ではない。 また、債務超過後に企業を立て直し、その後M&Aで会社を売却するという選択肢もある。こちらの手法をとった場合、そのリターンはかなり大きくなると考えられる。

資産を売却して債務超過を解消する

次に、債務超過を解消する方法としてよくある方法が資産の売却である。土地などの資産は含み益を抱えている場合も多い。 そのような資産の中で、事業の継続に困らないものがあるのならば、それを売却してそこで出た売却益を計上することによって、債務超過解消の助けとすることができる。 また、減価償却資産は償却後の簿価であることが多いため、売却を行うことで売却益が出る場合も珍しくない。

DESで債務超過を解消する

最後にDES(Debt Equity Swap)によって、 負債を資本に切り替えてしまう方法を挙げる。 これは、金融機関に第三者割当増資を引き受けてもらい、その資金を使って借入金を返済し、債務超過を解消する方法である。 ただし、この方法は上場企業のように信用能力が高い企業であることが前提となるため、中小企業という規模が大きくない企業にとっての債務超過解消の手段としては非現実的であると言える。

債務超過と似た用語との違い

債務超過と赤字の違い

赤字の定義は、「単年度の収益が費用を下回った状態」とされている。 つまり、例えば1年間の売上高の合計が200万円であり、それに要した費用の合計が250万円であれば、50万円の赤字ということになる。この際資産が負債を大幅に上回り、資産超過の状態である場合は、50万円の赤字で債務が超過している状態に陥ることはないと言える。 しかし、赤字が続いたりもしくはその赤字の金額が多額であったりする場合には、この限りではない。債務が超過している状態に陥る可能性は十分にあるということになる。

債務超過と倒産の違い

債務が超過している状態が続くと倒産する可能性が高いということは事実であるが、債務超過=即倒産というわけではない。 なぜなら、企業が倒産する直接的な原因はキャッシュフローの悪化だからである。 赤字でも債務が超過している状態でも、手元に潤沢に資金があり、資金繰りが上手くできているのならば、赤字を早めに解消しなければ倒産の可能性は高まっているとは言えるものの、すぐに倒産することはない。 キャッシュフローを悪化させる原因は、 ・収益の減少 ・金融機関などからの資金調達の悪化 である。 債務が超過している状態に陥ると、大きな取引先との取引が中止されやすくなり、収益の減少に伴いキャッシュフローが悪化していくため、会社は倒産に近づいていく。 また、債務の超過している状態が長く続いている会社は新規の借り入れがしにくいため、結果としてキャッシュフローが悪化した際のフォローが効かなくなり、倒産のリスクが高くなる。 債務超過と倒産には直接的な関係はないが、債務の超過している状態が引き起こすさまざまな要因により、倒産の可能性が高くなることは事実である。

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