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CAPM

(読み方 : キャップエム)

CAPMとは、CapitalAssetPricingModelの略で、日本語では資本資産評価モデルと呼ばれる。 株式投資における株価収益率はリスクフリーレートにリスクプレミアムを加味した値によるものであるという仮説に基づいたモデルのことで、CAPMに基づき算出した資本コストを用いることで、リスクを加味した株式評価をすることができる。

CAPMの計算

CAPM(資本資産評価モデル)は、個別証券の期待収益率をβ(ベータ)の一次関数として表すモデルである。 ここでβとは、市場ポートフォリオの収益率が1%変化したとき、個別証券の収益率が何%変化するかの比率を表す指標であり、 CAPMでは当該βを、(市場ポートフォリオのシステマティック・リスクを1としたときの)個別証券のシステマティック・リスクと捉えている。 ※システマティック・リスクとは、ポートフォリオ理論において分散投資によっては消去することができない市場そのものに存在するリスクのことである。 具体的にCAPMでは、市場ポートフォリオの収益率と個別証券の収益率の連動性を、個別証券のシステマティック・リスクとして捉えることで、個別証券のリスクプレミアムを測定するのである。 なお、βの意味を値ごとに説明すると、以下のようになる。 β>1 個別証券の収益率の変動率は市場ポートフォリオの収益率の変動率よりも大きい。 β=1 個別証券の収益率の変動率は市場ポートフォリオの収益率の変動率と等しい。 β<1 個別証券の収益率の変動率は市場ポートフォリオの収益率の変動率よりも小さい。 ここで、なぜβが個別証券のシステマティック・リスクになるといえるのか。 市場ポートフォリオには全てのリスク資産が含まれている以上、リスク分散効果は最大限に発揮されるため、市場ポートフォリオの収益率の変動はシステマティック・リスクのみに起因して発生すると考えられる。 よって、この市場ポートフォリオの収益率と個別証券の収益率との連動性を表す概念がβであり、個別証券がどれだけシステマティック・リスクの影響を受けるかを表すものであるため、βは個別証券のシステマティック・リスクといえるのである。

CAPMの問題点

CAPMには、以下のような問題点があると言われている。

市場インデックスの多様性

CAPMでは、市場ポートフォリオという何らかの市場インデックスを反映した数値がわからなければ、個別証券の期待収益率を算定することができない。 さらに、市場インデックスといっても様々であり、どれを適用するかによってβの値は異なってしまう。 ※ リスク資産は無数に存在する以上、市場ポートフォリオの期待収益率を厳密に把握することは困難である。この代替としてTOPIXや日経225等の市場インデックスを用いることが一般的だが、どの市場インデックスを用いるかによりB等の数値は異なってしまう。

シングルファクターモデルの限界

CAPMではリスクのみしか考えていないため、リスクというシングルファクターのみでは信頼性に欠けると指摘される。

市場ポートフォリオ構築の困難性

市場ポートフォリオは厳密に言えば、株式、債券等に加え、土地や金等投資対象になる全てのリスク資産を含んだポートフォリオを指す。 しかし、現実の分析では、株式市場を市場ポートフォリオとして捉え、株式市場全体の期待収益率を市場ポートフォリオの期待収益率の代理変数とするため、真の意味での市場ポートフォリオが使用されているわけではない。 このため CAPMの妥当性を正しく検証することができない。

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