【2022年最新版】M&A業界の動向と今後の展望について徹底解説!

2022年11月22日

日本では後継者不在による黒字廃業が社会問題のひとつになっています。
2025年までに70歳を超える中小・零細企業の経営者は約245万人と予想され、うち半数以上の約127万人が後継者未定となっています。

昨今、経営者の子どもの意思で事業を引き継がないケースや、見通しの悪化から経営者の意思で子どもに事業を引き継がせないケースなど、後継者未定の背景は多種多様です。
もちろん後継者が未定のまま、経営者に万が一のことが発生した場合、会社運営を行うことが難しく、廃業を余儀なくされます。
廃業に伴い、従業員の雇用はなくなり、サプライチェーンに支障が生じ、地域経済に悪影響をもたらすおそれがあります。

こうした予想や現状から、国は「中小M&A推進計画」や「事業引継ぎガイドライン」を打ち出し、M&Aによる事業承継支援の強化を進めてきました。
経済産業省、公的機関、金融機関、民間企業の普及活動により、現在では中小・零細企業においてもM&Aという事業承継の選択肢が浸透しつつあります。

本コラムでは、近年、中小企業での事例が急増しているM&Aに関して、業界の動向や今後の展望についてご説明します。

M&A業界の近年の動向

まずはM&A業界の近年の動向についてご説明いたします。
本コラムを読まれている経営者の方も、身近な企業がM&Aで会社を売却したり、合併しているケースがあるのではないでしょうか。
国内における直近のM&Aの件数は、統計史上過去最高と言われております。
以下に「M&Aの成約件数」に関するグラフを記載しておりますが、M&Aの件数自体は年々増加傾向にあり、2021年のM&Aの成約件数は過去最高の4,280件となりました。

(図1:M&Aの成約件数)

(資料:レコフデータ)

一般的にM&Aの成約数は景気に左右されると言われており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一時的な落ち込みはあったものの、蓄積された内部留保の活用と、コロナ禍をチャンスと捉えた企業を中心にM&Aで事業拡大や、新規事業の立ち上げを行ったのではないかと考えられます。

また経済産業省によるM&Aを推進する施策や、M&Aプラットフォームの台頭により、小規模事業者においても徐々にM&Aが選択しやすい世の中へと変わりました。
こうした背景もあいまってM&Aの成約件数は過去最高となったのではないかと推測しています。

(図2:M&Aプラットフォームについて)

M&Aに対する印象の変化

実は10年ほど前までは、中小企業においてM&Aで事業承継を行う考え方が浸透しておらず、後継者が不在の場合は廃業するケースも多くありました。
当時はM&Aに関して、「乗っ取り」や「敵対的」といったマイナスのイメージが多く持たれ、M&Aに対してアレルギーを持つ経営者も非常に多い印象でした。

またM&Aといえば「多額の買収資金」や「高額な成約手数料」といった印象をもつ経営者も多く、「中小企業にとってM&Aは無関係である」と思われた経営者も数多くいらっしゃいます。

ですが今では、経済産業省や民間企業による、事業承継の選択肢としてのM&Aを推進する動きやM&Aのプラットフォームの出現により、M&Aのイメージが大きく変わりました。
例えば、2011年に各都道府県に事業引継ぎ支援センターが設置されました。
これにより中小・零細企業であってもM&Aが選択できるようになり、現在では小規模事業者のM&Aを支援する代表的な機関となっています。

2021年度に全国の事業引継ぎ支援センターに寄せられた相談件数は20,841件で、M&Aの成約数は1,514件と過去最高を更新しました。
またM&Aプラットフォームが登場により、中小・零細企業によるM&Aだけでなく、個人による企業買収も可能な世の中になってきています。

かんたん1分

M&A専門会社の動向

中小・零細企業のM&Aの成約件数や相談件数は以前に比べると増え、M&Aは身近なものになりつつあります。
こうした背景を受け、日本では数多くのM&A専門会社が設立されました。
現在、中小企業庁がM&A支援機関の登録制度を設けておりますが、当支援機関に登録された業者は2253件(2021年10月7日時点、法人、個人事業主含む)存在し、それ以外も含めれば数千件のM&A専門会社が存在している状況です。

M&A専門会社の動向に関しては、上場しているM&A仲介会社の直近の決算内容を見ながら、述べさせていただきます。

上場M&A仲介会社の決算内容からみる動向

上場しているM&A仲介会社として日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズの決算内容を見ながら、M&A専門会社の動向を見ていきましょう。

(日本M&Aセンター)

(ストライク)

(M&Aキャピタルパートナーズ)

各社とも直近の売上高は二桁増の実績となっており、業界全体としてM&Aの成約が過去に比べ増加していることが推測できます。
また売上高の伸び率から、業界の市場規模の拡大が予測され、それに伴い従業員数も急激なペースで増えています。
今後もM&Aの相談件数、成約数ともに増加することを見越して、積極的に採用を行っているのではないかと考えます。

また従業員を増やすことで売上高が増える、労働集約的な側面があると考えます。
利益率に大きなブレがないため、売上を伸ばすためには多くの従業員を採用し、成約数を伸ばすことが重要となります。
またM&A業務は弁護士や税理士のような国家資格を必要としません。
そのため従業員を確保できれば売上が出やすいため、国内のM&A専門会社が非常に多くなったのではないかと考えられます。

M&A仲介会社についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

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金融機関の動向

金融機関においてもM&Aの相談件数は増えており、本業支援や事業承継支援の一環で積極的に取り組む金融機関も増えてまいりました。
弊社は直近1年間で250を超える金融機関の事業承継・M&A専門部署の方と面談をしましたが、後継者が不在でM&Aを希望される中小企業が年々増加しているとの話を伺います。
以下のグラフは信用金庫におけるM&Aの支援実績とうち事業承継関連の支援数をあらわしたものになります。

(信用金庫のM&A支援実績)

2011年時点では全国の信用金庫でM&Aの支援実績が36件、うち事業承継関連のM&Aが19件という状況でした。
信用金庫でのM&Aの支援体制が整っていなかったことや、M&Aの相談件数自体が多くなかったことが予想できます。

しかし2020年時点ではM&Aの支援実績が1187件、うち事業承継関連のM&Aが812件と件数が飛躍的に伸びていることが分かります。
支援実績に関しては約33倍、事業承継関連のM&A実績に関しては約43倍に増えており、中小企業においてM&Aは身近な存在になりつつあり、金融機関のサービスメニューには欠かせないテーマとなっております。

M&A業界の今後の動向と展望予測

ここまではM&A業界の近年の動向について、全体感とM&A専門会社、金融機関の視点でご説明いたしました。
この章ではM&A業界の今後の展望予測について、詳しく述べていきたいと思います。

第三者承継支援総合パッケージ

今後の展望を説明するにあたり、まずは経済産業省が策定した「第三者承継支援総合パッケージ」についてご説明します。

「第三者承継支援総合パッケージ」とは、後継者未定の中小企業に対して第三者承継による事業承継支援を行う方針が記載された文書で、2019年12月に策定されました。
本書には「10年間で60万社の第三者承継の実現を目指す」との指針が記載されており、毎年6万件の第三者承継が発生する可能性に触れています。
この「60万社」という数字は、黒字廃業の可能性がある件数であり、ここに対して取り組みを強化することで、抜本的な事業承継問題の解決ができるとの考えを示しております。

小規模事業者がM&Aを選択できる世の中

中小企業におけるM&A支援体制は以前に比べ、大幅に進んできましたが、まだ100%支援が行き届いているとは言い難い状況です。
日本の中小企業のうち、売上が1億円未満の企業が8割を占め、またその先の後継者不在率は約80%と言われております。
また売上100億円未満の企業の後継者不在率は約60%、1000億円未満の企業は40%弱とのことです。
つまり黒字廃業を1件でも少なくするためには、売上が1億円未満の企業にM&Aの選択肢を提供できることがカギになります。

現状は中小・零細企業にとってM&Aは身近な存在になりつつも、今なお成約手数料の観点でM&Aを選択できない企業も多数います。
今後、小規模事業者がM&Aを選択できるためにはどのような変化が必要なのか、弊社の考えをお伝えさせていただきます。

M&Aプラットフォームの更なる進化

現在、小規模M&Aで実績を残しているサービスはM&Aプラットフォームです。
成約手数料のハードルが低く、小規模事業者にとってもM&Aを選択できるサービスである一方、課題もあります。
M&Aプラットフォームは、後継者不在に悩む高齢経営者がメインターゲットとなりますが、操作がうまくできず活用できていないケースも少なくありません。
また譲渡側が希望する相手がなかなか見つからないケースも多く、仕組みは存在するもののうまく活用できていない事態が発生しています。

今後は、「人×ITのハイブリット型のプラットフォーム」や「マッチングに特化したプラットフォーム」、「誰でも簡単に操作ができるUIが備わったプラットフォーム」が出てくるのではないかと考えます。

M&Aプラットフォームについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

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かんたん1分

成約手数料の引き下げ

小規模M&Aがうまくいかない理由のひとつに成約手数料があげられます。
現在、上場しているM&A仲介会社にM&Aを依頼した場合、最低手数料が1000~2000万円とされており、小規模事業者にとってハードルが高い状況にあります。
近年のM&A仲介会社の動向を見ると、数百万円でM&Aを対応する事業者も増えてきており、今後とも価格競争の観点から成約手数料が下がる可能性が考えられます。

金融機関の支援

地域の金融機関が取引先の事業継続を目的に、低コストでM&Aの支援を行う可能性があります。
地域金融機関には数多くの企業情報があり、候補先選定には非常に競争優位性があると考えています。
また近隣の金融機関と連携して、第三者承継の支援を積極的に行ってる地方銀行や信用金庫もあり、今後こうした支援体制がより加速するのではないかと考えております。

業界別最新のM&A動向

この記事では、以下の業界のM&Aの動向について触れます。

  • 調剤薬局
  • 医療・介護
  • 運送・物流

それでは、それぞれについて見ていきましょう。

調剤薬局

調剤薬局とは、病院や診療所などの医師が出す処方箋にて指示された薬を処方箋の指示に基づいて調剤して薬として受け渡す薬局のことをいいます。
一般的にドラッグストアと呼ばれるようなマツモトキヨシやウェルシアなどとはビジネスモデルが異なります。
調剤薬局は、全国に59,000店以上あるといわれています。
コンビニエンスストアは、全国に57,000店ほどといわれていますから、かなり多くの数があることが分かります。

そんな調剤薬局ですが、M&Aにおいては最も注目されている業界の一つであるといえます。
その理由としては、薬剤師の不足や医療費削減政策などによる調剤薬局の収益の現象、さらには経営者の高齢化があります。

その中でも特に、薬剤師の不足が大きな問題となっています。
なぜなら、薬剤師が対応できる処方箋の数が、一日に40枚までと決められているからです。
そのため、複数人の薬剤師を雇わなければ、多くの調剤を行うことができずに収益も上がらないため、薬剤師の人でが不足する事態に陥っているのです。

そういった理由もあり、調剤薬局のM&Aでは、譲渡する側の企業は中小規模の事業者が多く、譲受企業である、大手調剤薬局の傘下に入るケースが多いと言われています。
譲受企業としては、人材の確保や地方への店舗拡大などを果たすため数多くのM&Aを実行しているケースが多いです。

また、今後日本が高齢化していくに伴って、一定の成長が見込まれるため、調剤薬局には異業種からの参入のためのM&Aも行われています。

調剤薬局のM&Aによるメリット

売り手のメリット
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 後継者問題が解消する
  • これまでのお客さんに迷惑をかけないで済む
  • 創業者利益を獲得できる
買い手のメリット
  • 薬剤師の確保できる
  • 薬局がある土地・設備の取得ができる
  • スケールメリットを享受することができる

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医療・介護

医療・介護業界は、高齢化の影響を受け最も年々経営環境が厳しくなってきています。
医療・介護業を取り巻く環境として、2025年問題があります。
2025年問題とは、団塊の世代である1947年~1949年生まれの方が、75歳以上の後期高齢者となり、超高齢化社会になることを指します。
高齢化が進むと同時に、少子化が進んでいることで、労働生産人口が急激に減少しているため、様々な社会問題が引き起こされるといわれています。
その中の一つに、医療・介護の逼迫があると予想されています。

そんな中、医療・介護業界については、最もM&Aが注目されている業界の一つであるといえます。
高齢化がますます進むにつれて、介護サービスや医療サービスの需要が今後も増加していくことが考えられます。
その一方で、医療・介護業界は長時間労働や低賃金などの問題があり、人材不足に陥っています。

また、後継者不在の問題については、医療・介護業界においても例外ではありません。
開業医の8割以上は、後継者不在であるともいわれています。
医院を承継するには、承継する相手が医師免許を持った人物である必要がありますが、医師になるには競争率の高い入学試験や国家試験を突破する必要があり、かなり困難であるといえます。
そのため、多くの一般企業よりも承継のハードルが高くなってしまいます。

そういった理由から、医療・介護業界では、人材確保のためのM&Aや、施設・設備投資のためのM&Aのほか、後継者不在による事業承継型のM&Aが行われています。
今後、ますます高齢化が進んでいくにつれて、医療・介護業界の需要は高まっていくため、今後も活発なM&Aが行われることが予想されます。

医療・介護業界のM&Aにおけるメリット

売り手のメリット
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 後継者問題が解消する
  • 安定的で効率のよい事業経営ができる
  • 創業者利益を獲得できる
買い手のメリット
  • 医師や看護師など有資格者を確保できる
  • 医療設備や病床などの設備の取得ができる
  • スケールメリットを享受することができる

かんたん1分

運送・物流

運送・物流業界は、市場規模が8兆円を超える巨大市場です。
さらに、近年のコロナ禍により宅配需要が増しており、今後ますます規模が拡大していくことが予想されます。
その一方で、規制緩和が行われたことにより配送業者が増加しており、競争が激化することによる積荷単価の下落が続いており、厳しい市場環境になることが予想されています。

物流業界を役割ごとに分類を行うと、輸送、保管、荷役、包装、流通加工のように分けることができます。
運送と言われるのは、物流業界の輸送の部分を担う会社のことを指し、物流は、輸送から流通加工までを総合的に行う会社のことをいいます。
また、保管を行うための倉庫業や輸送用車両の整備を行うための整備業などが関連業として関係性の高い業種としてあげることができます。

また物流業界では2024年問題が2年後に迫っており、対応を求められています。
2024年問題とは、働き方改革関連法によって時間外労働の上限規制が適用されることにより発生する様々な問題のことを総称した呼び方です。
この2024年問題に対応するために、企業側は、ドライバーをこれまでよりも数多く雇用する必要があり、これまでも慢性的に人手不足であると言われる、中小規模の運送会社では対応に限界があるといわれています。
また、2023年4月からは月60時間超の時間外労働への割増賃金率が25%から50%に増額されるため、業績面での影響も小さくありません。

2024年問題の解決策として、豊富な労働力と大きな資本、そして強い採用力を誇る大手の物流会社のグループの傘下に入る形でのM&Aが多くみられるようになってきました。また、大手企業同士の業務提携も数多くみられます。
2024年問題という環境も後押しすることで今後も物流業界のM&Aは件数が増えていくことが予想されます。

運送・物流業界のM&Aにおけるメリット

売り手のメリット
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 2024年問題に対応することができる
  • 有力なグループの傘下に入ることで、安定した事業経営を行うことができる
買い手のメリット
  • 車両・設備を一括で取得できる
  • 資格・許認可を取得することができる
  • スケールメリットを享受することができる

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IT業界

IT業界は、年々M&Aの件数が増えてきており、今最もM&Aや資本提携が活発に行われている業界の一つといえるでしょう。
近年ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれていることからIT需要が高まっており、ITはビジネスにおいて重要な要素となってきています。
また、IT業界は新しい産業のように見えますが、既に60年程度の歴史がある業界となっています。
そのため、他の業界と同じように、経営者が高齢化しており後継者が不在であるというケースも出てきております。
特に、IT業界は事業環境の変化が非常に早い業界といわれているため、他の業界と比較して早い段階で経営者が事業承継を望むケースもあるようです。

その一方で、IT業界では技術者が慢性的に不足しており、人材の確保に苦戦する企業が多く見受けられます。
7割を超える企業がDX人材が不足しているといった調査結果もあり、人材不足が深刻であることが分かります。

そういった、DXの加速と慢性的な人材不足といった2つの要因が重なっていることが、IT業界でのM&Aを加速させている要因となっています。
IT業界でのM&Aにおいては、同じ業界内でのM&Aに限らずに、異業種からの参入を目的としたM&Aも活発に行われているという特徴があります。

また、IT業界では、次々に斬新な新しいサービスが生まれています。
そういった斬新な新しいITサービスを提供する新興企業に対して、ベンチャーキャピタルや大手IT企業が技術と顧客基盤の確保を目的としてM&Aを行うという例も多くみられます。
IT企業の経営者は、そういったM&Aによって得られた資金をもとに、別の新たなサービスを生み出すことも多く、M&Aによる資金の調達は重要な手段となっているといえるでしょう。

IT業界におけるM&Aのメリット

売り手のメリット
  • 創業者利益を獲得することができる
  • 後継者問題が解消する
  • 有力なグループの傘下に入ることで、安定的な事業運営ができる
買い手のメリット
  • 新事業立ち上げの時間を削減できる
  • 技術者の確保ができる
  • サービスの顧客基盤を確保することができる

建設業界

建設業界は、住宅やビルなどの建物を建築する建築業と、道路やトンネルのようなインフラを整備する土木業に分けられます。
また、それらを合わせた市場規模は50兆円を超える巨大産業です。
新型コロナウイルスの影響で企業の設備投資の需要が一次的に落ち込んでいたことから、向上などの建設需要は落ち込んでいましたが、リニア新幹線事業による大規模開発があることや、高度経済成長期に建設されたインフラ設備が50年を超え、改修工事の必要が出てきていることなどから、今後も高い需要が見込まれます。

一方で、建設業界においても、慢性的な労働力不足に直面しており、人材の確保に頭を悩ませる中小企業が多く存在します。
人材不足の原因となっているのは、職人の高齢化と若年層の業界離れにあるといわれており、資格を持っている責任者や技術者の高齢化や経営者の高齢化によって廃業を余儀なくされるケースも出てきています。

そういった環境下において、資格・技術・経験を持った人材を確保するためのM&Aが活発に行われています。
特に、人材の確保でありまた規模の拡大を目的としたM&Aも活発に行われています。
また、建設業は営業するエリアごとに許認可が必要となるため、営業エリアの拡大を見込んだ隣県へのM&Aという例も多くあります。

さらに、建設業界においても、運送・物流業界と同様に2024年問題があり、対応に迫られています。
2024年問題によって、労働時間の上限規制が厳しくなることによって、建設業界においても今よりも従業員を多く雇用する必要があります。
しかしながら、慢性的な人材不足にある建設業界において、中小規模の建設会社がいまよりも多くの人材を確保することは容易ではありません。
また、2023年4月からは月60時間超の時間外労働への割増賃金率が25%から50%に増額されるため、業績面での影響も小さくありません。

2024年問題の解決策として、豊富な労働力と大きな資本、そして強い採用力を誇る大手の建設会社のグループの傘下に入る形でのM&Aが多くみられるようになってきました。
2024年問題という環境も後押しすることで、建設業界のM&Aは今後も増えていくことが予想されます。

建設業界のM&Aにおけるメリット

売り手のメリット
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 2024年問題に対応することができる
  • 有力なグループの傘下に入ることで、安定した事業経営を行うことができる
買い手のメリット
  • 有資格者・技術者を一括で取得できる
  • 許認可を取得することができる
  • スケールメリットを享受することができる

不動産業界

不動産業界は、具体的には、不動産開発・分譲、流通、不動産管理、賃貸などの分野に分けることができます。
それら不動産業を取り巻く環境として、少子高齢化や人口減少があげられます。
どの業界においても影響はありますが、衣食住の住を担う不動産業としては、人口が減少することによる影響を最も大きく受ける業界の一つであるといえます。

具体的には、高齢化による単身高齢者の増加、地方の過疎化による空地や空き物件の増加、高度経済成長期に建築された不動産の老朽化など、様々な問題が生じています。
また、不動産業を営む経営者側を見た場合においても、高齢化が進んでおり、約半数以上が60歳を超えているといったデータもあり、他の業界と同様に経営者の高齢化が進んでおり、世代交代の必要性が高まっていることが分かります。

一方で、不動産業はストック型のビジネスモデルであるため、レバレッジを聞かせることができることから、M&Aにおいて人気の業種の一つです。
特に、M&Aによるスケールメリットが大きいため、従来よりも規模の拡大を目指すといった目的のM&Aが活発に行われています。
特に、顧客獲得を目指し、地方の不動産会社が都市部に進出するケースや、異業種からM&Aによって不動産業に新規で参入するケースなどが増えてきています。

不動産業は、中小規模の事業者が多いことや、経営者の高齢化が進んでいることから今後もM&Aの件数は増加傾向となることが予想されています。

不動産業のM&Aにおけるメリット

売り手のメリット
  • 後継者問題が解消する
  • 創業者利益を獲得できる
買い手のメリット
  • 資格保有者を確保できる
  • スケールメリットを享受することができる

かんたん1分

製造業

製造業は日本の国内GDPの約20%を占める基幹産業の一つです。
特に、トヨタやソニーなどの日本を代表する企業から、それらの企業の下請け・孫請けにあたる、中小企業まで、企業の規模から業種まで様々なものが含まれています。
日本において製造業は、1980年代までは高い国際競争力を維持してきました。
しかし、1990年以降、中国や韓国・台湾のデジタル家電メーカーの台頭により、徐々に国際的な競争力を失ってきた過去があります。
また、近年では国際的な電気自動車化が目指されており、燃料エンジンの技術に強味を持つ日本の自動車産業も競争力にさらされています。

そんな製造業のM&Aでは、中小の事業者が、大手企業の傘下入りを目的とした事例が多いと言われています。
中小企業がM&Aを選択する一番の理由には、後継者不在があります。後継者不在を理由にして廃業を行ってしまうと、これまでの取引先との関係を打ち切る必要があります。
ただ、製造業については、サプライチェーンがかなり緊密な関係にあるため、元請企業から見ても、下請け企業が廃業した場合に、代替企業を見つけることは簡単ではありません。
また、下請けのメーカー企業は常に、不安定な状況にさらされているため、大手企業の傘下に入ることで安定した経営を実現しようという動機も働きます。

サプライチェーン内でM&Aが行われる場合には、買収を行う企業側にも大きなメリットがあります。
サプライチェーンがより一体となって生産管理や工程の管理を行うことができるようになるため、より効率的な無駄を省いた業務のオペレーションが可能になります。
また、廃業を行うと失われていた技術力を維持することで高い品質で製品を製造し続けることができるというのも大きなメリットであるといえます。

製造業は、経営者の高齢化が最も進んでいる業界の一つであることや、市場環境による厳しい競争下にあることから今後も積極的なM&Aが実施されていくことが予想されています。

製造業におけるM&Aのメリット

売り手のメリット
  • 後継者問題が解消する
  • 技術力を残すことができる
買い手のメリット
  • 高い技術力を確保することができる
  • スケールメリットを享受することができる

【M&A業界の動向】まとめ

ここまでM&A業界について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
近年M&Aの件数が増加傾向にあることや、今後のM&A業界の展望について見てきました。
小規模な事業者がこれまでよりももっとM&Aという選択肢を選択できる世の中になっていくことや、M&Aプラットフォームによる支援・金融機関によるM&Aの支援が拡大していくことでM&Aの件数がさらに増加していくことが見込まれると述べてきました。
また、業界別のM&Aの動向についても解説しました。
どの業界においても、人材不足による人材確保のためのM&Aや、経営者の高齢化による後継者不在を理由にしたM&Aといった共通のテーマがあります。
業界によっては、2024年問題のように独自の問題を抱えており、M&Aが喫緊の課題となっている業界もあります。

それらの業界の案件もM&Aナビには多く掲載されていますので、是非案件をチェックしてみてください。

またM&Aナビは、売り手・買い手ともにM&Aにかかる手数料などを完全無料でご利用いただけます。
買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いのも特徴です。ぜひご活用ください。
弊社は第三者承継の形ではございますが、お役に立たせていただければと思いますので、お気軽にご相談ください。

かんたん1分

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