【最新版】2024年のアパレル業界のM&A動向について

2024年03月15日

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「服が売れなくなった」とも囁かれているアパレル業界は、異業種とのM&Aや海外ブランドとの提携など、大きな変化の渦の真っ只中にある業界といえます。
本記事ではファッション業界の市場規模やM&Aの事例について紹介します。また、M&Aナビではさまざまなアパレル売却案件も紹介していますので、ぜひ検討してください。

アパレル業界の市場規模

国内アパレル業界の市場規模は、バブル期から減少の一途を辿っています。
経済産業省の調査によると、1990年に約15兆円あった市場規模は、現在は約10兆円程度まで縮小しています。
一方で供給量は増加傾向です。
1990年には衣料品の供給量が約20億点だったのに対し、2000年代に入ると約40億点まで増加しており、ほぼ倍増しています。

近年のアパレル業界の特徴

前述のとおり市場は縮小しているにも関わらず供給量は伸びており、激しい価格競争が起きています。
ファストファッションに代表される安価な衣料品の台頭によって、中価格帯のアパレルブランドは特に苦戦を強いられています。
さらにコロナ禍による外出の自粛に伴って需要も減少しており、厳しい経営判断をするブランドが増えています。
国内最大手のワールドは、オゾックやアクアガールといった有名ブランドを廃止し、国内の358店を閉鎖、さらには200名の希望退職を募る決定をおこないました。

また、ギャル系ファッションで一世風靡したセシルマクビーは、国内に展開する43店舗すべての閉鎖を決定し、店舗事業から撤退することになりました。
さらに渋谷のシンボルともいわれたジーンズメイト渋谷店も、2021年3月までに閉店することとなりました。
このとおり、店舗を構えているアパレル小売業界では大きな構造転換が求められていると言えるでしょう。

アパレル業界、EC市場へのシフト

一方で、アパレルの中でもEC市場は年々拡大傾向を見せています。
2018年のアパレルEC市場の規模は2兆円に迫る勢いで急成長を遂げています。
スマホで簡単に購入できるようになったことも大きく影響していますし、採寸やコーディネートを提案してくれたりするアプリが増えていることも要因と言えます。
さらに、コロナによる非対面接触の動きも相まって、今後もアパレル業界のEC市場が伸びてくのは間違いないでしょう。

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アパレル業界の課題と今後の動き

アパレル業界の潜在的な課題と、今後の動きについて解説します。

輸入品の増加と海外展開の強化

国内の衣料品輸入浸透率は増加している一方で、海外への輸出力は先進国の中でも非常に低いことが課題です。

1991年の輸入浸透率は51.8%でしたが、現在は9割を優に超え、増加しています。
国産の服を見つけることが非常に困難なほど、海外で生産された商品で埋め尽くされていると言えます。
今後は、日本のブランド力や品質を活かした海外展開を視野に入れることが欠かせません。
自社ブランドを海外へ展開するために、海外ブランドとの業務提携や資本提携の動きが進んでいくでしょう。

後継者不在の問題とM&Aの強化

アパレル業界のなかでも製造業や卸・商社を営む会社の多くが、経営者の高齢化による後継者不足が問題になっています。
後継者が不足している、または承継先が見つからないために、黒字のまま倒産や廃業に追い込まれる会社も少なくありません。
日本全国で127万社もの後継者不在企業がいると言われていますが、「M&Aに対する抵抗感」「適切な相手が見つからないという不安」などによって、まだまだ十分な策を打てているとは言えません。
少子高齢化に伴って国内の産業は必ず縮小していくことが目に見えている中で、M&Aによって規模を大きくしたり力を結集したりして、一つひとつの企業が骨太く成長していくことが求められるでしょう。

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アパレル業界における最新M&A事例

アパレル業界における最新のM&Aの事例をご紹介します。

M&A事例1.ニッセンによるマロンスタイルの子会社化

まず1つ目に紹介するのが「ニッセンのマロンスタイルの子会社化」です。
2019年2月、株式会社ニッセンは株式会社マロンスタイルを子会社化しました。
マロンスタイルは20~30代の女性をターゲットに、大きいサイズの商品を扱う通販サイト「clette」を運営しています。EC事業のほか、アパレル通販での商品企画コンサルティングやOEMなどを手がけきました。
ニッセンは40代女性をターゲットとしたアパレルブランド「スマイルランド」を、若い女性向けに集客にしたい狙いがありました。そこでマロンスタイルのノウハウを必要としていたのです。
ニッセンの親会社である株式会社ニッセンホールディングスは、セブン&アイ・ホールディングスの子会社です。セブン&アイとのM&A後は順調に業績を回復し、将来へ向けて販路拡大を模索しています。
ニッセンによるマロンスタイルの子会社化は、ニッセンホールディングスによる販路拡大策の一環といえます。

M&A事例2.レナウンの主要ブランドを小泉グループへ譲渡

2020年9月9日に株式会社レナウンは、アクアスキュータムやダーバンなどの主要ブランドの事業を小泉グループに売却することを発表しました。
レナウンは日本を代表するアパレル大手メーカーです。
1960年代から斬新なCM戦略を展開し、常に話題をつくり出してきた同社ですが、バブル崩壊後は業績が大幅に悪化していました。
2009年から2013年にかけて、中国の山東如意グループに対して第三者割当増資をおこない子会社となりました。その後、コロナ禍の不況が決定打となって、民事再生手続きにいたりました。
小泉グループは、傘下に複数のアパレル企業をもつ歴史ある会社です。レナウンがもつ「ダーバン」70店、「アクアスキュータム」80店など、ほとんどの店舗を継承することとなりました。

M&A事例3.三井物産によるビギホールディングスの子会社化

最後は三井物産によるビギホールディングスの子会社化です。
2018年1月に三井物産と関連会社であるMSDファンドは、株式会社ビギホールディングスを完全子会社化しました。
MSDファンドは、三井物産株式会社とMSD企業投資会社が運営する会社です。
ビギホールディングスは、「Men’s Bigi」「yoshie inaba」「converse」などの有名ブランドを展開する日本企業です。
ビギホールディングスと三井物産は、過去30年の長きにわたって取引を続けてきました。
MSDファンドの子会社になる前から、両社間には強い信頼関係が築かれていたと言えます。
商社ならではのグローバルなネットワークをもつ三井物産は、ビギホールディングスの販路をさらに拡大し、新しいブランド構築を支援していくことでしょう。

アパレル業界でM&Aを成功させるポイント

アパレル業界がECシフトに対応するためには、異業種とのM&Aも視野に入れることが大切です。
国内マーケットは確実に縮小していく中で、ただ店舗で衣料品を売るだけの会社は淘汰される可能性が高くなるでしょう。
たとえばIT企業のグループに入り、テクノロジーを活用した顧客分析や接客体験の向上などにチャレンジしたり、通販サービス会社の傘下に入りオンライン販売の強化したりといったことが考えられます。
自社内にテクノロジーやデジタルの知識が不足している会社も多いため、異業種との提携や売却によって相乗効果を生み出すことが可能です。

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アパレル業界のM&Aまとめ

アパレル業界は、国内市場の縮小と、安価な輸入品増加による価格競争という構造的な問題を抱えています。
一方でEC市場の規模は年々増加しており、デジタル化にいち早く対応した会社がこの先も伸びていくでしょう。

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