M&Aのメリットとは?売手・買手の視点からわかりやすく解説

2024年03月15日

M&A メリット

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M&Aは、買手側はもちろんのこと売手側にも大きなメリットをもたらします。

特に、近年の中小企業では、後継者不在の解決先の有効的な手段としてM&Aを活用することが活発になってきました。

一方で、M&Aが成立後に買わなければよかった、売らなければよかったというような結果を招いてしまうようなリスクも存在します。

この記事では、売手・買手の双方の視点に立ってM&Aのメリットとデメリットについて解説していきます。

後悔のないM&Aが実現できるように理解を深めてください。

M&Aの売り手のメリット

M&A メリット

まずは、M&Aにおける売り手側のメリットから解説をしていきます。

事業承継問題が解決できる

M&Aは、特に中小企業において事業承継の際の1つの選択肢として非常に重要な解決策です。

後継者不足に直面する企業にとって、M&Aは有力なオプションであり新たな経営体にスムーズに事業を移行させることができます。

実際、多くの中小企業がこの手法を利用して事業承継問題の解決を行っています。

従業員の雇用継続が期待できる

M&Aを通じて、従業員の雇用を維持し安定したキャリアパスを提供することが可能です。

従業員の不安を和らげ事業の継続性を保つことは、社会的責任の面でも大きなメリットをもたらします。

買い手企業が同じ業界内であれば、従業員のスキルと経験が有効活用される可能性が高くなります。

買い手企業が大手や中堅企業の場合は、従業員の給与水準が向上する場合もあるため、従業員にとってもメリットがある場合が多いです。

創業者利益を確保できる

M&Aを実施することで、創業者や現経営者は、事業の売却から生じる利益を得ることができます。

特に事業が成長軌道にある場合、売却によって高額な利益を実現することが可能です。

これは創業者の長年の労力に対する報酬を得る手段として非常に効果的です。

個人保証の解除が期待できる

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多くの中小企業経営者が直面する事業融資の際の個人保証問題を、M&Aを通じて解決できることがあります。

企業売却によってこれらの保証から解放されることで、経営者は個人の資産リスクを軽減し、新たなビジネスチャンスに集中できるようになります。

経営推進力の向上が見込める

買い手企業のリソースを活用することで、売り手企業の事業は新たな成長を遂げることができます。

特に資本力や技術力のある大企業に売却した場合、資金的な面でのサポートや技術的な協力を受けることで、事業が更なる発展を遂げることが期待されます。

事業価値の最大化

M&Aを通じて、事業価値を最大化することができます。

適切なタイミングでの売却は、事業の市場価値を高め有利な条件での交渉を可能にします。

これにより、経営者は事業を最適な状態で次のオーナーへ引き継ぐことが可能になります。

経営リスクの軽減

M&Aを実施することで、経営リスクを効果的に軽減できます。

特に経済の不確実性が高い時期において、事業の売却は資産の安全確保という点で重要な戦略となります。

市場変動や技術革新のリスクから逃れ、安定した収益を確保する道を選ぶことができます。

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M&Aの売り手のデメリット

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一方で、売り手にとってM&Aはメリットだけを提供するものではありません。

この章では売り手側のデメリットについて解説していきます。

M&A成立までの負担がかかる

M&Aのプロセスは、多くの時間と労力を要します。

事業の評価、適切な買い手の選定、交渉過程、契約の締結に至るまで、経営者や関係者は膨大な時間を割く必要があります。

M&Aのプロセスは、通常の業務を行われる中で進めていく必要があるため時間的なリソースを割く必要があります。

また、M&Aのアドバイザリー費用や法的手続きに関わる費用も発生し、これらは売り手の負担となり得ます。

従業員の離反のリスクがある

M&Aのニュースが伝わると、従業員の間に不安や疑念が生じることがあります。

特に買い手の経営方針や企業文化が明確でない場合、従業員は将来の不確実性に対して不安を感じ、退職を考えることもあります。

これは、特に経験豊富で重要な役割を担う従業員にとって顕著なリスクとなります。

経営の自由度が失われる

M&A後、売り手の経営者や創業者は、経営の自由度を失う可能性があります。

M&Aによって事業の売却が完了した後は、経営方針や企業文化の変更に対して発言権を持たなくなることが一般的です。

これは、事業に対する情熱を持つ創業者にとって大きな心理的な負担となることがあります。

企業アイデンティティの喪失

企業の売却は、企業アイデンティティの喪失を意味することがあります。

特に長年にわたって築き上げてきたブランドや企業文化が、買い手企業によって変更される可能性があります。

これは、従業員や顧客にとっても大きな変化となり、企業の独自性や伝統を失うリスクがあります。

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M&Aの買い手のメリット

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次に、M&Aにおける買い手側のメリットについて解説をしていきます。

事業規模の拡大ができる

M&Aは買い手にとって、短期間で事業規模を拡大する最適な方法といえます。

M&Aを活用することで新しい市場への迅速な進出や、既存市場におけるシェアの増加を実現できます。

これにより、買い手は市場のリーダーとしての地位を強化し、業界内での影響力を増すことができます。

新しい事業領域への進出ができる

M&Aにより、買い手は自社の事業範囲を新しい領域に広げることが可能です。

M&Aによって新しい事業領域の企業を買収することで、新たな市場や顧客層へのアクセスが容易になり、事業の多角化と収益源の多様化を達成できます。

特に、自社の事業領域と異なる事業領域の会社を買収する際は、革新的な事業機会を創出します。

シナジー効果が期待できる

M&Aは買い手にとって、経営資源の最適化と効率化を促す強力な手段です。

異なる企業の強みを組み合わせることで新たな価値を生み出し、コスト削減や売上の増加が見込めます。

これは、市場競争において重要なアドバンテージとなります。

スピーディーな事業展開ができる

自社だけで新規事業を立ち上げるよりも、M&Aを通じて既存の事業基盤を活用する方が、はるかに迅速です。

このアプローチは、市場の変化に素早く対応し、先行者利益を享受するために特に有効です。

事業の多角化の推進ができる

M&Aにより、買い手は事業リスクを分散し、収益の安定化を図ることができます。

特定の業界や市場に依存するリスクを軽減し、経済的な変動に強い企業体へと変貌を遂げることが可能です。

技術や人材の獲得

M&Aを通じて、先進的な技術や優秀な人材を持つ企業を取り込むことができます。

これにより、買い手は自社の技術力を高め、イノベーションの促進が期待できます。

特に技術革新が激しい業界において、このアプローチは非常に有効です。

競争優位の獲得

M&Aは買い手に競争上の優位性をもたらします。

市場でのポジショニングを改善し、競合他社との差別化を図ることが可能です。

これにより、買い手は市場での影響力を高め、より強力なブランドを築くことができます。

新たな市場チャンスの創出

M&Aは新しい市場チャンスを開拓します。

特に異業種間のM&Aでは、買い手は自社にない市場や顧客層へアクセスし、新たな収益機会を生み出すことができます。

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M&Aの買い手のデメリット

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買い手にとっても、M&Aはメリットだけを提供するものではありません。
買い手側にとってもデメリットが存在します。

ここでは買い手側のデメリットについて解説をしていきます。

簿外債務の引き継ぎの可能性がある

買い手はM&Aを通じて、見落とされがちな簿外債務を引き継ぐリスクがあります。

簿外債務とは、財務諸表上に明示されていない債務や未来の経済的負担を指し、株式譲渡のスキームにおいて議論になります。

十分なデューデリジェンス(買収対象の詳細な調査)を行い、思わぬ財務上のリスクを背負わないように注意する必要があります。

期待していたシナジー効果を得られない可能性がある

M&Aでは、買い手が期待するシナジー効果が実現しないリスクが常に存在します。

異なる企業文化の融合の難しさや、統合に伴う業務の混乱が原因で、効率化やコスト削減、売上増加などの目標が達成できない場合があります。

適切な統合プロセスを実施し、事前に期待していたシナジー効果を得られるようにコミットする必要があります。

高額な買収コスト

M&Aは高額な投資を伴います。特に市場価値が高い企業の買収は、莫大な資金が必要となります。

また、買収後の統合コストや、新たな投資が必要になるケースも多く、財務的な負担が大きくなることがあります。

統合に伴う内部抵抗

買収した企業の従業員や経営陣からの内部抵抗は、M&Aの大きな障害となることがあります。

特に、企業文化や経営方針の違いから、従業員の士気が低下し、生産性が落ちることもあります。

これは、統合後の業績に悪影響を与える可能性が高いです。

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M&Aを成功させる3つのポイント

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これまで見てきた通り、M&Aには売り手・買い手の双方にメリットとデメリットがあります。

それらを踏まえ、デメリットを最小限に抑え、メリットを最大限に引き出すことができるように3つのポイントを解説します。

M&Aの目的を明確にすること

M&Aの成功の鍵は、明確な目的の設定にあります。

これは、企業がなぜM&Aを行うのか、どのような価値を期待しているのかを明らかにすることです。

目的が不明確だと、適切な買収対象の選定が困難になり、結果として期待した効果を得られない可能性が高まります。

目的には、市場拡大、技術獲得、コスト削減など様々な背景がありますが、自社の経営戦略の基づいたM&A戦略が必要です。

十分な準備を行うこと

M&Aの成功には、事前の徹底した準備が不可欠です。

これには、財務状況の詳細な分析、潜在的なリスクの特定、戦略的な買収対象のリストアップ、交渉戦略の策定などが含まれます。

また、内部チームと外部アドバイザーとの協力体制を整えることも重要です。

十分な準備を行うことで、予期せぬ問題に対処し、スムーズな取引を実現することが可能になります。

M&Aの専門家に相談すること

M&Aは複雑で専門性の高いプロセスです。

そのため、法務、財務、税務、経営などの分野で経験豊富な専門家に相談することが重要です。

専門家は、M&Aのプロセス全体を通じて適切なアドバイスを提供し、リスクを最小限に抑える手助けをします。

特に、交渉段階や契約の締結において、法的な問題や財務的な誤算を避けるために、専門家の知見は不可欠です。

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M&Aのメリットまとめ

M&A メリット

いかがだったでしょうか。

本記事では、M&Aにおけるメリットとデメリットについて売り手・買い手の双方の視点から解説をしてきました。

M&A(合併・買収)は、現代のビジネス環境において、非常に重要な企業成長戦略の手段となっています。M&Aには多くのメリットがありますが、一方で無視できないデメリットが存在することも事実です。

売り手と買い手のそれぞれのメリットとデメリットを理解して、企業の成長と発展を大きく進めていきましょう。

M&Aナビは、買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いことが特徴です。ぜひご活用ください。

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