中小企業M&Aにおける会社を売却するメリットと高く売れる条件とは?

2020年01月21日

近年、親族や従業員への事業承継ではなく、第三者へのM&Aによる株式譲渡や事業譲渡を選択する中小企業の数が増加傾向にあります
会社や事業の売却は、売手側オーナーや従業員、取引先などに、どのようなメリットをもたらすのでしょうか。

この記事では、中小企業がM&Aによって会社や事業を売却するメリットについて解説します。

中小企業がM&Aによって会社を売却をするメリット

M&Aによる売却に対し、マイナスイメージを持つ方は多く存在します。
それは、人々の耳に届くM&A案件の大半が、大手上場企業同士の戦略的な敵対的買収であることに起因します。

これに対し、中小企業M&Aのほとんどは、皆さまのイメージとは異なるものです。
ニュースになることが少なくあまり知られていませんが、中小企業の間では、売手と買手の双方が納得した上で、円満で友好的なM&Aが行われます。
中小企業の多くは未上場で、株式の一般公開はされていないため、見ず知らずの第三者に株式を強制買収されるということはまず起こらないからです。

では、売手オーナーは、実際にどのようなメリットを感じてM&Aを実施するのでしょうか。

後継者不足問題の解決

M&Aによって解決できる問題の一つが「後継者問題」です。

ご存じの通り、日本では、少子高齢化が深刻な問題となっています。
中小企業経営者層の多くが続々と高齢者世代に突入していく一方、事業を引き継ぐ側である若年層の人口は減少し続けています。
それに伴い、中小企業経営者が後継者不足問題に直面するケースも増加しています。

実際、自身の健康状態に不安を抱えながら、
「そもそも親族(子息)がおらず親族内承継ができない」
「子どもはいるが、事業を継ぐ意思がないようだ」
「子どもに継ぐ意思はあるようだが、能力や経験不足を考えると任せられるか不安だ」
などの理由から、誰にもバトンタッチができず、体に鞭打って経営継続をする経営者の方も少なくはないでしょう。

親族以外ですと、従業員への事業承継という選択肢があります。
しかしながら、従業員数の少ない中小企業では特に、従業員や役員の中に社長を継げる人材がいないということが多く、社内承継を実行したとしても、その後、会社の確実な発展に繋がらないという恐れがあります。

こうした際に取られる選択肢が「M&A」です。
M&Aによって優良企業に会社を任せることで、後継者問題を根本から解決し、会社や事業の確実で安定した発展につなげることができます。

加えて、第三者とのM&Aを実行すれば、個人保証や債務などの負担を身内にかける心配もありませんし、相続等の問題で身内間でもめ事が起こるリスクも大幅に軽減できるでしょう。

M&Aによる創業者利益の獲得

「創業者利益」も、M&Aによって売手側オーナーが得る大きなメリットのうちの一つです。

創業者利益とは、会社創業者であるオーナー株主が創業時から継続して所有していた株式を第三者に売却することで得られる利益のことです。

中小企業において、創業時の株価は安いことが一般的です。
しかし、会社や事業が成長していくにつれて、会社自体の価値は上昇し、1株あたりの株価も高くなります。
こうして価値の高まった株式をM&Aにより売却する(会社を売却する)ことで、創業者は多大な利益を得ることができます。

M&Aによって、多額の現金を手にした上で、経営を第三者に引き継ぐことができれば、晴れてハッピーリタイアとなります。

企業や事業の発展

M&Aで売却を行うことにより、自社の力だけでは難しかった会社・事業の発展を実現できることがあります。

M&Aでは、売手企業に対して、買手企業の方が規模が大きいことが一般的です。
その為、M&Aで売却を行うことは、自社より強固な経済基盤を持ち、人材や設備、信頼などあらゆるリソースの整った買手企業に経営を託すということでもあります。
最適な相手企業選択により企業間・事業間でのシナジー効果が発揮されれば、その事業は、想像もつかなかったほど大きな成長を遂げられるかもしれません。

売手企業を取り巻く各方面へのメリット(従業員・取引先・金融機関)

もちろん、売手側でM&A実行による影響を受けるのは、オーナーだけではありません。
企業の内側では、実際に沢山の従業員が働いていますし、企業は自社だけで成り立っているわけではなく、各関係機関との連携によって成り立っています。

では、M&Aの実行は、各方面にどのような利益をもたらすのでしょうか。

M&Aによる従業員にとってのメリット(雇用の維持・継続)

意外かもしれませんが、M&Aは従業員にとってもメリットがあると言えます。

会社を共に作り上げてきた大切な家族ともいえる従業員。M&A後の従業員の雇用維持・継続を心配する譲渡企業経営者も多くいます。
しかし、実際には株式譲渡契約書に従業員の雇用と条件を守ることが記載されることがほとんどです。

むしろ、買手企業が従業員が仕事を続けてくれるかを心配することさえあります。

特に中小企業の場合、従業員一人ひとりの役割は大きく、従業員が仕事を続けてくれるかどうかは、買収した企業の存続・成長にも関わってくるからです。
また、後継者がいないからといって廃業の選択肢をとってしまえば、従業員の雇用自体が無くなり、新たに就職先を探さなければならなくなります。

M&Aによる取引先にとってのメリット(取引の継続)

取引先にとっても、取引中の企業が廃業して取引が終わるのと、M&Aによって会社が存続することで取引が継続されるのとでは大きな違いがあります。
「○○社との取引は、元経営者との関係で取引が成り立っていたようだ。M&A後も取引を継続してくれるか不安だ」
と不安を口にする買手の方もいますが、ほとんどの場合は杞憂に終わります。

取引先にM&Aが行われた旨の報告をすると、
「ずっと気になっていた後継者問題も無事解決したようで、基盤のしっかりした会社の傘下に入ったともあれば、安心してこれまで以上に関係を深められます!」
といった反応をされることも少なくありません。

M&Aによる金融機関にとってのメリット

さらに、金融機関にとっても同じことが言えます。

万が一、その会社に廃業を選択されてしまえば、これまでの取引が終了してしまいます。

しかし、M&Aが行われば多くの場合、取引は継続されます。
加えて、取引先企業がM&A後の新規設備投資や新事業展開に向けて金融取引に意欲的になってくれるのであれば、これまで以上の取引の拡大が見込まれます。

中小企業の事業承継M&Aのもたらすメリットは買手だけのものではなかった!

このように、中小企業のM&Aは買手だけでなく、売手とその周囲のあらゆる人々にも恩恵をもたらします。

より良い形でM&Aをおこない、効果を最大化するためにも、最良の買手企業を選定することは大変重要です。

M&Aナビでは、会社の売却を検討している方からのご相談を完全無料で承っております。経験豊富なアドバイザーが、状況に合わせた最適なアドバイスをご提供いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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