【保存版】M&Aは個人でもできる!?個人M&Aの流れとメリット・デメリットを徹底解説!

2024年03月13日

【保存版】M&Aは個人でもできる!?個人M&Aの流れとメリット・デメリットを徹底解説!

>>売却案件の一覧を見る

近年個人で会社を買う「個人M&A」が増えています。
少額で会社を買えるマッチングサイトの普及に伴い、500万円程度用意できれば個人M&Aが可能になっています。

しかし、一口に会社を買うと言っても、一連の流れや具体的に何をすれば良いのかよく分からない方も多いでしょう。

今回の記事では、個人M&Aの流れや個人で会社を買うことのメリットやデメリット、個人M&Aを成功させるためのポイントに関して解説します。

個人で行う小規模M&Aの概要

個人で行う小規模M&Aの概要

個人M&Aとは

個人M&Aは、一般的にM&Aが行われる企業ではなく、個人が買い手となる規模の小さな買収のことです。
一般的なM&Aと同じように、仲介会社などを利用してマッチングを行います。
小規模な会社であれば、数十万円〜数百万円程度で買収できるでしょう。

M&Aというと大企業が億〜兆の単位の金額で他社を買収するイメージだと思いますが、個人M&Aは動く金額は少額です。
そのため「スモールM&A」「マイクロM&A」とも呼ばれ企業でも個人でも利用できます。

個人が支払える額でも会社は買収可能

会社の価値はそれぞれです。数十万〜数千万円程度と金額設定も幅広く、個人が出せる金額であっても買収が可能です。
少ない従業員で売上高も低い会社であれば、買収にかかるコストもそれほどかかりません。

チェーン店など複数の店舗を持つ事業ではなく、一つの店舗を営む会社が少額になりやすい傾向です。

かんたん1分

個人によるM&Aが増えている背景

個人によるM&Aが増えている背景

近年、個人M&Aが増えていますが、それはなぜでしょう?
1つ目の理由は、後継者が不在の個人事業主がM&Aを利用し始めたことが挙げられます。
従来は個人事業でも経営者の子どもなどの親族が事業承継の際の主たる後継者でした。

しかし、価値観の多様化および少子化もあって、事業規模や体力で劣る個人事業の引き継ぎに対して親族が拒否をし親族承継が困難になってきたので、個人事業主もM&Aを利用して対応するようになったことが背景にあります。

2つ目の理由は、事業拡大を考える法人や独立して起業するサラリーマンが個人事業M&Aの買い手になってきたことが挙げられます。
特定の事業分野で斯業経験を積んだサラリーマンが起業する際、ゼロから起業するより同じ分野ですでに市場にある個人事業を買う方が時間やコスト、労力の節約はもちろん、起業に伴うリスクも軽減できるので2重のメリットがあります。

3つ目の理由は個人事業M&Aを最初から考えて起業する方がいることが挙げられます。
例としては情報系のWebサイトの運営者で、ネットを利用するので事業を始めやすく、売却対象としても、個人事業M&Aとの相性も良いので、マッチングサイトにおいて多く売却されていて、買い手も付きやすい業種です。

かんたん1分

個人M&Aの費用とその内訳

個人M&Aの費用とその内訳

次に、個人M&Aに関わる費用とその内訳について見ていきましょう。費用は事業買収だけでなく、その他の隠れたコストも含まれます。これらの理解は、予期せぬコストに直面するリスクを減らし、成功への道を切り開くために不可欠です。

2.1 個人M&Aに必要な基本的な費用

個人M&Aには、多くの基本的な費用が伴います。

1.企業価値の評価費用

まず、企業価値の評価費用があります。これは、買収対象企業の価値を専門家に評価してもらうための費用で、企業買収の基本的な価格を決定するために必要です。

2.法律・税務関連の費用

また、法律や税務に関連する費用も考慮する必要があります。これは、契約書作成や法的な問題の解決、税務処理などにかかる費用です。

2.2 隠れたコスト:予想外にかかる費用

しかし、基本的な費用だけではなく、予想外にかかる隠れたコストも理解しておくことが重要です。

1.経営改善のための投資費用

これには、経営改善のための投資費用が含まれます。これは新たな設備の導入や人材の採用など、企業を成長させるための投資に必要な費用です。

2.予期せぬトラブルに伴う費用

また、買収後に発生する可能性のある予期せぬトラブルに伴う費用も考慮する必要があります。これには、訴訟費用や補修費用などが含まれる可能性があります。

2.3 費用を抑えるための戦略

以上のような費用を抑えるためには、適切な戦略が必要です。

1.事前のリスク評価

事前にリスクを評価し、想定外のコストが発生する可能性を最小限に抑えることが重要です。

2.専門家の助けを借りる

また、専門家の助けを借りて、適切な価格設定や法律・税務関連の問題を解決することも、コストを抑えるための有効な戦略と言えます。
これらの知識を武器に、個人M&Aの道を歩んでみてはいかがでしょうか。成功への道は難しくはありますが、それほど遠くないかもしれません。

かんたん1分

個人がM&Aをしやすい業種

個人のM&Aがしやすい業種

個人のM&Aの場合、買収予算に限りがあるので買収額が小さくなりがちです。
基本的に買収する業種に制限はありませんが、個人M&Aの場合は、以下の業種がおすすめです。

  • 飲食店
  • エステサロン
  • 塾や予備校
  • Webサービス
  • 介護事業

個人のM&Aで多いのは、300~500万の取引で、上記のような業種がよく売買されています。
飲食店では居抜き物件での開業も多く、飲食店は事業者数も多いので、M&Aマッチングサイトの登録数も多いといえます。

かんたん1分

個人M&Aのメリット・デメリット

個人M&Aのメリット・デメリット

個人M&Aを行う場合、メリットとデメリットを把握しておかなければなりません。
メリットとデメリットの両方を把握して、実際にM&Aをするか検討しましょう。

個人M&Aのメリット

個人M&Aは経営者に転身したい方や副収入を得たい方に人気です。
個人M&Aのメリットを紹介します。

事業立ち上げにかかるコストを下げられる

事業を立ち上げる際には、事業を行う場所や設備の準備が必要です。
例えば、飲食店を開業する場合は、立地調査や賃貸借契約締結・内装工事・従業員の採用・メニュー開発・オープン告知など行わなければならないさまざまなプロセスがあります。

しかし、個人M&Aであればすべてが揃った状態で事業を引き継げるので、事業立ち上げに必要な時間、コスト、労力を抑えられます。

M&Aを実施すれば、自社で新規事業を立ち上げるよりも成長スピードをアップできる可能性が高まります。

ノウハウや従業員を引き継げる

業種によっては元々人材不足な場合もありますし、働き方改革で働き方も自由になったので、優秀な人材の確保は困難になっています。
一般的には、人材確保は起業する際の課題の一つですが、M&Aの場合は雇用も引き継げますので、悩む必要がありません。

また、M&Aでは、買収した会社のノウハウも引き継げます。
すでにその事業を運営しているので、長年のノウハウが蓄積されています。
業界のルールも把握していますし、トラブル発生時の対処法もわかっているでしょう。
ノウハウの引き継ぎで安定した事業の運営ができます。

役員報酬を得られる

買収した企業がすでに軌道に乗っている場合や、会社を買った後に成功した場合は役員報酬を得ることができます。

自身が経営者であり、会社の所有者ですので。役員報酬も自由に決められます。
例えば、毎年1,000万円の役員報酬を10年間継続して貰えば10年間で総額1億円の収入を獲得できます。

経営がうまくいっていない会社であっても、自分の経験やスキルを活かし業績アップをすれば報酬を増やせます。

不労所得になる可能性がある

利益の出る会社を購入できれば、不労所得を得られる場合があります。

不労所得とは自分自身は働かなくても収入が得られる状態で、企業のオーナーになって不労所得を得るのを目的として個人M&Aを利用する方もいます。

もちろん楽をして何もせずにお金をもらうことはできませんが、お金を稼ぐ仕組みを一度構築してしまえば、働かないまたは少しの労力でお金を稼げます。

いずれ売却できる可能性がある

少額で買収できる企業は利益も少ない場合があり、自身に経営能力が不足していれば利益が伸ばせず失敗してしまうこともあります。
しかし、買収した企業を大きくできれば、企業価値を高くできるので、いつの日か売却して売却益を得ることも可能です。

自身の経営手腕次第で、少ない初期投資で高い利益を得られる可能性があります。

かんたん1分

個人M&Aのデメリット

M&Aを活用した際のメリットは多くありますが、一方でデメリットもあります。
確認しておきましょう。

人材や顧客、取引先が離れる恐れがある

デメリットとして、人材や顧客、取引先が離れる恐れがある可能性が挙げられます。
経営者が変わると従業員は不安になりがちです。経営者が変わることに伴い、やり方が変わることで従業員が不満を抱く場合もあるでしょう。

既出のように人材を引き継げるのはM&Aのメリットなのですが、不安や反感から。引き継いだ人材が退職してしまうことも珍しくありません。
優秀な人材や、リーダーがいなくなってしまうと、予定していた事業が行えない場合もあり得ます。

人材以外にも、買収によってイメージカラーが変わり、顧客が離れる場合もあります。
また、新しい経営方法に従業員が慣れていないことで取引先の信用をなくし、取引が止まってしまうリスクもあるでしょう。

簿外債務などのリスクを引き継ぐ恐れがある

M&Aを行う場合には、買い手は簿外債務のリスクを追う可能性があります。

簿外債務とは帳簿に載らない債務で、高額になる可能性もあります。
簿外債務がある企業を買収した場合は、その債務を弁済する義務が発生し、投資金額以上の損失になってしまうケースもあります。

会計士や税理士などの外部専門家によるデューデリジェンス、最終契約書での売り手の表明補償などを通じて、簿外債務などのリスクを低減させるアクションが必要です。

簿外債務に関してもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

会社を売る前に絶対知っておきたい「簿外債務」の...

>>事業の譲渡・売却について相談する 会社を売却する際に問題となることがある簿外債務ということばを聞いたことはありますか? 簿外債務の影響で、買手と問題になり、最悪の場合、訴訟に繋がる恐れもあります。 事前に簿外債務を把…

少額な案件ほど、売上や利益が少ない傾向

M&Aの金額は、売上や利益などの業績に左右されるのが一般的です。
業績が良い企業は買収金額が高くなりますし、業績が悪い企業は買収金額は低くなります。
業績が悪い企業の収益力を上げるには、かなりの労力が必要です。

M&Aの予算が少なく少額の案件を中心にして検討している場合は、売上や利益が少ない案件が多くなることを頭に入れておきましょう。

かんたん1分

個人M&Aと自分で起業することの違い

個人M&Aと自分で起業することの違い

会社を買わないで、自分で新しい会社を興せば良いという意見もあります。
もちろん、そちらの方が向いている方がいるのも事実ですが、起業から5年後生存率が15%と言われている通り、起業して事業を成立させることは非常に大変です。

ここでは個人M&Aで起業することと、ゼロから起業することの違いを解説します。

製品やサービスがすでに流通している

起業から1年程度で会社が潰れてしまう原因として目立つのが、提供する製品やサービスの需要が想定よりも少なかったというものです。

起業しようとする人は、一般的に好奇心旺盛で情報感度も高い方が多いので、起業時においてオリジナリティを発揮した商品やサービスを始めてしまう場合があります。
その結果、商品やニーズが想定を下回り売上が上がらず会社を潰してしまうこともあるのです。

M&Aによってすでに市場に対して一定のニーズを満たしている事業を買えれば、このようなリスクを減らせます。
事業がよりニーズを増すように改良していく方法が得意な人にはM&Aという起業が向いていると言えます。

黒字企業であれば買った直後から収益が上がる

起業する場合は、自身の生活費や事業資金をある程度蓄えてから起業することが多いでしょうが、起業直後は出ていく資金ばかりが増えて、目減りする残高を見ながら胃が痛むような思いをする時期があります。

しかし、黒字企業を買えれば、購入直後から収益が発生するので心理的に楽に感じるでしょう。

かんたん1分

個人でできる小規模なM&A案件の探し方と流れ

個人でできる小規模なM&A案件の探し方と流れ

個人が会社や事業を買う方法はいろいろあります。一つずつ見ていきましょう。

M&Aマッチングサイトを利用する

M&Aマッチングサイトとは、インターネット上でM&Aの買い手と売り手をつなげるサービスです。
マッチングサイトを利用すれば、気軽にM&Aを行え、取引相手も自分で見つけられます。

売り手は自社の売上高や業種と希望する譲渡額を登録すれば、買い手を探せます。
売り手側からは手数料を取らないマッチングサイトも多いので、売り手にとっては利用しやすいでしょう。

一方、買い手は業種や売上高など、希望条件に絞って探せるので効率的です。
手数料も比較的安価なので、売買金額が少なくなりがちな個人M&Aにもマッチングサイトは向いています。

ただし、仲介会社や専門家からはサポートを受けにくいので、M&A成立後に予期せぬトラブルが発生する可能性がある点を覚えておきましょう。

もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してみてください。

【2024年版】M&A・事業承継のおすすめマッチ...

>>メールで新着情報を受け取る 最近は会社や経営者に限らず、個人によるM&Aも広まってきています。 それに比例する形で近年急激に増加しているのが事業承継・M&Aマッチングサイトです。 とはいっても、「…

かんたん1分

事業承継・引き継ぎ支援センターを利用する

「事業承継・引き継ぎ支援センター」は、国により各都道府県に配置されている公共機関です。中小企業や小規模事業者向けのM&Aを支援しているので、個人M&Aを考えている人も利用しやすいでしょう。

公認会計士や中小企業診断士などの専門家にも無料で相談できるので、個人M&Aを考えている方は一度問い合わせてみてはいかがでしょう。

東京のセンターでは、事業経験のある個人を対象に、センターでM&Aに関する相談を受け付けています。未経験での創業を考えているのであれば、連携している創業支援機関にお問い合わせください。

相談だけではなく、M&Aの取引先を見つける場所としても事業引き継ぎセンターを利用できます。公共機関なので幅広いネットワークや案件情報がまとまっており、その中からあった取引先を紹介してもらえるため、自分で探すより効率的に手続きを進められるでしょう。

M&A仲介会社に依頼する

M&A仲介会社に依頼するのも、個人M&Aでの案件の探し方の一つです。
従来は大きな案件ばかりを扱っていたM&A仲介会社ですが、近年では小さな規模の案件も扱っており、個人M&Aでも利用しやすくなりました。

M&A仲介会社であれば、今までの経験もあり、ノウハウも持っています。M&Aでは、専門知識が必要な場合も多々あり、知識がないとトラブルに発展する可能性もあります。
その点、専門家であるM&A仲介会社に依頼すれば安心です。

ただし、報酬体系は仲介会社によりさまざまなので要注意です。
仲介会社の多くが成功報酬型を採用していますが、成功の基準が仲介会社によって異なりますし、中には最低報酬額として、1500万円〜2000万円を設定している仲介会社もあります。

仲介会社についてもっと知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

M&A仲介会社の選び方や費用、注意すべき3つの...

>>事業の譲渡・売却について相談する M&Aは以前に比べるとハードルが下がり、事業承継の選択肢のひとつに採用されるようになってきました。 経済産業省も「中小M&A推進計画」を打ち出し、大企業だけでなく中小企業や…

かんたん1分

友人や知人を通して探す

M&Aマッチングサイトが現在のように普及する前は、個人が売り案件を探す方法と言えば、友人や知人のツテを辿って会社や事業を売りたい人を探すことが一般的でした。

親族で後を継いでくれる人がおらず、後継者問題で悩むオーナーを紹介してもらい買収交渉を行います。
売り手側としても、知人からの紹介なので、身分の保証してくれる人がいるので話が進みやすいのです。

しかし、希望の条件にあった売り案件を探す場合、知人のツテを辿るだけでは厳しいのも事実でしょう。

日本政策金融公庫 事業承継マッチング支援を利用する

「事業マッチング支援」は日本政策金融公庫が運営しているマッチングサイトです。
利用は無料で、後継者が不在で廃業の危機を迎えている会社などの事業とその事業を引き継ぎたい人をつなぐシステムです。

取り扱っている企業は、日本政策金融公庫と取引がある企業のみです。
事業承継を考える創業者、すなわち売り手側には、利用条件の制限は原則ありません。

案件数は限られますが、無料で売り手を探したいときに最適です。
また、日本政策金融公庫には、買収にかかる費用の融資制度もあります。
手持ちの資金が不安であれば、事業承継と合わせて融資の相談もしましょう。

銀行に相談する

近年、銀行ではM&A専門の部署を設けるなど、積極的にM&Aに取り組む銀行が増えています。

銀行に相談する最大のメリットは、融資が受けやすいことが挙げられます。
一方、デメリットとしては、仲介手数料が高くコストが増える傾向にある点です。
仲介手数料に関してはあらかじめ銀行に確認してください。

個人M&Aの流れ

流れとしては法人を対象とした一般的なM&Aと大きく異なる点はありませんが、個人事業主特有の点もありますので、注意して手続きを進めましょう。

予算および業種を決める

まず、会社を買うための予算と取り組みたい業種を決定します。
最初に決めておくことで、未来像が明確になり、案件を探す際に悩みにくくなります。
必ず条件が合う会社が見つかるわけではないので、いくつか希望を考えておきましょう。

現在、会社員の方が購入するのであれば、現在の仕事に関連した業種を選んだほうがスムーズに経営できます。

マッチングサービスの登録やM&A仲介会社との契約

個人M&Aを始める際は、マッチングサービスへの登録や仲介会社との契約から始めることが一般的です。
最初の段階では、社名・郵便番号・氏名・電話番号・メールアドレスなどの基本的な情報の入力のみです。

各マッチングサービスや仲介会社の得意分野・苦手分野、メリット・デメリットを比較し、十分に検討した上で利用するサービスを選びましょう。

かんたん1分

相手企業探し

前項のM&Aマッチングサービスや仲介会社を利用して、企業情報などを参考に条件に合う会社を探します。

当たり前の話ですが、買収後には経営を行うので、会社の財務面や非財務面を検討し、将来的に成長が望めそうな企業を選びます。

候補となる企業のSWOT分析や財務分析は必須です。
必ず行いましょう。

売買交渉

選んだ企業が予算内に収まり、希望する業種や地域の場合には企業側と売買交渉をしましょう。
売買交渉では、企業側に買収の意向を伝えます。
マッチングサイトで相手企業を選んだ場合は相手企業にメッセージを送信。
M&A仲介会社を利用している場合は、M&A仲介会社に間に入ってもらい連絡を取ります。

売買交渉はこれから始まる交渉の入り口ですが、まずは相手方の人間性や条件を確認することが目的です。

相手企業のホームページやマッチングサイトに公開されている情報をもとにして企業側に質問をします。
できることなら、店舗や工場などを見学させてもらい、実態を把握しましょう。

双方が価格や時期、買収手法などで合意できた場合には契約となります。

基本合意契約の締結

売買交渉が終わったら、秘密保持契約の締結をし、会社の詳細情報が記された資料を確認します。
基本的な条件に折り合いがつけば、基本合意契約を結びます。
基本合意契約書には、M&Aの方法や売買金額、今後の予定などを記載します。

なお、M&A仲介会社に依頼している場合は、基本合意契約締結の段階で成功報酬の一部が発生する場合があるので留意しておきましょう。

デューデリジェンスの実施

基本合意をしたら、買い手と売り手が売り手企業の実態を把握するために「デューデリジェンス」を行います。
デューデリジェンスとはM&Aの専門家によってさまざまな調査を行うことです。
会社が抱えているリスクを抽出するのが目的です。

調査内容は以下の通りです。

  • 財務状況:資産や負債など
  • 法務状況:約款や契約関係など
  • 事業状況:生産や販売活動など
  • 労務状況:会社組織や従業員など

「デューデリジェンス」は専門家による調査なので、M&A仲介会社などの外部の専門家に依頼しましょう。

最終契約書締結

会社を買うと決めた場合は、売買価格、従業員の処遇などを盛り込んだ最終契約書を締結します。

一般的にはデューデリジェンスを行った買い手から最初のドラフトを提示して、売り手が加筆・修正を行う流れで進みます。

最終契約書はM&Aの最終段階で締結する契約書の総称で、スキームにより名称が変わってきます。
例えば、株式譲渡の場合は、株式譲渡契約書、事業譲渡であれば事業譲渡契約書、合併であれば合併契約書です。

クロージング

最終契約書の中でクロージング日を決め、クロージング日に買い手は買収代金を支払い、売り手は対象事業の引き渡しを行います。

クロージング後に買い手は売り手から対象事業を法的に承継し、それ以降の経営は買い手が引き継ぎます。

かんたん1分

個人M&Aを成功させる3つのポイント

個人M&Aを成功させる3つのポイント

個人M&Aを利用する前に、まずは会社を買う準備が必要です。
M&Aの知識が不足している場合は学ぶ機会を設けるなど、経営者となり会社を動かす自覚が求められます。

従業員と信頼関係を築くことに注力する

M&Aを行うと、通常は従業員の雇用も発生します。
突然の経営者の変更に、従業員に不安が発生している可能性も考慮しましょう。

従業員との関係がスムーズでないと、売上の維持にも関わってきます。
万一、離職や反発が続くと、思っていたような経営ができません。

経営者になったことを自覚して、人を動かす方法を学びましょう。
従業員の待遇などを見直し、それぞれの資質に合った業務をしてもらうことが大切です。

買収後には、すぐに面談の機会を設けるなど、より良い関係を結ぶ方法を考え、実行に移しましょう。

デューデリジェンスを徹底する

M&Aを成功させるためには入念な調査が必要です。
簿外債務や脱税、贈収賄などを発覚するためにはデューデリジェンスが不可欠です。

財務の専門家でなければ、これらの行為の有無を確認できません。
サラリーマンが決算書を読んだくらいではわからないのです。

あとから予想外のリスクが発覚しないように入念に調査を行いましょう。

デューデリジェンスは多少費用がかかるものの、安心して買収を行うためには必要不可欠なものです。

デューデリジェンスについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

M&Aのデューデリジェンス(DD)とは?デュー...

>>売却案件の一覧を見る M&Aを実施する買手にとっては、買収の対象となる企業がどのような状態にあるかを把握するのは非常に重要です。 たとえば、経営は健全で将来性があるか、訴訟やトラブルに巻き込まれていないか、…

M&Aの専門家に相談する

個人でM&Aを行う場合は、マッチングサイトを利用するケースが多いです。
マッチングサイトは手軽にM&Aを行え便利ですが、専門家からサポートを受けづらく、後々トラブルにつながる可能性も否定できません。

近年は個人によるM&Aでも利用可能なM&A仲介会社やM&Aアドバイザリーも存在します。

もちろん多少費用はかかりますが、最適な売り手を探し、最終契約からM&A完了後のフォローまでしてくれる初心者には頼りになる味方です。

M&Aに際して万全を期すなら専門家に相談することも考慮しましょう。

かんたん1分

個人M&Aの事例と学べるポイント

個人M&Aの事例と学べるポイント

個人M&Aについて語るうえで、具体的な事例を通じて学べるポイントを理解することは非常に重要です。成功事例と失敗事例の両方から、個人M&Aの成功要因を学びましょう。

成功した個人M&Aの事例紹介

一つ目の事例は、小規模な地域の小売業者を買収した個人M&Aです。この個人投資家は、事業継続の困難に直面していた地域の小売店を手に入れました。その後、店舗の改装と商品ラインナップの見直しを行い、利益を大幅に上げることができました。

事業内容の適切な理解

この成功は、投資家が店舗の事業内容と地域のニーズを深く理解していたことから生まれました。地域の消費者ニーズを満たす商品を提供し、利益を最大化することができたのです。

改善策の効果的な実行

また、店舗の改装と商品ラインナップの見直しといった改善策をタイムリーに実行したことも成功の鍵となりました。

失敗した個人M&Aの事例とその教訓

一方、あるIT業界のスタートアップを個人で買収した例では、想定外の技術的な問題と人材の流出が起こり、結果的に事業は失敗に終わりました。

テクノロジーの理解不足

この失敗の一因は、投資家が買収したテクノロジーについての理解が不足していたことです。その結果、想定外の技術的問題に直面し、適切に対応することができませんでした。

人材管理のミス

さらに、買収後の人材管理に失敗し、キーメンバーの多くが会社を去ったことも大きな失敗要因となりました。

事例から学ぶ個人M&Aの成功要因

以上の事例から学べる成功要因は次のとおりです。

.業務内容の深い理解

個人M&Aの成功は、買収する企業の業務内容を深く理解することから始まります。買収先の業務内容や市場を理解することで、具体的な改善策を策定し、実行することが可能となります。

人材管理の重視

さらに、人材管理に重きを置くことも重要です。特に、買収後の経営陣や従業員との関係性の構築は、企業の成長と持続的な成功に欠かせない要素と言えます。

かんたん1分

【個人M&A】まとめ

【個人M&A】まとめ

今回の記事では、個人M&Aの流れや個人で会社を買うことのメリットやデメリット、個人M&Aを成功させるためのポイントに関して解説しました。

個人M&Aは社会的背景やM&Aマッチングサイトの普及により今後も増加していくでしょう。
また個人M&Aは優れた起業方法と言えます。

しかし、個人M&Aを成功させるには、良い売り案件を探す努力が必要ですが、それと同時に良い案件と出会える運も必要です。
まずは気になる分野の事業があるか、サイトを確認してみましょう。

またM&Aナビは、売り手・買い手ともにM&Aにかかる手数料などを完全無料でご利用いただけます。買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いのも特徴です。ぜひご活用ください。

かんたん1分

関連記事

経営者の心得
2024年03月13日

「フランチャイズ」で経営者になるメリットは?起業や個人のM&Aとの違いも解説します

>>売却案件の一覧を見る 今、私たちの働き方は大きな転換点を迎えています。 長時間労働の是正、ワークライフバランスの実現など、社会全体を巻き込んだ変革が起き始め

  • 会社
  • 買手
  • M&Aの市場・業界動向
    2022年07月11日

    【2020年度版】M&Aマッチングサービスを徹底比較!会社・事業を売却するならここがおすすめ

    従来、年間売上1億円未満の企業が「会社・事業を譲渡する」場合、仲介会社は手数料の都合で取り扱ってくれず、経営者は事業を成長させるか、事業をたたむか、資金を調達す

  • M&Aマッチングサービス
  • M&A・事業承継の基礎知識
    2024年04月12日

    【保存版】M&Aを大成功させるには?成功の定義や成功要因など基礎知識を徹底解説

    >>事業の譲渡・売却について相談する 一昔前と比べると、M&Aという言葉について耳にする機会も増えてきました。 以前は、大手企業やファンドなどによる敵

  • M&Aのメリット
  • M&Aの基礎知識
  • M&Aの手法
  • 事前準備
  • M&A・事業承継の基礎知識
    2024年04月02日

    資本提携とは?業務提携との違い・M&Aとの違いも踏まえ徹底解説【保存版】

    >>メールで新着情報を受け取る 資本提携や業務提携、どちらも経営者の方であれば、一度は耳にしたことがあるでしょう。 中には、取引先や大企業などから話を持ちかけら

  • M&A戦略
  • 売却の準備
  • 経営基礎知識
  • 経営戦略
  • 新着買収案件の情報を受けとる

    M&Aナビによる厳選された買収案件をいち早くお届けいたします。