自社商品の販路を開拓するには?取引先を増やす10種類の手法を徹底解説!

2022年05月19日

経営者の方であれば、自社商品を売るために、新たな販路を常に探しているでしょう。どれだけ素晴らしい商品を開発しても、販売先が見つからなければ意味はありません。

時代を追うごとに販路開拓の手法は増えていき、今ではWebサイトやSNSで商品を売ることも当たり前になっています。

そこで本記事では販路開拓の10手法を紹介し、それぞれのメリット・デメリットや活用方法についてご紹介します。

基本的な販路開拓の手法から時代に合った方法まで紹介するので、ぜひ参考にしてください。

売るための基本となる「チャネル」とは?

商品・サービスを販売する上で欠かせないマーケティングの考え方に、「チャネル」があります。

チャネルとは商品をユーザーに届けるための「経路」「ルート」のことを指します。

自社ユーザーを結ぶチャネルを理解してしっかりと設計すれば、顧客のニーズに合った最適な商品を、最適な流通経路で届けることが可能となります。

マーケティングにおけるチャネルとは、おもに以下の3つを指します。

マーケティングにおけるチャネル

(1)流通チャネル

生産者から消費者に渡るまでの流通経路のこと。

つまり、トラックによる配送や、飛行機による空中輸送などのことを指します。

さらに、その配送手段を自社で用意するのか外部サービスに頼るのかによっても、費用や安全性などは変わってきます。

日本で空中輸送をしようと思うと航空会社に載せてもらうことが当たり前ですが、EC世界最大手のAmazonは自社で飛行機を保有して世界中に商品を運んでいます。

(2)販売チャネル

消費者が商品を購入する場や、販売方法のこと。

商店街に構える店舗や同業者が一堂に会する展示会、あるいはECサイトやTVショッピングなど、さまざまな場所で消費者と接点を持つことが可能です。

近年では単一のチャネルだけではなく、いろいろな場所での販売を試しながら最適な手法を見つけようとしている会社が増えています。

(3)コミュニケーションチャネル

商品の情報を消費者に伝えるための情報伝達経路のこと。

販売チャネルにも似ていますが、自社の商品をまずはじめに知ってもらうためのチラシや自社サイト、広告などを指します。最近ですと、インスタグラムなどのSNSを活用して伝播させる手法も注目されています。

販売チャネルの選択肢は多いほどよい

今回、この記事で紹介するのは「販売チャネル」です。

マーケティングにおける3つのチャネルはどれも重要ですが、販売チャネルを一つでも多く知っておけば、営業戦略の幅が広がりアイデアも出やすくなります。

特に長く会社を経営すればするほど、新たな手法を探したり取り入れたりする機会は減りがちです。

今の時代に合った販売チャネルを取り入れて、さらに大きな売上を獲得できるようにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

取引先・販路開拓の手法10選

さて、それでは販路開拓するための手法をご紹介します。

  1. ダイレクトメール(DM)
  2. 展示会
  3. コールセンター
  4. ECモール
  5. 自社ECサイト
  6. SNS
  7. ブログ
  8. 動画
  9. 既存顧客からの紹介
  10. 販売代理・委託

各チャネルに優劣があるわけではないので、それぞれの長所や特徴を生かしつつ、適切に組み合わせることが大切です。

オフラインの販売チャネル

ダイレクトメール(DM)

法人や個人に商品カタログやキャンペーンを送ることが「ダイレクトメール(DM)」です。DMといってもはがきの他に、電子メールやFAXなどの方法もあります。たとえば「はがき」だと、大量に外注すれば1通70円程度で印刷から発送までしてくれます。

DMのメリットやデメリットは以下の通りです。

DMのメリット
  • 顧客にダイレクトに訴求できるため、新規顧客への認知度があがりやすい
  • 販路を開拓したい地域にピンポイントで訴求できる
  • 発送数や顧客の反応などをデータに取って活用すれば、より価値ある提案ができるようになる
DMのデメリット
  • 毎日数多くの会社から届くため、そもそも読まれないことが多い
  • 情報量が限られる(はがきだと1ページ10.0cm×14.8cmしかない)

実店舗の近隣商圏や高齢者層に訴求しやすいDMは、ネット全盛の現代においてもまだまだ有効な販路開拓の手法です。

展示会

展示会とは、自社の新しい商品を出展し、業界関係者や一般消費者に宣伝する方法です。幕張メッセやインテックス大阪などの大規模会場で開催されることが多く、同業種の業界関係者が一斉に集います。

展示会のメリットやデメリットは、以下の通りです。

展示会のメリット
  • 一般的に業界が特定されるため、狙うターゲットに近い顧客が集まりやすい
  • 来場者数が数万人規模にもなり、多くの人の目に留まるチャンスになる
展示会のデメリット
  • 準備や出展料、スタッフの人件費などのコストがかかる
  • 見学目的の来場者も多く、積極的に営業しないと商談につながらない

展示会の来場者には自社がターゲットとする顧客が多いので、魅力的な商品訴求や、積極的なコミュニケーションが商談成功の鍵となります。

コールセンター

電話をかける設備や人員を持っているコールセンター専業会社に依頼することで、自社の顧客になりそうなターゲットに対して営業電話をかけてもらうことができます。

コールセンターを活用するメリットやデメリットは、以下の通りです。

コールセンターのメリット
  • 確実に決まった件数の顧客に対してアプローチができる
  • 電話をかけるプロが業務に従事してくれるため、品質が高く安定しやすい
コールセンターのデメリット
  • かけ始めるための準備(電話回線、机、トークスクリプトなど)に時間と費用がかかる
  • せっかく顧客と直接話せるにも関わらず、自社のノウハウが蓄積されづらい

コールセンターの費用は、決まった件数にかける従量制、決まった時間かける時間制、アポイント取得や登録などの成果に対する報酬など、さまざまな形式があります。
また、電話営業先が明確かつ大量に決まっている事業で、かつ商品がシンプルで説明しやすい場合は、活用する価値が高い手法です。

オンラインの販売チャネル

次に、オンラインの販売チャネルをご紹介します。最近では、テクノロジーやデジタルの進化によって日々新しい手法が生まれています。

ECモールへの出店

オンラインの販売チャネルでよく用いられる戦略はECモールへの出店です。日本でのECモールいえば「Amazon」と「楽天市場」の2つが有名です。

ECモールへ出店するメリットやデメリットは以下の通りです。

ECモールのメリット
  • モール自体の集客力が強いので、ブランド力がなくても商品を売ることが可能
  • 自社ECサイトと違い、SEOやコンテンツマーケティングが不要
ECサイトのデメリット
  • モール内で競合する商品が多く、広告費など追加費用が発生しがち
  • 「口コミ」にかなり左右されるので、評価が低いと買ってもらえない
  • 売れなくても毎月料金を支払う必要がある

ただし商品によっては、ECモールでは売りづらいものもあります。たとえば賞味期限の短い食品や、大型家電や高級品のようにネットだけだと商品の全容や価値を判断しづらいものは適していません。
自社商品をよく理解した上で、ECモールで売れやすい商品を選択することが必要です。

自社ECサイト

オンラインで販売するという点では楽天やAmazonに近いですが、自社のwebサイト上で商品を販売するという手法もあります。

自社のECサイトで販売するメリットやデメリットは以下の通りです。

自社ECサイトのメリット
  • モール(Amazonや楽天など)の出店料や手数料が不要である
  • 商品を訴求するために最適なサイト構成やデザインを実現できる
自社ECサイトのデメリット
  • 自社サイトまで集客するための費用や労力がかかる
  • 在庫管理から発送手続きまで、すべて自社で準備する必要がある
  • システム障害が発生したときに対応が必要となる

最近では、BASEやShopifyなどといった自社ECサイトを手軽に構築できるサービスも増えてきており、一昔前のように100%自前でシステム開発する必要はなくなりました。その結果、どんな会社でも手軽に自社ECサイトを持つことができるようになったのですが、そのサイトを訪れてくれるユーザーを集める労力は必ずかかります。

自社ECサイトを構築する際は、必ずマーケティング戦略とセットで検討を進めることをおすすめします。

SNS

最近の新しい販路開拓の手法として、SNSを活用した販売促進が挙げられます。

SNSは個人だけで使うものではなく、ビジネスで販路開拓の手法として使われることが増えてきています。

SNSのメリット
  • 利用すること自体に費用がかからない。
  • いつでも好きな時に好きなだけプロモーションができる。
  • 特に若い層に対してリーチが可能である。
SNSのデメリット
  • 一瞬で目に止まるような画像やテキストを用意する必要がある
  • SNSごとのアルゴリズムを理解した上で戦略的な投稿をしなければならない

従来の広告と違って、費用をかけずとも大きな効果を出せる可能性は秘めていますが、成功パターンを作り上げるまでの労力やセンスが問われるため、活用する際はある程度長期的に取り組むことを前提にした方がよいでしょう。

販路開拓に役立つSNS
    • Twitter

国内の月間利用者数が4,500万人を超えるSNS(2022年4月時点)。リツイートやいいねによる拡散性の高いことが特徴で、顧客のファンづくりに適している。今やSNSマーケティングにおいて欠かせない存在。ただし匿名のユーザーが多く、拡散性が高いため最も炎上しやすいSNSでもある。

    • Instagram

国内月間アクティブアカウント数3,300万(2022年4月時点)。画像と動画投稿に特化したSNS。視覚にダイレクトに訴求できるのが特徴で、アパレルや不動産、飲食など、直感に訴えかけられる業界に適している。SNSの中でもハッシュタグ検索が盛んで、特定のキーワードで検索する「購買意欲の高い顧客」を掴むことも可能。

    • LINE

国内ユーザー数9,000万人超え(2022年4月時点)の国内最大のメッセージングサービス。LINE公式アカウントに登録する顧客は購買意欲が高く、ユーザーに合った広告やキャンペーンを打つことでリピート購入を見込める。ただし認知度の低い会社が登録してもらう難易度は高く、店舗にQRコードを置いたり、定期的に割引券を配布したりするなどの工夫が必要。

SNSマーケティングには「フォロワーとの相互コミュニケーション」が求められます。いいねやコミュニケーションが多いアカウントほど、投稿に表示されやすいアルゴリズムであるため、SNS担当者のセンスと情熱に比例して効果があがると言えるでしょう。

ブログ

自社の商品・サービスについてブログで紹介し、お問い合わせや購入につなげる手法。
コンテンツマーケティングとも呼ばれ、コンテンツを通じて自社のファンをつくることで、中長期的な収益拡大につながります。

ブログのメリット
  • 集客が成功すれば、他の媒体に依存しない強力な販売チャネルとなる
  • SNSと相性がよく、ブログの流入にSNSを利用することで拡散性が高くなる
  • 広告と違い、書いた記事がどんどん溜まり資産化するため、中長期的に持続的な効果が見込める
ブログのデメリット
  • 短期的に結果が出ることは少なく、集客が成功するまで1年以上かかることもある
  • Google検索アルゴリズムのアップデートにより、突然検索順位が下がることがある
  • 継続的に新しいコンテンツを生み出すことに多大な労力がかかる

ブログでは、顧客が求めるライフスタイルを自社の商品やサービスを使って提案することで、長期的に根強いファンを獲得することが可能になります。その一方で、継続して発信することが不可欠であるため、即効性よりも中長期的な成果を見込んで腰を据えた取り組みが必要となります。

動画

文字では伝えにくいことや、視角に訴求しやすい商品・サービスに適しているのが「動画」です。YouTubeの他にも、インスタグラムやTwitter、最近だとtiktokなどのSNSでも動画を投稿できます。

動画マーケティングのメリットやデメリットは以下の通りです。

動画のメリット
  • 不動産や飲食、旅行など、視角に訴求しやすい業界と親和性が高い
  • 商品内容や使用感を視角で確認できるので、顧客との齟齬(そご)が起きにくく、満足度の高いサービス提供につながる
動画のデメリット
  • ほとんどの会社では動画撮影の経験がなく、専門の人材確保やコンサルティングが必要になる
  • 撮影から投稿までかなりの時間を要し、さらに編集まで外部に依頼すればコストがかかる

動画マーケティングは、コストや時間を多く要する手法です。しかし、2021年の動画広告市場は前年比142%の4,195億円に達しており、動画マーケティングは今後も急速に伸びていく手法であることは間違いありません。今後5Gが普及すれば、さらに動画マーケティングの需要は伸びていくと予測されます。

その他の販売チャネル

さて、ここまではオフライン・オンラインの販売チャネルに分けてさまざまな手法をご紹介しました。最後は、自社が既に持っている「既存顧客からの紹介」と、外部の専門家を活用する「販売代理・委託」をご紹介いたします。

既存顧客からの紹介

売上や事業を拡大する上で、新規顧客の開拓は不可欠です。しかしながら、最も身近な既存顧客のことを意外と忘れがちになっている経営者の方は少なくありません。

既存顧客を言い換えると、既に自社のファンになってくれている一番強力な味方です。

その既存顧客に新たな顧客候補を連れてきてもらうことができれば、受注率・継続率ともに高い数字を見込むことができるでしょう。

いわゆる紹介プログラムを展開して、既存顧客にもメリットを提供すれば、比較的早期におこなうことが可能です。

販売代理・委託

自社の営業ノウハウが不足する場合は、販売を他者に代理してもらったり、委託したりする方法があります。

販売委託では、自社商品の所有権を保有したまま、宣伝や販売などを他者に委託できます。そのため、営業ノウハウが不足する売主でも、効率よく自社商品を販売できるわけです。委託を受けた側(代理店など)の儲けは、売主から受け取る販売手数料です。

販売委託をしている業界の例として「旅行業界」があります。

旅行会社は宿泊や交通手段などをパッケージして、商品をつくります。その後自社で販売するのではなく、旅行代理店が旅行会社に代わって商品を販売し、売り上げに応じて支払われる販売手数料で儲けています。

販売委託のメリット・デメリットは以下の通りです。

販売代理・委託のメリット
  • 自社で在庫を抱える必要がなくなる
  • 営業ノウハウがない会社でも販路を開拓できる
  • 自社商品を認知してもらえる機会が増える
販売代理・委託のデメリット
  • 販売手数料がかかる
  • そもそも商品力がない物は委託しても売れない

販売委託は自社商品の認知度をあげるメリットがある一方で、売上が委託先の能力にかなり左右される面があります。そのため販売委託は、認知度をあげるための「広告」として使うのもよいでしょう。

まとめ:ITを活用した取引先・販路開拓を検討しましょう

ここまで紹介したとおり、販路開拓にはDMや既存顧客への営業といったものから、ECサイトへの出品、SNSマーケティングなど、多様な選択肢があります。

その多くが、程度の差はあれどITを活用したものになりつつあります。今後、企業としてテクノロジーを活用できている会社は間違いなく価値が上がります。

今すぐ売却を考えていなくても、販路開拓の際には積極的にITを活用(DX)してみましょう。

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