【保存版】M&Aを大成功させるには?会社売却・事業承継における必須な基礎知識を徹底解説

2020年12月18日

一昔前と比べると、M&Aという言葉について耳にする機会も増えてきました。以前は、大手企業やファンドなどによる敵対的買収のイメージが先行し、あまり良い印象を持っていない方も少なくありませんでした。

しかし、近年は友好的で円満なイメージを持つ方も増え、中小企業にもどんどんM&Aが浸透しています。2020年12月5日に放送された「マツコ会議」では、個人で会社を買収した社長から話を聞く特集が組まれたりと、テレビを通じてもM&Aが身近になっている波を感じます。

M&Aが経営戦略の選択肢、さらには個人の新しいキャリアパスとしてこれからますます注目されていくことは必須です。現在会社を経営されているオーナー様も、会社を売却することを経営戦略の手段の一つとして考え、様々な選択肢の中から悔いのない判断であったといえるような経営をすることが望ましいでしょう。

本記事では、会社・事業を売却する(検討段階も含む)オーナー様に向けて、M&Aにおける必要な基礎知識をすべて解説します。関連する記事を含め、記載された記事をすべて見ていただくことにより、これからどのような考え方でM&Aに臨めばいいのかを理解することができます。記事のタイトル通り、大成功のM&Aをぜひ実現させてください。

M&Aの成功について

M&A、とくに売手として会社を売却する経験は人生に一度あるかないかです。経営サプリでもM&Aマッチングサービスを提供していますが、利用者のほぼ全員がはじめて会社売却する方々です。自分が手塩にかけて育てた会社を売却するわけですから、当然後悔しないM&Aにすべきです。
それでは、「後悔しないM&A=M&Aの成功」とはどういったことを指すのでしょうか。

会社・事業を売却する際は必ず、「売却する目的」を明確にします。なぜ売るのか?という目的を達成することがM&A成功の定義となります。

成功の定義を「経済軸」と「事業軸」という観点に分けてご説明します。

経済軸での成功

経済軸は、「自分が希望する価格より高く売れること」が成功の定義になります。
売却を検討し始めた経営者の方はみなさん、なんとなくこの金額を受け取りたいというイメージは持つものですが、その肌感覚だけでは買手は納得しないでしょう。
そこで、まずは自社の価値を客観的に把握する必要があります。

また、希望する価格で売却するためには、M&Aに係る全体の費用を抑えることで、自身が希望する手取りを確保するという考え方もあります。

M&A全体にかかってくる費用として、M&Aアドバイザーに支払う報酬はもちろんですが、M&Aに関連する税金費用も含まれます。とくに売却した際にかかる税金は意外と見落としがちです。株式の売却金額への課税を抑えつつ、その代わりに退職金などで支払いをすることで税金費用を抑えて希望する手取りを確保する方法もあります。

詳細な売却ストーリーを自身で考え抜くのは難易度が高いので、専門家に依頼し、税金を抑える方法を検討してもらうことも大切です。

会社を売却する際の費用についてはこちらで詳しく解説しています。

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事業軸での成功

事業軸での成功とは、買収先とのシナジーが見込めることを指しています。つまり、売却後さらに成長し、買収先の売上拡大に貢献できるかどうかということです。

そのためには、両社の強み・弱みを把握し、良い面は伸ばし、悪い面は補うことができるといった相性を検討する必要があります。

このような買収後の成長可能性やシナジー効果、企業価値やリスクの確認をすることをM&Aではデューデリジェンスと言います。デューデリジェンスに関する記事はこちらにまとめています。

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また、事業軸では次期経営者に適正な人が就くか?ということも大切です。

M&Aを行うことで、基本は買収先の新たな経営陣が引き継ぐことになります。その中で、全く異なる経営方針がとられると、今まで一緒に働いてくれた従業員は不安になります。その結果、退職というケースも珍しくありません。現職の従業員へのケアはとても大切です。なので、買収先が「従業員が安心して働くことができる環境」を構築してくれる経営陣か?という部分も重要です。

引き継いだ後、現職の従業員、買収先の経営陣に混乱が生じないことが成功とも言えます。

売却後の役員・従業員の待遇や、従業員に伝えるタイミングなどは、別途詳しく説明した記事があるので、ぜひご覧ください。

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M&Aにおける失敗について

M&Aにおける失敗は、なぜ売るのか?という目的を定めず、流れにまかせて売却してしまうことです。M&Aというものを十分に理解しないまま進めてしまい、後悔したオーナー様を何人も見てきました。

売却を急ぎたいために、想定よりも低い金額で売却してしまったり、引継ぎがうまくいかず従業員が全員退職してしまったり、といったことが実際におこりえるのです。

なぜ売るのか?という目的をきちんと定め、経済軸・事業軸の成功定義についてきちんと理解することがとても重要になります。

M&Aを成功に導くための条件

M&Aの成功について、理解することができたと思います。
ここからは、どんな条件を満たすことで、大成功のM&Aを実現できるのか?について解説していきたいと思います。

(1)最低限のM&Aの知識を身につける

「M&Aというものを十分に理解しないまま進めてしまう」ことは本当に危険です。最低限「どのような手順で行われるのか」「M&Aの種類」「そもそも、M&Aのメリット・デメリット」「どのような交渉が行われるのか?」は理解しておくべきでしょう。

それぞれ、分かりやすくまとめた記事を作成しているのでぜひご覧ください。

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(2)自社の価値・評価を正しく理解する

起業して育てた会社は、想い入れも強くなるため、会社の価値を高く見積る傾向があります。手塩にかけて育てた会社を高く売却したいと思うのは当然です。

買手はその気持ちを理解して言い値で買収してくれるか?というはそんなことは滅多にありません。買手は、安く買収したいと考えています。

M&Aには、明確な値付けのルールはありません。売手・買手双方が同意した価格が、売手企業の評価額になるため、双方のギャップがでることは当然です。

明確な値付けルールはありませんが、企業の価値を算出する方法がいくつかあります。具体的には3つのアプローチがあります。

  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ
  • コストアプローチ

主に上記の手法を用いて、自社の価値を正しく評価し、売却価格の目安にします。あまりにも目安と乖離していると、売却することは難しいと考えてください。

会社の価値を算出する詳しい記事については別記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。

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(3)必要な準備を整える

モノやサービスを売るのとは異なり、会社を売却するための事前準備、「案件化」を必要とします。自社のことが魅力的に伝わる企業概要書や、直近3年分の決算書などの内容を書類に落とし込む必要があります。

案件化については詳しくまとめた記事があるので、こちらをご覧ください。

M&Aで会社・事業売却の成功のカギを握る、「...

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会社を売却するためにはその他にも売却戦略の策定・買手候補の選定などの準備をする必要があり、準備するだけでも相当の時間を要します。

会社を売却するということを早い段階から経営戦略の選択肢として考えておくべき理由として、M&Aはいざ売りたいと思ったときでは遅いからです。想定している以上に時間がかかることと、自身で時間コントロールすることもできないので、早い段階から動くことが重要になります。

(4)アドバイザーとの協力体制を整える

ここまでM&Aの基本的な知識と、成功に導くための条件について説明してきましたが、成功に導くための最後の条件は、相談できるM&Aアドバイザーと進めることです。

冒頭でもお伝えしまたが、売手として会社を売却する経験は人生に一度あるかないかです。成約間近になると「意向表明書」「基本合意契約」「最終譲渡契約」などの契約回り含め、専門的な知識を求められるのでご自身で行うには無理があります。

「意向表明書」「基本合意契約」「最終譲渡契約」がどういったものなのかはこちらに詳しく解説しているので、ご覧ください。

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M&Aは生き物です。基本的な流れは同じですが、100回M&Aが行われれば、100通りの違ったストーリーになります。M&Aアドバイザーの協力なしにM&Aを進めることは、船の動かし方だけ覚えて、太平洋を横断するようなものです。M&A実績が豊富にあるM&Aアドバイザーと協力体制を整え進めることが、成功に導く最後の条件になります。

まとめ

M&Aの成功とはなにか、そしてM&Aを成功させる条件を軸に、会社・事業を売却する際に必要な知識を解説してきましたが、いかがでしょうか。

とくに最後のM&Aアドバイザーと協力体制を整える点については、一般的なフィナンシャルアドバイザリーやM&A仲介会社、近年身近になってきたM&Aマッチングプラットフォームといった選択肢もあります。

経営サプリでも、中小企業のM&Aに特化した「M&Aナビ」というマッチングプラットフォームを運営しており、のべ300件以上のM&A実績を誇るプロのM&Aアドバイザーが在籍しています。会社を売却する意思を固めてない状態から相談いただけるとので、もし検討されていたら、気軽にご連絡ください。

読んでいただくのに時間はかかると思いますが、その時間をいただく以上の価値はご提供できると自負しています。一度で理解することは難しいと思うので、何度もご覧いただき、M&Aを成功させていただきたいと願っています。

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