M&Aの8つの手法を徹底解説!これさえよめばM&Aのパターンまるわかり!

2022年06月10日

近年M&Aは急速に一般化しています。
後継者不足による事業承継の必要性が叫ばれたり、大企業によるベンチャー企業の買収ニュースが流れたり、ビジネスパーソンにとってM&Aが身近なものになりつつあります。
しかし、M&Aとは具体的に何を指しているのでしょうか?

M&A=会社を売ったり買ったりすること
とイメージしている方は多いと思いますが、実は用途や目的によっていくつかパターンがあります。

そこで、今回の記事では、M&Aの種類についてわかりやすく解説します。

M&Aとは?

M&Aとは、Mergers and Acquisitionsの頭文字の略語で、企業による合併と買収のことを意味します。
企業は、他社が持つヒト、モノ、カネなどの経営資源を取得することで、事業成長のスピードを上げたり新規事業を立ち上げたりすることを目的としてM&Aをおこないます。

コロナ禍において多くの企業が経営戦略の見直しを迫られていますが、自社でイチから事業を立ち上げるよりも「すでに確立している事業や会社を買収する」方がリスクが少ないと考える企業は多く、今後も積極的なM&Aが増えることでしょう。
また、M&Aというコトバが少し前までは「乗っ取り」のイメージがありましたが、後継者不足による事業承継もM&Aの一部になるなど印象も変化しています。

この記事をご覧の方の多くは、自社の売却もしくは他社の買収を少なからず検討したことがあるかと思いますが、それらを実現するための手法はいくつか存在します。
具体的には大きく分けて以下の手法が挙げられるでしょう。

  • 買収
  • 合併
  • 分割

会社の状態や買収の目的などによって最適な手法を使うことになります。
以下、それぞれの特徴をご紹介します。

M&Aの買収の種類と手法

M&Aの中でも最もポピュラーな手法が、「買収」という手法です。
さらに、買手が売手会社の株式を取得する「株式譲渡」「株式新規引受」「株式交換・移転」と、売手の事業の一部を取得する「事業譲渡」があります。
M&Aはさまざまな手法がありますが、中小企業のM&Aにおいては9割以上が株式譲渡と事業譲渡によって行われます。

また、株式の取得割合についてもいくつかの選択肢があります。
原則として50%以上の株式を取得することを「子会社化する」と呼びますが、中小企業M&Aにおいてはほとんどのケースで100%買収する形になります。

M&Aの手法1.株式譲渡

「株式譲渡」とは、 買手が売手会社の株主から株式を買い取ることでオーナー権を取得する手法です。
あくまでも会社の株式が移転するだけですので、社名や事業・従業員の雇用などには特段影響を及ぼさず、事業はそのまま継続して行われます。
つまり、会社としての地位や権利はそのまま変わらないため、取引先との契約や従業員との雇用契約、許認可などはすべて引き継ぐことが可能です。
また、売手は株式を譲渡する対価として、通常は現金を受け取ることができることも特徴です。

株式譲渡について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

株式譲渡とは?中小企業のM&A・事業継承にお...

株式譲渡とは、いくつかある会社の売り方のひとつで、M&Aにおいて最もポピュラーな手法です。 会社の売却を考えている経営者の方であれば、M&Aのことを詳しく知らなくてもなんとなく「自分が持っている自社の株式…

M&Aの手法2.新規引受

株式の新規引受とは、 買手が売手会社が新しく発行した株式を引き受ける手法です。
いわゆる増資と呼ばれるもので、「株主割当増資」「公募増資」「第三者割当増資」があります。
その中でも、M&Aとして使われる形式は第三者割当増資がほとんどです。
また、ベンチャー企業が新たに資金調達する際に用いられる手法も第三者割当増資です。
株式譲渡との違いは、売手会社が発行する株式の数が増えるという点です。
つまり、既存株主の持ち分比率が低くなることになります。
また、会社が発行する新株に出資してもらうことになるため、その対価は会社に入ることになります。

第三者割当増資(エクイティファイナンス)について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

【完全版】新株発行による資金調達「エクイティフ...

まだまだ名の知られていないスタートアップが、数億円の調達に成功したというニュースを目にしたことがあるかもしれません。 しかし、銀行から融資を受ける調達とは違うことはわかっているものの、具体的にどういった手法で調達している…

M&Aの手法3.株式交換・株式移転

「株式交換」とは、 買手が売手会社の既存株主から株式を買い取り、対価として自社の株式を渡す手法です。
この手法のポイントは、対価として現金ではなく「自社の株式を渡す」という点です。
つまり、売手会社の既存株主は、買手会社の株主になることができます。

一方で「株式移転」は、売手会社と買手会社が新しい会社を合同で設立(新設親会社)し、その下に売手会社と買手会社を子会社としてぶら下げる手法です。
売手会社と買手会社の株主は、それぞれ新設親会社の株式を保有することになります。

M&Aの手法4.事業譲渡

「事業譲渡」とは、 買手が売手会社の事業部門や資産の一部を買い取ること手法です。
他の買収手法とは異なり、売手会社そのものではなく、一部の事業だけを買い取ります。
不採算事業や店舗の整理や、本業に集中したい場合などに事業譲渡を用いることが多く、中小企業のM&Aにおいても多く活用されています。

事業譲渡について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

M&Aにおける事業譲渡とは?誰でもわかるよう...

M&Aにおいてはいくつか売却手法があり、代表的なものの一つとして事業譲渡という選択肢があります。 未上場の中小企業がM&Aを行う場合、売却価格をいくらにするか、どういう手法で売却するか、売却の際に締結する…

M&Aでの合併の種類と手法

M&Aの大きな区分の2つ目が、「合併」という手法です。
合併とは、 2つ以上の会社を1つの会社に統合することを指します。
買収は契約完了後もそれぞれの法人格は残りますが、合併は片方の会社が消滅することになり、外形的にも実態も1つの会社に生まれ変わることになります。
合併には、一方の会社を他方の会社に承継させる「吸収合併」と、両社ともに消滅させた上で新たな会社がすべてを承継する「新設合併」があります。
中小企業同士のM&Aにおいてはあまり使われることはありませんが、大企業が中小企業を買収する場合などに用いられることがまれにあります。

M&Aの手法5.吸収合併

「吸収合併」とは、 「売手会社が消滅し、買手会社が資産・負債・権利義務を包括的に引き継ぐ」 というM&A手法のことを指します。
この場合、解体する売手会社は「消滅会社」、引き継ぐ買手会社は「存続会社」と呼ばれます。

M&Aの手法6.新設合併

「新設合併」とは、 「すべての会社を消滅させ、新設した会社にすべての資産・負債・権利義務を引き継ぐ」 というM&A手法です。
この場合でも、買手会社と売手会社が存在しますが、どちらの会社も一度消滅します。
そして、双方の合意により、新会社が設立されます。
この新会社が、消滅した会社の資産・負債・権利義務などの要素を引き継ぐのです。

M&Aでの分割の種類と手法

最後に、会社分割という手法をご紹介します。
会社分割とは、 「売手会社が、ある一部の事業もしくはすべての事業を切り離し、買手会社に移す」 という手法です。
会社分割には「新設分割」と「吸収分割」の2種類の手法があります。

M&Aの手法7.新設分割

新設分割とは、 「分離元会社が、分離した事業を新しい会社として成立させる」 という手法のことを指します。
ある会社に、業績が右肩上がりの事業部門があるとします。
この部門を切り離し、新たに会社として独立させる場合などに新設分割が用いられます。
なお、分離元会社が複数ある場合は 「共同新設分割」 と呼ばれます。
また、 新設分割には「分社型」と「分割型」の2種類の手法 があります。
この2つの手法は、「誰が対価の株式を取得するか」が異なります。

分社型の場合、 分離元会社自身が分離した新設会社から株を取得 します。
そのため、新設会社は分離元会社の子会社ということです。

一方、分割型の場合、 分離元会社の株主が、新設会社の株を取得 します。
そのため、分離元会社と新設会社は兄弟の関係になるということです。

M&Aの手法8.吸収分割

吸収分割とは、 「分離元会社(売手会社)が、分離先会社(買手会社)に事業部門を売り渡す」 という手法のことを指します。
この場合も、新設分割と同じように分社型と分割型が存在します。
つまり、分社型の場合は、分離元会社が分離先会社の株式を取得します。
また分割型の場合は、分離元会社の株主が分離先会社の株式を取得するのです。
会社の分割に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

会社分割とは?具体的な利用場面と実務上の注意点...

M&Aの世界において会社分割はよく出てくるスキームの一つです。 どういったケースで会社分割をするのか、また実務上の注意点についてもご紹介します。 目次1 会社分割とは1.1 新設分割と吸収分割1.2 物的分割と人…

M&Aの手法 まとめ

これまで、M&Aの手法について解説しました。

M&Aは、どのような目的で売却するのか、売却するための条件はなにか、といったことを事前に整理することが重要です。
これらの記事などを参考しながら、考えを整理してはいかがでしょうか。

またM&Aナビは、売り手・買い手ともにM&Aにかかる手数料などを完全無料でご利用いただけます。買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いのも特徴です。ぜひご活用ください。

関連記事

M&A・事業承継の基礎知識
2022年06月07日

中小企業のM&Aにおける事業承継のメリットと高く売却できる条件とは?

近年、親族や従業員への事業承継ではなく、第三者へのM&Aによる株式譲渡や事業譲渡を選択する中小企業の数が増加傾向にあります。 会社や事業の売却は、売手側

  • 売手
  • 役員退職金
  • M&A・事業承継の基礎知識
    2022年02月25日

    事業承継とは?5つの手法と各種ポイントをご紹介

    現在、国内企業の3社に2社は後継者がいないと言われています。 株式会社の数は約250万社ですので約167万社に後継者がいないことになります。 これが現在大きな社

  • 事業承継
  • 会計・税務・法務の知識
    2022年05月12日

    会社を廃業すると借金はどうなる!?パターン別の対応方法を徹底解説!

    日本の中小企業のうち、どれくらいの企業が融資を受けているかご存知ですか? 実は、2018年の中小企業庁の調査によると、約65%が借り入れをおこなって経営していま

  • 廃業
  • 負債
  • 資金調達
  • M&A・事業承継の基礎知識
    2022年06月01日

    株式譲渡とは?中小企業のM&A・事業継承における株式譲渡のメリットとデメリット

    株式譲渡とは、いくつかある会社の売り方のひとつで、M&Aにおいて最もポピュラーな手法です。 会社の売却を考えている経営者の方であれば、M&Aのこ

  • M&Aの手法
  • 売却戦略
  • 新着買収案件の情報を受けとる

    M&Aナビによる厳選された買収案件をいち早くお届けいたします。