会社売却の際に発生する税金とは?知っておくべき予想外の費用やリスク

2022年06月22日

M&Aで株式や事業の譲渡を行うと、売手側はその対価として売却代金を受け取ります。
この時、その売却代金は誰が受け取るのか、また受け取った代金に対して税金は発生するのかどうか、御存じでしょうか?
実は、売却の方法によってオーナー個人が代金を受け取る場合もあれば、企業が受け取る場合もあるのです。
また、それによってかかる税金の種類や金額も大きく異なります。

この記事では、中小企業のM&Aで実際に使われることが多い「株式譲渡」と「事業譲渡」における、代金を受け取る主体者と、発生する税金の種類や税率について解説します。

株式譲渡で会社を売却・M&Aする際に発生する譲渡所得と税金とは

株式譲渡をつかって会社を売却・M&Aするメリット

株式譲渡は、M&Aの中でも最もシンプルで、かつ後継者不足に悩まされる中小企業のM&Aに適したスキームと言えます。
なぜならば、現オーナーが保有する全株式を譲渡し第三者に託すことで、会社のすべての所有権および経営権を手放すことができるからです。

株式譲渡によるM&Aでは、株主(現オーナー)が買手企業に株式を売却し、その売却代金を売手(現オーナー個人)が受け取ります。
いわゆる上場株の売却と似たようなイメージで、あくまでも個人が持つ株式を誰かに譲渡する、という形です。
つまり、売却したことによって手に入れた代金に利益が出ていれば、その利益分は課税対象になります。

それでは、株式譲渡によって発生する税金の計算方法をご紹介します。

会社のM&A・売却時の譲渡所得(株式譲渡益)の計算

譲渡所得は
譲渡所得=売却代金-(取得費+手数料)
で計算することが可能です。

「取得費」は、対象の株式を取得した際にかかった費用です。
中小企業の場合、オーナーが創業者として会社設立時から継続して経営しており、多くは設立時の資本金をオーナー個人が払い込んでいます。
その場合、会社設立時に払い込んだ資本金は、取得費にあたります。
また、「手数料」は、M&Aによって株式譲渡を行なった際に発生するM&A仲介会社や各種専門家に支払う手数料です。
上場株式を証券会社を通じて売買する際に、通常は一定の手数料が発生しますが、それと同じ性質のものだと言えます。

売手が個人か法人かで変わる?「M&A・売却時における株式譲渡の譲渡所得」に係る税率の違い

次に、譲渡所得に係る税金の計算方法をご説明します。
ここで注意しなければならないことは、ずばり、「売手が個人か法人か」という点です。
その理由は、売手株主が個人であるか法人であるかにより、税金が異なるからです。

売手が個人の場合

株式の売却で生じた譲渡益に対し、「20.315%(=15.315%(所得税)+5%(住民税))」の税率で課税が行われます。

売手が法人の場合

株式の売却で生じた譲渡益に対し、「約33~34%(法人税、住民税、事業税等合計)」の税率で課税が行われます。

会社のM&A・売却時にオーナー経営者の退職金で税金の負担を軽減する方法

M&Aにおいては、株式を保有していたオーナー経営者が株式を売却するタイミングで、「経営者(多くの場合は社長)」から外れて自らも退職することが一般的です。
この際の税負担軽減の方法として、オーナー経営者への退職金支給があります。

詳しくは以下の記事をご参考ください。

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会社を事業譲渡でM&A・売却する際に発生する税金を詳しく解説!

事業譲渡が用いられるケース

売手側として、
「年齢を重ね、この規模のまま経営を続けることに体力的自信がないが、任せられる親族も従業員もいない」
「事業の選択と集中のため、ある1事業を誰かに託したい!」
といったとき、事業譲渡(特に一部譲渡)を用いれば、自分で継続できる事業だけを会社に残して、他の事業を売却することができます。
事業譲渡についても株式譲渡と変わらず、売却代金から譲渡所得を算出する流れになります。

譲渡所得(事業譲渡益)の計算

事業譲渡により生じた売却代金は、売手「企業」が受け取り、発生した利益に対し、売手「企業」に法人税が課されます。
この場合、課税対象者は「企業」とされ、売手企業の「株主」は課税対象にはなりません。
事業譲渡では譲渡する事業資産と負債の差額を超えた売却金額が売却益となって課税対象となります。[/su_column][/su_row]

「事業譲渡の譲渡所得」に係る税金

先ほど記載があったように、事業譲渡では、売手企業の「株主」への課税は行われません。
売手「企業」に課せられる税金について詳しく確認してみましょう。
事業譲渡の税金計算に必要となるものとして、「実効税率」と呼ばれるものがあります。
これは、法人税のほか、地方法人税、住人住民税、事業税など、それら全てを合わせた理論上での税率を指します。
近年、引き下げの傾向にあるとはいわれていますが、一般的に税率は「約30%」として概算されます。

会社を事業譲渡で売却・M&Aする際の落とし穴「消費税」

事業譲渡によるM&Aで「消費税」という言葉を聞くと、大きな違和感を感じるかもしれません。
意外なことに、事業譲渡では消費税が発生します。

何に課されるのかというと、売却代金から土地など消費税対象外の資産を差し引いた金額です。
これに消費税率(現在は8%)を掛けて出た金額が消費税のおよその額となります。
事業譲渡契約は、消費税における課税資産と非課税資産を一括して譲渡するものと考えられており、課税資産と非課税資産の対価の額を合理的に区分して課税することとなります。

具体的にどのようなものが課税資産に含まれるのか、確認しましょう。

例えば、「建物、棚卸資産、有価証券、のれん代、土地、債券、特許権」といった資産が譲渡資産に含まれる場合、課税資産として抽出されるのは、どれでしょう?
正解は、課税資産として計上されるのは、「建物、棚卸資産、のれん代、特許権」です。
一方、「有価証券、土地、債券」は非課税資産に分類され、消費税が課される対象にはなりません。

1千万円の売却代金で消費税非課税資産が100万円とすると、消費税は90万円となります。
もちろん、消費税は税率で計算されます。
そのため、これが10億円規模の譲渡で発生した場合、消費税は9000万円にも膨らみます。

M&Aの途中で消費税負担を想定できないなかった事実に気付き、資金の計画が大幅に狂うということもあり得ます。

中小企業をM&A・売却する際には、予想外の税金やリスクが隠れている!

この記事に目を通していただいた方にはわかると思いますが、専門家に頼らずに個人でM&Aを実行することは非常に困難です。
少しでも不安のある方は、できる限り早い段階で、専門知識の豊富なM&Aアドバイザーに相談することが必要です。

  • この記事では税金の概算が完全には理解できなかった
  • 株式や事業の価値(売却価格)がいくらになるの算定してほしい
  • M&Aを検討し始めたので、誰かに相談したい・・!
  • 会社の今後について不安があるが、何から始めればいいかわからない

などの、様々なお悩みを抱えた方は、専門家に相談しましょう。

またM&Aナビは、売り手・買い手ともにM&Aにかかる手数料などを完全無料でご利用いただけます。買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いのも特徴です。ぜひご活用ください。

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