事業譲渡とは?メリット・デメリット・手続きの流れ・税金をわかりやすく解説

2026年08月06日

事業譲渡|事業譲渡とは?メリット・デメリット・手続きの流れ・税金をわかりやすく解説のアイキャッチ

M&Aナビとは?

会社を丸ごと売るか、事業だけを切り出して売るか。
中小企業のM&Aは、実務ではほぼこの二択です。中小企業庁の調査では、M&Aを実施した中小企業の41.0%が事業譲渡を、40.8%が株式譲渡を選んでいます(2018年版中小企業白書)。

事業譲渡は、会社という法人格を残したまま、中の事業だけを売買する手法です。
売る対象を自由に選べる代わりに、手続きは株式譲渡より多く、税金のかかり方もまったく別物になります。

定義から株式譲渡との使い分け、手続きの流れ、税金まで、売り手の経営者が判断に使う順番で並べました。買い手側の視点も併記しています。

プロのM&Aアドバイザーが不安・疑問を徹底解消

事業譲渡とは

売却・MBO・親族承継の3択を比較した無料ガイドを無料でダウンロードできます。

事業譲渡とは、会社が営んでいる事業の全部または一部を、契約によって第三者に譲り渡すM&Aの手法です。
譲るのは「会社そのもの」ではなく「事業」。工場1つ、店舗1つ、WEBサイト1本という単位でも成立します。

ここでいう「事業」は、単なるモノの寄せ集めではありません。設備・人・取引関係・ノウハウが一体となって収益を生む財産のまとまりを指します。
機械1台だけを売れば単なる資産売却ですが、店舗を従業員や仕入先との関係ごと譲れば事業譲渡になる、という関係です。

「事業売却」という言葉で情報を探している場合は、事業売却とは?会社売却との違い・税金・流れから読むと全体像をつかめます。事業売却を実行する具体的な手法が、本記事で解説する事業譲渡です。

中小企業のM&Aは事業譲渡と株式譲渡の二択にほぼ集約される

M&Aの手法には、事業譲渡のほかに次のようなものがあります。

ただ、会社分割や合併は手続きが重く、中小企業の実務で使われる場面は限られます。
中小企業庁の調査では、M&Aを実施した中小企業の8割超が事業譲渡(41.0%)か株式譲渡(40.8%)のどちらかを選んでいます。

参考:M&Aを中心とする事業再編・統合を通じた労働生産性の向上(2018年版中小企業白書)

何を譲渡の対象にできるか

事業譲渡の対象は、売り手と買い手の合意で決めます。
設備や在庫のようなモノだけでなく、取引先との契約、従業員、ブランド、ノウハウまで、事業に属するものを個別に選んで組み合わせます。

たとえば、飲食事業とアパレル事業を営む会社が、アパレルに専念するため飲食事業だけを売る。
運営が止まっているWEBサイトを、ドメインと記事一式ごと譲る。
どちらも事業譲渡です。

何をどこまで対象に含めるかで、価格の付き方も手続きの重さも変わります。店舗を丸ごと譲る場合とWEBサイト1本を譲る場合では、交渉も価値算定も別物になります。

>>事業譲渡のM&A案件一覧をみてみる

会社の売却を考えはじめた方へ

事業譲渡と株式譲渡の違い

検討の最初に迷うのが、株式譲渡との使い分けです。
違いは「何を渡すか」と「誰がお金を受け取るか」に集約されます。

比較項目 事業譲渡 株式譲渡
譲渡するもの 事業に属する資産・契約など(選択して個別に移転) 会社の株式(経営権ごと承継)
対価を受け取るのは 会社 株主(オーナー個人)
売り手側の税金 譲渡益に法人税等(税率は会社の規模・所得で変わる) 個人株主は譲渡益に20.315%(分離課税)
消費税 課税資産の譲渡対価にかかる かからない(株式は非課税)
負債・簿外債務 原則、買い手に引き継がれない 会社ごと買い手に引き継がれる
許認可 原則引き継げない(買い手が取り直す) 原則そのまま使える
従業員の雇用契約 自動では移らない(本人の同意が必要) そのまま継続
株主総会 全部譲渡・重要な一部の譲渡は特別決議が必要 原則不要(譲渡制限株式は承認手続きあり)

オーナー個人の手取りを最優先するなら株式譲渡、事業の一部だけを動かしたいなら事業譲渡。ここが検討の出発点になります。
2つのスキームの選び方は、次の記事で詳しく比較しています。

事業譲渡と株式譲渡の違いとは?【図解】メリット...

事業譲渡と株式譲渡の最大の違いは、「事業だけを売るか、会社ごと売るか」です。対価の受け取り手(会社か株主個人か)と税金・許認可の扱いも大きく異なります。本記事では、両者の違いを図解と比較表で整理し、選び方の判断基準を解説…

なお、事業だけでなく「会社を売る」選択肢まで含めて全体像から考えたい方は、会社を売りたい経営者向けの解説記事から読むことをおすすめします。

事業譲渡のメリット

売り手にとってのメリット

売りたい事業だけを選んで譲渡できる

複数の事業のうち、伸び悩んでいる事業だけを切り出して売り、残ったヒトとカネを本業に集中させる。
事業譲渡が最も多く使われるパターンです。

残したい資産や事業を手元に置いたまま一部だけを譲れる点が、会社ごと渡す株式譲渡との大きな差です。

法人格を残せる

事業を譲っても、会社というハコは残ります。
先代から受け継いだ社名を残したい場合や、残った会社で新しい事業を始めたい場合に有効です。
1つしか事業がない会社でも、その事業を丸ごと譲渡して法人格だけを残すことは法的に問題ありません。

残ってほしい従業員を確保できる

中小企業では、同じ社員が複数の事業を兼務していることが珍しくありません。
事業譲渡では、どの従業員に転籍を打診するかを売り手と買い手の協議で決められるため、譲渡後も自社に残ってほしい人材を確保しながら事業を手放せます。

会社全体では難しくても、事業単位なら買い手がつくことがある

会社全体で見ると赤字や借入過多でも、採算の取れている事業や、立地・顧客基盤に価値がある事業は単体で評価されます。
廃業を考える前に、事業だけ売れないかを確かめる価値はあります。

買い手にとってのメリット

必要な事業・資産だけを買える

買い手も、対象を選んで買収できます。
たとえばデリバリー付きの飲食店を譲り受ける際、自社に宅配部門が既にあるなら、バイクと配達要員を対象から外す交渉が可能です。
新規事業をゼロから立ち上げる代わりに、動いている事業を買って時間を短縮する使い方もあります。

負債や簿外債務を引き継がなくてよい

銀行からの借入は事業ではなく会社が負っているものなので、事業譲渡では自動的に買い手へ移りません。
帳簿に載らない簿外債務や偶発的なリスクも、譲渡対象に含めない限り引き継がれません。

なお、簿外債務について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

簿外債務とは?M&Aにおける問題点や対応策を...

会社を売却する際に問題となることがある簿外債務ということばを聞いたことはありますか? 簿外債務とは、貸借対照表に計上されない負債のことをいいます。 簿外債務の影響で、買手と問題になり、最悪の場合は訴訟に繋がる恐れもありま…

のれん相当額を税務上5年で償却できる

買収額のうち、引き継いだ資産・負債の差額を上回る部分(のれん相当額)は、税務上「資産調整勘定」として5年間で均等償却し、損金にできます。
株式譲渡で会社ごと買った場合には使えない、事業譲渡ならではの税務効果です。

>>事業譲渡のM&A案件一覧をみてみる

会社の売却を考えはじめた方へ

事業譲渡のデメリットと注意点

売り手にとってのデメリット

競業避止義務を負う(原則20年)

事業を譲渡した会社は、会社法21条により、同一市町村および隣接する市町村の区域内で、同じ事業を20年間行えません。
契約でこの期間を短くすることも、最長30年まで延ばすことも可能です。

譲渡後に近い商圏で同業を再開する計画が少しでもあるなら、契約前に競業避止義務の範囲と期間を必ず詰めておく必要があります。

対価は会社に入り、個人の手取りには二段目の手続きがかかる

事業譲渡の対価は会社が受け取ります。オーナー個人の財布には直接入りません。
個人がお金を手にするには、役員報酬・配当・会社の清算といった二段目の手続きが必要で、そこでも課税されます。

オーナー個人の手取りを最優先に考えるなら、株式譲渡とどちらが有利かを試算してから決めるのが安全です。

手続きの負担が大きい

事業譲渡は、資産・契約・従業員を1つずつ移す「個別承継」です。
契約書や同意書の数が多くなり、株式譲渡に比べて完了までの作業量が増えます。具体的な中身は手続きと流れで説明します。

どちらのスキームが得かは、税負担と引き継ぐ債務の範囲で変わります。
一般論の比較表では、自社の答えまでは出ません。
>>株式譲渡と事業譲渡、自社に合うのはどちらか聞いてみる

買い手にとってのデメリット

契約と人の引き継ぎに手間がかかる

デューデリジェンス(買収前調査)に加え、取引先との契約の結び直し、従業員への転籍打診、許認可の取得と、譲受後の実務が株式譲渡より重くなります。

譲渡対価に消費税がかかる

事業譲渡は会社の資産を売買する取引なので、買い手には消費税の負担が発生します(土地や有価証券などの非課税資産を除く)。
中小企業の実務では意外と見落とされやすく、当事者同士で進めた結果、後から消費税分を請求していなかったことが発覚して揉めるケースが少なくありません。

売り手の商号・屋号を使い続ける場合は債務の弁済責任に注意

買い手が売り手の商号や屋号をそのまま使い続ける場合、会社法22条により、売り手の事業で生じた債務について買い手も弁済責任を負う可能性があります。
譲受後すみやかに免責の登記をするか、債権者に個別に通知することで、この責任は外せます。
屋号ごと事業を引き継ぐことが多い飲食店や旅館の譲渡では、契約前に必ず確認しておきたい項目です。

事業譲渡の手続きと流れ

全体の流れは、おおむね次の8ステップです。

ステップ やること
1. 譲渡範囲の整理 どの事業・資産・契約・従業員を対象にするか決め、決算書や事業資料を整える
2. 買い手探し 仲介会社・マッチングサイト・取引先の紹介などから候補を探す
3. 面談・条件交渉 価格・引き継ぎ範囲・従業員の処遇をすり合わせる
4. 基本合意 主要条件を書面化する(独占交渉権・スケジュールなど)
5. デューデリジェンス 買い手が財務・法務・事業の実態を調査する
6. 事業譲渡契約の締結 取締役会決議を経て契約。譲渡対象を目録で確定する
7. 株主総会の特別決議 必要な場合のみ(下の表を参照)
8. クロージング 対価の決済・資産の名義変更・従業員の転籍・契約の結び直し・許認可の取得

株主総会の特別決議が必要になる場合

事業譲渡は、会社法467条により株主総会の特別決議(定足数を満たした総会で、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成)が原則として必要です。
ただし、譲渡の規模などによって例外があります。

ケース 株主総会の決議
事業の全部を譲渡する 必要(特別決議)
事業の重要な一部を譲渡する(帳簿価額が総資産の5分の1超) 必要(特別決議)
譲渡する資産の帳簿価額が総資産の5分の1以下 不要
買い手が議決権の90%以上を持つ会社への譲渡(略式手続き) 不要

株主が経営者1人の会社なら形式的な手続きで済みます。
一方、親族や元役員に株式が分散している会社では、この決議が最初の関門になります。株主の所在確認と説得は時間がかかるため、早めに着手すべき項目です。

期間の目安と「個別承継」の重さ

買い手探しから引き渡しまで、半年から1年ほどかかるケースが多く、店舗1つ・WEBサイト1本のような小さな譲渡なら数か月で終わることもあります。

時間を食うのは、契約後の個別承継です。

従業員の雇用契約は自動では移りません。民法625条により本人の同意が必要で、1人ずつ転籍の手続きを踏みます。キーパーソンに断られると事業の価値自体が変わるため、伝えるタイミングと順番は買い手と綿密に設計します。

取引先との契約も同じです。店舗の賃貸借契約や仕入契約は、相手方の承諾を得て結び直します。

許認可は原則として買い手が取り直します。業種によっては承継の仕組みが整備されつつありますが、飲食業や建設業など許認可が事業の生命線になる業種では、取得までの期間を逆算してスケジュールを組む必要があります。

事業譲渡の価格の決まり方

事業譲渡の価格に、定価はありません。
中小企業のM&A実務では、「事業に属する資産の時価」に「その事業が生む利益の数年分」を上乗せする考え方が出発点としてよく使われます。

利益の上乗せ分は、引き継ぐ収益力やブランド・顧客基盤への評価で、のれんと呼ばれます。
同じ事業でも、譲渡範囲に何を含めるか、買い手の事業とどれだけ相性が良いかで、のれんの評価は変わります。

最終的な価格は交渉で決まります。だからこそ、1社としか話さない状態で価格を受け入れるのではなく、複数の買い手候補と比較できる状態を作ることが、価格を落とさない一番の防御になります。

価格算定の考え方は、会社売却の相場を解説した記事企業価値評価の3つの方法を解説した記事で詳しく説明しています。

事業譲渡にかかる税金・費用

事業譲渡で発生する主な税金は次のとおりです。

負担する側 税金 内容
売り手(会社) 法人税等 譲渡益がその期の他の損益と通算されて課税される。税率は会社の規模・所得によって変わる
買い手 消費税 建物・機械・在庫・のれんなどの課税資産に原則10%。土地・有価証券・売掛金などは非課税
買い手 不動産取得税・登録免許税 不動産を譲渡対象に含む場合に発生する

対価は会社に入る

事業譲渡は、会社のモノを会社が売る取引です。対価は会社に入ります。
オーナー経営者(株主)個人には1円も入らない。この点は株式譲渡との最大の違いなので、手取りの計画を立てる前に押さえておく必要があります。

売り手は法人税、買い手は消費税

会社が受け取った対価は、その事業年度の益金に算入され、譲渡益が出ていれば法人税の課税対象になります。

数字のイメージはこうです。対価5,000万円で、譲渡する資産の帳簿価額が3,000万円なら、譲渡益は2,000万円。
この2,000万円がその期の他の損益と通算され、利益が残った分に法人税等がかかります。
赤字の期であれば、譲渡益が欠損と相殺されて税負担が軽くなる場合もあります。実際の税額は会社の状況で大きく変わるため、試算は税理士に依頼してください。

買い手側の消費税は、前の章でも触れたとおり請求漏れによるトラブルの火種になりやすい項目です。契約書で税込・税抜の扱いを明記しておくのが実務の基本です。

会社売却全般にかかる税金については、以下の記事を参考にしてみてください。

会社売却の税金はいくら?株式譲渡・事業譲渡の税...

会社売却で発生する税金は、選ぶ売却スキームによって大きく変わります。中小企業のM&Aで最も多い「株式譲渡」で個人オーナーが売却した場合、譲渡益に対して約20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税)の分離課税…

売却検討中の方の疑問をいますぐ解決!よくある質問と回答はこちら

M&Aでよくある質問〜売却検討中の方の不安・...

M&Aで会社や事業の売却を検討する中で、不安や疑問点は多くあるのではないでしょうか。 M&Aナビにおいても「いくらで売れるのか知りたい」「売却後の税金が不安」といったご質問をいただいております。 そこ…

事業譲渡が向いているケース

不採算事業を切り離したいケース

複数の事業のうち、継続的に損失を出している部門だけを切り離せば、残った事業に経営資源を集中できます。
買い手にとって価値のある資産(立地・顧客・人材)を含んでいれば、不採算部門でも買い手はつきます。

譲渡する事業とは別に、残したい資産や法人格があるケース

不動産や自社ブランドなど、手放したくない資産がある場合、事業譲渡なら対象から外して手元に残せます。
法人格そのものを残して、別の事業で再スタートを切ることも可能です。

買い手が特定の資産だけを求めているケース

技術・特許・顧客基盤など、買い手のほしいものが特定の資産に絞られている場合は、会社ごと譲る必要がありません。
売り手側も、他の事業に影響を与えずに交渉を進められます。

複数の事業から一部だけを譲渡するケース

関連性の薄い事業を複数抱えている会社は、まとめて評価すると全体の値付けが難しくなり、買い手の意思決定も鈍ります。
事業の多角化が進みすぎて全体の企業価値が下がって見える状態を「コングロマリットディスカウント」と呼びます。事業単位に分けて譲渡することで、それぞれの事業が適正に評価されやすくなります。

個人事業主が事業を譲るケース

個人事業主には株式がないため、第三者への事業承継は事業譲渡が基本形になります。
詳しくは個人事業主の事業売却の解説記事をご覧ください。

廃業を検討しているケース

会社を閉じる方向で考えている場合でも、閉じる前に事業単位で売れないかを確認する価値があります。
廃業には在庫処分や原状回復などの費用がかかる一方、事業譲渡なら対価を受け取ったうえで従業員の雇用先も確保できる可能性があります。
借入が残っている状態で会社を閉じる場合の選択肢は、会社をたたむときの借金の扱いを解説した記事にまとめています。

逆に、株式譲渡を選んだほうがよいケース

次のような場合は、事業譲渡より株式譲渡が向いています。

  • 会社ごと従業員・取引先・許認可を引き継いでほしい
  • 契約や許認可の数が多く、個別の巻き直しが現実的でない
  • オーナー個人の手取りを最大化したい

株式譲渡の進め方は、株式譲渡の解説記事で説明しています。

>>事業譲渡のM&A案件一覧をみてみる

事業譲渡の事例

事業譲渡のスキームが実際に使われた事例を紹介します。

株式会社花王による株式会社フライフィッシュが運営するスーパー8店舗の事業譲受

2024年6月、株式会社JMホールディングスは、連結子会社である株式会社花王が、株式会社フライフィッシュが運営するスーパーマーケット8店舗の譲受を発表しました。
株式会社花王は、業務用食品スーパーである「肉のハナマサ」などのブランドを運営している会社です。

本件M&Aにより、花王は関西エリアへのスピーディーな新規出店を進めることが可能となります。
株式会社JMホールディングスは、本件M&Aにより譲受した8店舗を、2024年秋から冬頃に「肉のハナマサ」にリニューアルして運営するとしています。

参考:当社連結子会社における事業譲受に関するお知らせ

株式会社クスリのアオキホールディングスによる株式会社ムーミーが運営するスーパー7店舗の事業譲受

2024年7月、株式会社クスリのアオキホールディングスは、株式会社ムーミーが運営するスーパーマーケット7店舗の譲受を発表しました。
株式会社クスリのアオキホールディングスは、幅広い地域でドラッグストア・調剤薬局を運営している会社です。

本件M&Aにより、株式会社クスリのアオキホールディングスは香川県に進出することとなり、四国エリアでのドミナントを強化するとしています。

参考:株式会社ムーミーの事業譲受に関するお知らせ

調剤薬局に関するM&Aにご興味がある方は以下の記事を参考にしてみてください。

調剤薬局のM&Aを徹底解説!業界再編の状況や...

調剤薬局業界は、ここ数年もっとも活発にM&Aが行われ再編や統合が進んだ業界の一つだったといえるでしょう。 社会保障制度の見直しに伴う調剤費用の削減や薬剤師の不足、ドラッグストア業からの参入などにより、調剤薬局経…

小規模な事業譲渡の例:個人事業主のジム・店舗の譲渡

事業譲渡は上場企業だけのものではありません。
M&Aナビでも、個人事業主が運営するパーソナルジムの店舗1拠点を、同業の法人へ事業譲渡した事例をご支援しています。個人事業主には株式がないため、第三者への承継は事業譲渡が基本形になります。

小規模な譲渡の実例は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

パーソナルジムのM&A・売却事例|売り手と買...

東京と沖縄の2拠点でパーソナルジム事業を展開する相原様は、沖縄での事業拡大に集中するためにM&Aによる譲渡を検討。同じくパーソナルトレーニングジムを運営する株式会社GASYに事業譲渡の形で新宿店を譲渡されました…

事業譲渡に関するよくある質問

事業譲渡とは何ですか?

事業譲渡とは、会社が営んでいる事業の全部または一部を、契約によって第三者に譲り渡すM&Aの手法です。工場・店舗・WEBサイトといった単位でも成立します。中小企業庁の調査では、M&Aを実施した中小企業の41.0%が事業譲渡を選んでおり、株式譲渡(40.8%)と並ぶ代表的な手法です。

事業譲渡と株式譲渡はどう違いますか?

事業譲渡は「事業に属する資産や契約」を個別に譲り、対価は会社が受け取ります。株式譲渡は「会社の株式」を譲って経営権ごと承継させ、対価は株主個人が受け取ります。税金も、事業譲渡は譲渡益に法人税等(税率は会社の規模・所得で変わります)、株式譲渡の個人株主は20.315%の分離課税と大きく異なります。

事業譲渡のメリットは何ですか?

売り手側は「売りたい事業だけを選んで譲渡できる」「法人格を残せる」「残ってほしい従業員を確保できる」点がメリットです。買い手側は「必要な事業・資産だけを買える」「負債や簿外債務を引き継がない」「のれん相当額を税務上5年で償却できる」点がメリットです。

事業譲渡のデメリットは何ですか?

売り手側は「競業避止義務を負う(会社法21条・原則20年)」「対価が会社に入るため個人の手取りには二段目の手続きと課税がかかる」「個別承継のため手続きが煩雑」がデメリットです。買い手側は「契約や従業員の引き継ぎに手間がかかる」「譲渡対価に消費税がかかる」点に注意が必要です。

事業譲渡に株主総会の決議は必要ですか?

事業の全部を譲渡する場合と、帳簿価額が総資産の5分の1を超える重要な一部を譲渡する場合は、株主総会の特別決議が必要です(会社法467条)。譲渡する資産が総資産の5分の1以下の場合や、議決権の90%以上を持つ会社へ譲渡する場合は不要です。

事業譲渡にかかる期間はどれくらいですか?

買い手探しから引き渡しまで、半年から1年ほどかかるケースが多いです。店舗1つ・WEBサイト1本のような小規模な譲渡であれば数か月で完了することもあります。契約後も従業員の転籍や契約の結び直し、許認可の取得といった個別承継の作業が続きます。

従業員は自動的に買い手企業へ移りますか?

移りません。雇用契約は事業譲渡では自動承継されず、民法625条により従業員本人の同意が必要です。1人ずつ転籍の手続きを踏むため、伝えるタイミングと順番を買い手と設計しておくことが重要です。

事業譲渡が向いているのはどんな場合ですか?

「不採算事業だけを切り離したい」「残したい資産や法人格がある」「買い手が特定の資産だけを求めている」「複数の事業から一部だけを譲渡したい」「個人事業主として事業を譲りたい」「廃業の前に事業だけ売れないか確かめたい」といった場合に向いています。

まとめ

事業譲渡は、会社を残したまま事業だけを動かせる、自由度の高い売却手法です。
その分、対価の受け取り方・税金・個別承継の手間が株式譲渡とは大きく違います。

どちらのスキームが自社に合うかは、譲りたい範囲・株主構成・税負担の3点でほぼ決まります。
決断する前の早い段階で専門家に相談するほど、選べる道は増えます。譲渡を迷っている段階での相談で構いません。

>>事業譲渡のM&A案件一覧をみてみる

M&Aナビには買い手となりうる企業が数多く登録されており、複数の候補と比較しながら検討を進められます。売り手は手数料無料で利用できます。

会社の売却を考えはじめた方へ

M&Aナビ 仲介サービス 無料相談受付中

関連記事

M&Aはどこに相談する?|M&Aはどこに相談するのが良い?相談先の選び方や、選ぶときの3つの注意点を徹底解のアイキャッチ
M&A・事業承継の基礎知識
2026年07月31日

M&Aはどこに相談するのが良い?相談先の選び方や、選ぶときの3つの注意点を徹底解説!

M&Aを検討しているが、どこに相談すればいいかわからない…。そんな悩みを抱えるは当然です。 家族や従業員に気軽に相談できる内容ではないですし、銀行や税

  • M&A
  • M&A相談
  • M&A相談先
  • 事業承継M&Aのメリット|中小企業の事業承継におけるM&Aのメリットと高く売却できる条件とは?のアイキャッチ
    M&A・事業承継の基礎知識
    2026年07月31日

    中小企業の事業承継におけるM&Aのメリットと高く売却できる条件とは?

    本記事では、事業承継の手段としてM&Aを活用することのメリットや高く売却できる条件について解説します。 近年、親族や従業員への事業承継ではなく、第三者

  • 売手
  • 役員退職金
  • 廃業する前に考えたいM&A|廃業する前に考えたい「M&A」という選択肢のアイキャッチ
    M&A・事業承継の基礎知識
    2026年07月31日

    廃業する前に考えたい「M&A」という選択肢

    本記事では、廃業の前に考えたいM&Aの選択肢というテーマで解説します。 中小企業が抱える悩みの一つに、後継者不足による廃業問題があり、廃業する企業は年

  • 売却の準備
  • 会社売却後の従業員への影響|会社売却後の従業員・社員・役員への影響は?買収されたら待遇はどうなる?のアイキャッチ
    M&A・事業承継の基礎知識
    2026年07月31日

    会社売却後の従業員・社員・役員への影響は?買収されたら待遇はどうなる?

    M&Aで会社売却をした後、いままで働いてくれていた従業員・社員にはどのような影響があるか不安に感じる経営者は多いのではないでしょうか。 従業員と長年の

  • 事業譲渡
  • 従業員
  • 株式譲渡
  • 新着買収案件の情報を受けとる

    M&Aナビによる厳選された買収案件をいち早くお届けいたします。