京都のM&Aについて解説 | 会社売却事例も含めてご紹介します

2022年03月20日

日本屈指の観光地である京都。

2019年には886万人もの外国人観光客が訪れており、飲食・サービス業をはじめとして多大なる需要が生まれていました。

しかし、新型コロナウイルス感染症の蔓延によりインバウンド特需は完全に消滅してしまいました。

需要の回復にはまだまだ時間がかかると見られており、withコロナを前提とした経済活動を行わざるをえないでしょう。

会社を存続させるため、あるいは会社を成長させるための有効な手段であるM&Aを選択する経営者も増えています。

この記事では、京都で会社を経営する方に向けて、京都のM&Aの特徴、京都の主な産業、京都の中小企業のM&Aの事例についてご紹介します。

京都エリアにおける産業の特徴

京都府の人口は約258万人で全国では13番目に大きなエリアです。

府内のGDPは約10兆4,876億円で、こちらも同じく全国13位です。(12位は広島、14位は宮城)

ところが、訪日外国人数のランキングでは、東京、大阪、千葉に次ぐ第4位となっており、コロナショック前は特に京都市内を中心に観光産業が大きな成長を遂げていました。

府内の産業別構造比は、製造業 26.7%、不動産業 11.8%、卸売・小売業 10.2%、保健衛生・社会事業 8.2%と続きます。

つまり京都では、実は製造業が主な産業になっており、大きな比率を占めているわけです。

京都には17品目の国が指定する伝統工芸品があり、これらを造るための高度な伝統産業技術が製造業を支えています。

京都ブランドを活かした製造産業

京都ではいわゆる「ブランド力」が確立されており、100年以上続く老舗の会社がなんと2,000社以上もあります。

特に近年、インバウンド政策の影響を受けて、京都は世界的な観光都市としての名声が定着したこともあって、「京都ブランド」は国内外で高い知名度をほこっています。

また、京都は総生産額に占める製造業とサービス業の比率が大きいことから、両産業が行政による様々なサポートを受けていることも、京都の産業の特徴と言えるでしょう。

戦略認定や事業承継、人材開発、連携開発などのベーシックなサポートから、先端産業の試作、航空機、QOL、IoT・IoEまで、幅広い施策が積極的に行なわれています。

グローバル×本物志向のサービス業

また、世界中から京都を訪れる観光客の中には、非常にハイエンドな方も多く含まれています。そのため、古い歴史を持つ街でありながら、実はグローバルに通用するサービスを提供していたり、高品質なサービスを求める顧客の声に応える力を持つ会社が多く活躍していることも特徴といえます。

飲食店やホテル・民泊など、現在はコロナ禍で厳しい経営を強いられていますが、高いポテンシャルを持つサービス業は、M&Aのマーケットにおいても非常に注目されています。

京都エリアのM&Aの特徴

M&Aは地域ごとに特徴があり、その特徴がM&Aに深く関わってくることがあります。
そのため、M&Aを特定の地域でおこなうときは、地域産業の特徴を考慮する必要があるのです。

「京都本社」という強みが人気となっている

京都生まれのワコールや任天堂、京セラなどは、どれだけ大きくなっても東京に本社を移転せず京都に置き続けるなど、積極的に外部に進出しないことで有名です。

京都の会社には、会社を京都内部で成長させるという内向きの傾向があると言われます。また、できるだけ京都本社の会社同士で取引をすることを好むという共存共生の思いを持つ会社も少なくありません。

そこで、京都へ進出を目論む他県の会社が、京都本社の同業を買収するケースがあります。

「東京本社の京都支社」よりも「京都が地元の京都本社」という点を活かして、府内での事業を展開していくという動きは、京都ならではの特徴かもしれません。

休廃業・解散する事業が多い

帝国データバンクの「全国『休廃業・解散』動向調査(2019 年)」によれば、京都で2019年に休廃業・解散した事業は491件あり、前年度と比較して6.3%多くなっています。
なお、全国における2019年の休廃業・解散した事業は23 ,634件で、前年度と比較して2.6%多くなっています。

つまり京都では、「上手く事業承継ができていない」「会社や事業の将来的な成長が期待できない」などの理由により、事業を自らたたむ積極的な休廃業・解散が増えているのです。

特に、製造業や伝統工芸関連事業などに多く、作っているモノは素晴らしいが後継者がいない、という会社が非常に増えています。

近年は若者の働き先が増え、かつテレワークなどの普及も進み、モノづくりの仕事に就きたいという方は減っています。

国や行政も支援策を打ち出していますが、まだまだ追いついておらず、やむをえず廃業してしまう会社は少なくありません。

先端技術・伝統産業が隣り合わせ

京都は観光名所として有名であるため、サービス業などの第三次産業が注目されがちです。

しかし、実際には多くの優れた中小企業が存在しており、第二次産業でも幅広いビジネスを展開している会社が多くあります。

つまり、京都は観光業だけでなく、先端産業の発展から伝統工業の事業承継まで幅広く進化を続けているのです。

そのため、関東や東海地域の製造業の会社は、京都本社の会社がもつ高い技術力を求めて、買収先を積極的に探している傾向にあります。

京都の中小企業のM&Aの事例

ここでは、京都の中小企業のM&Aの事例についてご紹介します。

京都市内の食品販売業を関東の食品卸売業が買収

年間の売上高は1.5億円、利益は約2,000万円の京都市内に2店舗を構える食品販売の会社が、2019年に5,500万円で売却されました。

地元の厳選した食材を使い、丹精込めた手作りする惣菜屋さんとして人気を博していましたが、高齢の経営者には後継者がいないため、廃業するか承継するか悩んでいました。

地域の学校やコミュニティから高い支持を集めており、たとえ今の経営者が引退しても味を守ることができれば事業は成長するはずだと目した関東の会社が、事業の承継に手をあげて買収することとなりました。

いまも創業者である元代表の方は、会長職として仕事を続けており、理想的な事業承継の形といえます。

京都市内に構える宿泊施設を個人投資家が買収

主に外国人向けの民泊+コミュニティ施設を運営している会社が、2020年7月に個人投資家によって買収されました。

想像のとおり、コロナ禍において営業ができなくなり、ほぼ売上がなくなってしまったのですが、希少な立地であることと、これまでの実績により海外観光客における知名度があったことから、非常に良い条件で交渉がまとまりました。

M&Aにおいては、なんといっても事業の売上が出ていることは最重要です。

しかしながら、誰もが経験したことないコロナ禍では、これまでの考え方とは違った評価によってM&Aが成立することも少なくありません。

京都府内外にラーメン店を展開する会社を大手同業他社が買収

京都本社で府内外で4店舗を展開するラーメン店の経営者は、これ以上自分の力で売上を伸ばしていくことは難しいと考え、売却を決意しました。

すべての店舗合わせて年間の売上高は約8,000万円ほどありましたが、自ら立ち上げたブランドをさらに大きくしてくれる相手を探し、約1年かけて大手飲食チェーンの会社に売却することができました。

こちらのラーメン店は行列ができるほど人気があり、多くのメディアの取材を受ける有名店でしたが、店舗やスタッフが増えてくると、経営者としてまったく別のスキルやリソースが必要になります。

そこで、より経営の力を持った人に成長を託すという考えで売却を考える経営者の方も少なからずいらっしゃいます。

まとめ

今回は、京都のM&Aの特徴、京都の主な産業、京都の中小企業のM&Aの事例などをご紹介させていただきました。

今回の記事で、京都ならではの特徴を感じていただくことはできたでしょうか?

京都でM&Aを積極的に検討されている際は、ぜひM&Aナビをご活用ください。

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