エステサロンをM&Aで売却・買収する方法は?特徴や相場、・事例を解説!
ここ数年で美容エステサロンをM&Aで売却や譲渡を行うオーナーの数が増加しています。
美容意識の高まりや法規制の移り変わりといった要因が背景にあります。
最近でも、いわゆるハイフという治療法が医療行為に当たるとして規制対象となる動きがありました。
一方、買い手側の視点の場合、エステサロンをM&Aで買収することで少ない初期投資金額で事業を開始でき、顧客も引き継ぐことができるメリットがあります。
そこで本記事では、エステサロンを売却する流れや買収案件の探し方について解説します。
記事だけでは解決できない不安や疑問は、経験豊富なアドバイザーがご相談を承っております。
目次
エステサロンM&A成立までの流れ
エステサロン売却成立の流れは一般的なM&Aの流れと変わりありません。M&Aの手順については以下の記事に詳しく書かれているので、是非参考にしてみてください。
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美容エステサロンの売却金額の相場
エステサロンの売却価格はサロンの規模/経営状態/市場動向/タイミング/買い手との相性(期待されるシナジーの大きさ)などにより大きく変化します。
その中でも平均すると大体数百万円から千数百万円程度の売却が多いです。
居抜き物件の一般的な相場は300〜600万円ですので、高額であるといえるでしょう。
高額になる理由としては、エステティシャン等の従業員をそのまま引き継ぐ点が大きいです。
一般的に、ノウハウや人材力、ブランド力などの収益につながりやすい点が高く評価されるほど、高額になります。
M&Aにおける売却金額の相場に関する基礎は以下の記事をご確認ください。
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美容エステサロンを高く売却する方法
強みを強調する
自社の強みを強調することは売却価格を上げる基本のキです。
M&Aは買い手と売り手の利益が合致して初めて成立します。そのため、買い手のメリットとなるポイントをアピールする必要があります。
特にエステサロンにおいて強みとなり得るのは「人材」と「サービス」です。
例えば人気エステティシャンがいると、経営統合後もすぐに利益を上げられる可能性が高いため、買い手からの印象は良くなります。
またサービスに関しては、例えばサロンの予約サイト等の口コミ評価が高いと、買い手からの印象は良くなります。
さらに、売り手のエステサロンが独自のサービスを提供している場合は、その点を強調すればより高い売却金額を提示できるでしょう。
エステサロンは設備投資が比較的少ない傾向があるため、売却額を左右するのは従業員やサービスの質となります。M&Aを行う際は、これらの点をしっかり検討してください。
リスクを軽減しておく
M&Aにおいて、売却額を下げる要因のひとつに「リスク」があります。
買い手は負債や訴訟など経営全体に影響を与えるものを避けたがる傾向があります。そのため、事業のリスクを減らすことも、売却額を上げるうえで非常に重要なポイントです。負債や訴訟はなるべく整理しておくことが理想です。
また、日々の業務にもリスクは潜んでいます。美容師の質やサービス内容、設備などにネガティブな要素があれば、売却額が引き下がり兼ねません。日々の業務に問題があるのならば、早急に対処することをおすすめします。
なお、経営者だけでリスクを減らすことは難しいと判断した場合は、経営コンサルティング会社やM&A仲介会社等をはじめとした専門家のアドバイスを仰ぐのも1つの手です。多くの会社を見てきた専門家だからこそわかることがあることが多いです。
M&Aでは、簿外債務が論点になることが多くあります。
簿外債務については、以下をご確認ください。
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資料やデータを用意しておく
実際に事業売却をするとなると、非常に多くの資料が必要になります。しかし、どのような資料が必要なのかを買い手に尋ねる行為は、信頼をなくしかねません。そのため、必要となる資料やデータは事前に把握し、漏れなく提示することが大切です。
希望売却額を買い手に提示する際は、その希望売却額となる根拠を示す資料やデータを提示する必要があります。
また、買い手の想定した売却額よりも希望売却額が高ければ、買い手はその根拠を知りたくなり、そこで提示できる根拠となるデータも必要となります。
希望売却額の根拠が薄く、売り手の加算が大きすぎれば、売却額を上げるどころか交渉の余地がないとみなされて交渉が決裂することも珍しくありません。
売却価格のより詳細な決定方法についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
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美容エステサロンの売却を成功に導くポイント3選
タイミングを考慮する
M&Aでは事業の収益性・将来性がとても重視されます。
言い換えれば、経営が傾いている状態で事業を売却するよりも、安定した収益を上げていいて、今後の成長も見込める状態の時に売却する方がより好条件で成約をすることができます。
また、外部環境との兼ね合いを見ることも大切です。
- 景気が良い
- 低金利で資金調達が容易
- 同業種への投資/M&Aが流行している
などのタイミングであれば、更に高額での成約が実現しやすいです。
事業の将来像にM&Aを組み込み、早い段階からM&Aによる売却を選択肢の1つとして検討しておくことが、適切なタイミングを逃さないためには必要となってくるでしょう。
M&Aや売却をどのタイミングで始めるべきかは非常に難しい問題だといえるでしょう。
M&Aのタイミングに関する詳細は、以下の記事をご確認ください。
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従業員の離職問題に向き合う
従業員の離職問題はM&Aとは切っても切り離せないものの1つです。
M&Aが行われると会社の労働環境は大きく変わるため、従業員の中には上手く適応ができずに離職してしまう方も中にはいます。
仮に売却が成功したとしても、多くの従業員が離職してしまってはM&Aの意義が薄れてしまいます。特にエステサロンはエステティシャンのスキルや人柄に依存する側面も大きいため、従業員の離職はできるだけ起こしたくないものです。仮に大量に指名を集めていたエステティシャンが離職するとなれば、事業の存続すら危ぶまれてしまいます。
このような事態を避けるために、M&Aを行う際にはそれと同時に従業員を説得する準備を進めることが多いです。
従業員に打ち明けるタイミングについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
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専門家やマッチングサイトを利用する
先にも述べたように、実際にM&Aを進めていくとなると、様々な資料を揃えていく必要があります。しかし、実際の交渉の場において、自社の強みを効果的に伝えるのは容易ではありません。
その点、これまで様々な案件を捌いてきたM&Aの専門家であれば、その業界における自社の強みやアピールポイントを客観的に評価してくれるでしょう。
また最近では、M&Aのマッチングサイトも多くなってきています。システムを介すことによって専門家に直接会わずとも適切なアドバイスなどを得られるサイトもあるようです。
弊社が運営するM&Aナビは、情報掲載から成約完了まで、オンラインならではの手軽さでスピーディーに利用できることが特徴です。
その他のマッチングサイトとの比較はこちらの記事を参考にしてみてください。
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マッチングサイトではなく、M&Aの専門家に相談したい方は以下の記事を参考にしてみてください。
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エステサロン売却の3つのメリット
原状回復工事代が不要
店舗を閉鎖して撤退する場合は、店内を原状回復して返すことが義務付けられているケースが多いです。その工事代は通常かなりの金額が必要となります。
また、造作譲渡の場合は、次の入居者に内装/設備/美容器具などを割安価格で譲渡するため、投資した代金はごく一部しか回収することができません。
しかしM&Aは、無形資産、いわゆる立地の良さや人材、運営ノウハウや顧客等を含めて売却価格で売買されるため、より高い金額を得られる可能性が高いです。
有力グループ店の傘下となれば大きな改善が見込める
エステサロンのM&Aでは有力グループの傘下になる例も珍しくありません。
有名かつ規模の大きいエステサロンのブランドや看板を利用できれば、集客力を飛躍的に高められます。店舗の状況によっては大きな効果が期待できる手段といえます。
スタッフ雇用の維持
廃業や居抜きでの売却を行うと、スタッフの雇用は維持できません。
しかしM&Aという選択肢ならば、エステサロンの場合基本的にスタッフの雇用関係はそのまま引き継がれます。
これまで貢献してくれたスタッフに、会社都合による失業をさせてしまうのは心が痛む者です。M&Aを行うことによって従業員の雇用を守りつつ売却することができるのです。
エステサロン業界のM&Aの特徴
エステサロン業界は、その特性上、M&Aの対象となることが多いです。その理由としては、業界の成熟度、市場の競争状況、事業規模などが挙げられます。
業界の特性とM&A
エステサロン業界は、一般的には高い利益率を持つ一方で、競争が激しく、顧客獲得のためのマーケティングコストが高いという特性を持っています。そのため、規模の拡大や経営効率の向上を図るために、M&Aを活用する企業が増えています。
また、エステサロン業界は、技術やサービスの多様性が求められるため、新たな技術やサービスを持つ企業をM&Aの対象とすることで、自社の競争力を高めることが可能です。
M&Aの主な動機と目的
エステサロン業界におけるM&Aの主な動機としては、以下のようなものがあります。
事業規模の拡大:市場競争が激しいエステサロン業界においては、規模の拡大は経営の安定化や競争力強化に繋がります。そのため、他社を買収し、店舗数や顧客基盤を増やすことで、事業規模を拡大することが一つの目的となります。
新たな技術やサービスの獲得:エステサロン業界は、新たな技術やサービスが次々と生まれる業界です。そのため、これらを獲得するためにM&Aを行う企業も多いです。
経営資源の最適化:エステサロン業界は、人材や物件などの経営資源が重要となる業界です。そのため、これらの最適化を図るためにM&Aを行う企業もあります。
エステサロン業界のM&Aの特徴
業界の特性とM&A
エステサロン業界は、その特性上、M&Aが活発に行われています。その理由としては、業界の成熟度、市場の競争環境、技術進化のスピードなどが挙げられます。特に、技術進化のスピードは、新たなサービスや施術方法を導入するための重要な要素となっています。
M&Aは、企業が成長を遂げるための一つの手段であり、エステサロン業界においてもその効果を発揮しています。M&Aにより、企業は新たな顧客層を獲得したり、新しい市場に進出したりすることが可能となります。また、他社の技術やノウハウを取り入れることで、自社のサービスを向上させることもできます。
M&Aの主な動機と目的
エステサロン業界におけるM&Aの主な動機と目的は、以下の3つに大別されます。
- 事業規模の拡大
- 新たな技術やサービスの獲得
- 経営資源の最適化
これらの動機と目的は、企業が競争力を保つために必要な要素であり、M&Aはそれらを達成するための有効な手段となっています。
以下の図は、エステサロン業界のM&Aの流れを示しています。
エステサロン業界のM&Aの最新動向
最近のM&A事例
エステサロン業界のM&A事例は、企業の成長戦略の一部として頻繁に見ら
られます。しかし、具体的な事例については、企業の機密性や情報公開の制限などから、詳細な情報が公になることは少ないです。そのため、具体的な事例を知るためには、各企業の公式発表やニュースリリース、業界専門の情報サイトなどを頻繁にチェックすることが重要です。
M&A市場のトレンド
エステサロン業界のM&A市場のトレンドとしては、以下のような動きが見られます。
大手企業による中小企業の買収:市場の競争が激化する中、大手企業が中小企業を買収し、自社の事業規模を拡大する動きが見られます。これにより、大手企業は新たな顧客層を獲得し、市場シェアを拡大することができます。
海外企業による日本企業の買収:海外のエステサロン業界は、日本と比べて成熟度が高いため、海外企業が日本のエステサロン企業を買収するケースも見られます。これにより、海外企業は日本市場への進出を果たし、日本企業は海外のノウハウを取り入れることができます。
テクノロジー企業との連携:最近では、AIやビッグデータなどのテクノロジーを活用したサービスが増えています。そのため、エステサロン企業がこれらのテクノロジー企業を買収し、新たなサービスを開発する動きも見られます。
エステサロンのM&A成功事例
エステサロン業界におけるM&Aの成功事例は、以下のようなものがあります。
国内の成功事例
国内のエステサロン業界におけるM&Aの成功事例としては、大手エステサロンチェーンが中小のエステサロンを買収し、そのブランド力や顧客基盤を活用して事業を拡大したケースがあります。また、新たな技術やサービスを持つスタートアップ企業を買収し、自社のサービスラインナップを強化したケースもあります。
海外の成功事例
海外のエステサロン業界におけるM&Aの成功事例としては、具体的な事例の公開は少ないものの、一般的には、海外の大手エステサロンチェーンが地域密着型の中小エステサロンを買収し、地域に根ざしたサービスを提供しながら事業を拡大したケースがあります。また、海外市場に進出を図る日本のエステサロン企業が現地のエステサロンを買収し、そのネットワークやブランド力を活用して成功を収めたケースも報告されています。
エステサロンのM&A・売却案件の探し方
エステサロンのM&Aや売却案件を探す方法は、主に以下の2つがあります。
M&Aマッチングサイトの活用
M&Aマッチングサイトは、売り手と買い手をつなげるオンラインのプラットフォームです。エステサロンのM&Aや売却案件を探す際には、このようなサイトを活用することが一つの方法となります。多くのM&Aマッチングサイトでは、業種や地域、売却価格などの条件で検索を行うことができます。また、一部のサイトでは、専門のコンサルタントがマッチングをサポートしてくれるサービスも提供されています。これにより、自社の条件に合ったM&Aや売却案件を効率的に探すことが可能となります。
M&Aナビでは、エステサロンのM&Aの案件を多く掲載しております。エステサロンの売却案件を一度確認してみてください。
M&A仲介業者の活用
M&A仲介業者は、M&Aのプロフェッショナルであり、売り手と買い手の間で交渉を行う役割を果たします。エステサロンのM&Aや売却案件を探す際には、このような仲介業者を活用することも一つの方法となります。仲介業者は、自社のニーズに合った案件を探すだけでなく、価格交渉や契約手続きなど、M&Aのプロセス全体をサポートしてくれます。また、仲介業者は多くの企業とネットワークを持っているため、公には出ていない非公開の案件を紹介してくれることもあります。
仲介会社を選ぶ際のポイントや注意点は以下の記事を参考にしてみてください。
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エステサロン業界のM&A・事業承継案件
エステサロン業界におけるM&Aや事業承継案件は、企業の成長や継続的な経営を実現するための重要な手段となっています。
事業承継の重要性
事業承継は、企業の持続的な成長と発展を実現するための重要なプロセスです。エステサロン業界においても、創業者や経営者が高齢化する中で、次世代のリーダーへの事業の引き継ぎが求められています。事業承継を成功させることで、企業はその価値を維持し、さらなる成長を遂げることが可能となります。
事業承継を成功させるためのポイント
事業承継を成功させるためのポイントは、以下のようなものがあります。
- 早期の準備
- 後継者の育成
- 事業承継計画の策定
- 外部の専門家の活用
それぞれ解説していきましょう。
1. 早期の準備
事業承継は、時間と労力を必要とするプロセスです。
早期の段階から準備を始めることが重要です。
2. 後継者の育成
事業を引き継ぐ者が、経営の知識とスキルを持っていることは必須です。
後継者の育成には時間と労力を投資することが必要です。
3. 事業承継計画の策定
事業承継は、ただ後継者に事業を引き継ぐだけではありません。
経営戦略やビジョン、組織体制など、多くの要素を含む複雑なプロセスです。
詳細な事業承継計画を策定し、それを実行することが重要です。
4. 外部の専門家の活用
事業承継は、税務や法務、人事など、多くの専門知識を必要とします。
外部の専門家を活用することで、スムーズな事業承継を実現することが可能となります。
エステサロンを売却するには? まとめ
昨今日本ではM&Aが活発になっており、それは美容業界も例外ではありません。
美容業界は今後さらに競争が激化すると見込まれており、同業者でM&Aを行うことによってさらなる拡大や競争力の強化を図る業者も増えてくることでしょう。
M&Aは早めに準備をしておくことが大切です。今すぐにする気がなかったとしても、早め早めに情報を集めておいて損はないと言えるでしょう。
M&Aナビは、売り手・買い手ともにM&Aにかかる手数料などを完全無料でご利用いただけます。買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いのも特徴です。ぜひご活用ください。
株式会社M&Aナビ 代表取締役社長。
大手ソフトウェアベンダー、M&Aナビの前身となるM&A仲介会社を経て2021年2月より現職。後継者不在による黒字廃業ゼロを目指し、全国の金融機関 を中心にM&A支援機関と提携しながら後継者不在問題の解決に取り組む。著書に『中小企業向け 会社を守る事業承継(アルク)』
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