コラム

M&Aを考え始める3つのタイミング

M&Aの準備

国内企業の3社に2社は、後継者がいないと言われています。

現在大きな社会問題となっている 「事業承継問題」。

多くの経営者が、将来的には解決しなければならない問題だと認識しているのではないでしょうか?

しかし、いつから検討を始めたらいいのかよくわからないという声をよく聞きます。

データを見ながら検証してみましょう。

事業承継に必要な期間

後継者の了承を得るまでに1年超は必要

2017年度版中小企業白書に、後継者の選定を始めてから了承を得るまでにかかった時間が公表されています。

後継者の選定を始めてから了承を得るまで、おおむね3年以内に後継者を決定している企業が過半数のようです。

しかし、1年以内に後継者の了承を得られている企業は全体の20%にしかすぎません。

3年以内に後継者の了承を得られている企業のうち、60%超の企業が後継者の了承を得るまでに1年超の期間を要しています。

そして、この数値はあくまでも、後継者の「了承」であり、経営の引継ぎはまだ行われていない点に注意が必要です。

後継者の了承を得たのちに、後継者を経営者に育て上げる育成期間、内部体制の整備が必要となることを考えると、実際に承継が完了するまでにはさらに多くの期間を要します。


(出典:「中小企業白書2017年版」中小企業庁)

後継者の育成に必要な期間は5年

2014年版の中小企業白書には、経営者が後継者育成に必要だと考える期間の調査結果が公表されています。

この調査結果によると、後継者の育成に5年以上は必要であると考えている経営者が60%も存在します。

言い換えると、後継者が十分な経営力を身につけるまでには、現経営者による5年以上のバックアップ期間が必要です。

後継者の育成期間

(出典:「中小企業白書2014年版」中小企業庁)

そして、後継者の選定から了承までに3年、その後継者候補の育成に5年超の期間が必要であるとすると、

「少なくとも現経営者の引退よりも8年前から事業承継の準備に取り掛かる必要がある」はずです。

早い段階での検討が必要

後継者の了承を得るまで、後継者が経営者として独り立ちするまでには短く見積もっても8年も必要。

そんな中、日本の中小企業経営者の平均年齢は66歳と高齢化が進んでいます。

66歳になってから事業承継の準備を始めていたのでは、承継完了時には、現経営者は75歳近くになってしまいます。

事業承継問題を検討するタイミングに早すぎることはありません。

早期に後継者の選定を始め経営の引継ぎに入ることが、円滑な事業承継のポイントです。

 

親族内承継及び従業員承継と第三者承継は同時並行で検討すべき

それでは、親族内承継や従業員承継ではなく第三者承継(M&A)の検討タイミングはいつになるのでしょうか。

M&A決断のタイミングの考え方のポイントは大きく3つです。

  1. タイミングが合えば…と考えていては手遅れ

タイミングが合えば~と言っていたのでは、そのタイミングが来ないかみしれません。

中小企業のM&Aは自分から譲渡の準備をしていなければ基本的には声はかかりません。

  1. 売りたくない時がM&Aを始めるベストタイミング

売りたくない時こそが検討のベストタイミングです。

毎期増収増益など、成長期にある企業は買い手にとっても当然魅力的です。

売上・利益等の業績が右肩下がりの企業を買収しようとする企業は多くありません。

売り手企業オーナーにとって時期尚早と思えるタイミングこそが売却のベストタイミングです。

  1. 自ら相手(売却先)を選べるときに探し始めるのがベストタイミング

相手(売却先)を選べるときに相手探しをするのが、良い条件で会社を売却するポイントです。

後継者不在企業に相続が発生した場合等は、買い手企業に経営を引継いでもらうことが最優先となり、条件交渉は二の次になります。

売り手企業が有利なタイミングで相手探しを開始することがM&Aの決断タイミングとしては良いことになります。

親族内承継や従業員承継の場合、後継者からの選定から了承を得るまでに3年を要します。

当然、3年経過後に後継者が事業を引継がないと回答する可能性もあるわけです。

この間に、会社を取り巻く事業環境は大きく変化します。

景気が更に良くなることもあれば、予想以上に景気が悪くなることもあるでしょう。

親族・従業員承継の選択肢がなくなったからM&Aを検討する、という心構えでは、良いお相手に出会える時間・タイミングを逃していることになります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

親族や社内従業員に対する事業承継には、創造以上に長い時間がかかります。

また、もし承継が上手くいかなかった時、M&Aを考え始めるのでは手遅れになってしまうかもしれません。

『M&Aを少しでも視野に入れている』

『視野に入れてはいないが、身内での事業承継に不安を感じる』

という皆さま。

幅広く、良い条件・良いお相手を見つけるためには、少しでも早くからM&Aについて検討することをお勧めします。

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