中小企業のM&Aの現状:2020年も国内M&Aが増加傾向に
連日ニュースで報道される大企業による大型買収のニュース。
M&Aという言葉は広く認知されているようですが、実は中小企業にとってもM&Aは身近なものになりつつあります。
中小企業庁の発表によると、2017年の日本企業によるM&Aの成立件数は3,050件と、過去最多を更新しました。
2012年以降6年連続で増加しており、今後もこの傾向は続くと言われています。

(出典:「中小企業白書2018年版」中小企業庁)
M&Aが増加している3つの理由
(1)経営者の高齢化

(出典:「中小企業白書2018年版」中小企業庁)
一つ目の理由は、経営者が高齢になったことです。
この20年で、経営者のボリュームゾーンは約20歳高齢化しました。
当然ある程度の年齢になってくると次の世代に会社を承継する必要が出てきます。
その結果として、M&Aの件数も増加している形になっています。
(2)経営者の後継者不足
次に挙げられる理由としては、後継者がいないことです。
経営者の多くは、できれば子供を始めとした近い存在の人間に会社を継がせたいと思っています。
しかしながら、“子供がいない”“子供が大企業に勤めており継がない”などの理由で、思ったように承継できないケースが増えています。
ある調査では、全国で3社に2社(66.5%)は後継者がいないという結果も出ており、経営者にとっては深刻な問題です。
そして、後継者がいない場合の選択肢として、M&Aによる第三者承継を取る経営者が増えているのです。

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(3)労働人口の減少
さらに、日本における人口減少も大きな理由の1つです。
2005年に1億2729万人だった日本の人口は減少を続けており、2060年には8647万人まで減ると言われています。
それに伴い労働人口の現象も著しく、どの企業も人材不足に頭を抱えています。
また、テクノロジーの進化やグローバル化やインバウンドの影響など、これまでとは違ったスキルや知見を持った人が必要になってきました。
そのため、多様な人材を確保する手段としてもM&Aが活用されてきました。
M&Aは事業承継における有力な選択肢
以上のとおり、中小企業のM&Aは一般化してきています。
経営者が引退した後も自分の会社を存続させるために、M&Aは有力な選択肢になりました。
これまで、M&Aで会社を譲渡することは「身売り」と言われ敬遠されてきました。
ところが、このようにM&Aが増加し一般化したことで、譲渡企業側の経営者の精神的な拒絶感は無くなりつつあります。
当然、良い会社を譲り受ければ買収側のメリットも大きいですし、M&Aによってさらに会社の事業が成長すれば、既存の従業員にとってもプラスになるはずです。
事業承継を考えている経営者の方は、この機会に経営戦略の1つとしてM&Aを検討してみてはいかがでしょうか。
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