会社はいくらで買える?業種別の価格相場を実データ425件で解説

2026年08月19日

会社はいくらで買えるのかを業種別の希望譲渡価格データ425件で解説するコラム記事のアイキャッチ

「会社を買うにはいくら必要か」。M&Aナビの成約案件425件の実データでは、売り手の希望譲渡価格の中央値は600万円、半数近くは500万円以下です。会社の買収は、思われているよりずっと小さい金額から始まっています。

業種によって価格の付き方は大きく違います。実データの分布から、予算帯ごとに何が買えるのかまでを読み解きます。

▶ いま売りに出ているM&A案件一覧は登録なしで閲覧できます。価格・業種で絞り込めます。

会社はいくらで買えるのか|半数の案件は500万円以下で買える

M&Aナビで成約した案件のうち、希望譲渡価格が登録されていた425件の分布です(2026年8月時点の集計)。

希望譲渡価格帯 件数 構成比
500万円以下 203件 48%
500万円超〜1,000万円 84件 20%
1,000万円超〜3,000万円 73件 17%
3,000万円超〜1億円 43件 10%
1億円超 22件 5%

中央値は600万円。4分の1は240万円以下、4分の3は1,800万円以下に収まります。1億円を超える案件は全体の5%にすぎません。

「会社を買う」ことの入口は数百万円台にあります。個人の自己資金や、法人の年間予算の範囲で検討できる案件が、実際の市場の過半を占めています。

このデータの読み方(3つの前提)

  • 金額は売り手の希望譲渡価格です。実際の取引価格は交渉で変わり、希望価格より下がるケースも上がるケースもあります
  • オンラインのマッチングプラットフォームの成約データのため、小規模案件に偏っています。仲介会社が扱う数億円規模の案件は、この分布にはほとんど含まれません
  • 業種構成はIT・ソフトウェアが38%と最多です。店舗やWebサービスなど、事業単位で譲渡しやすい業種が多く登録される傾向があります

業種別の希望譲渡価格相場を実データで見る

同じ425件を業種別に集計しました(件数の多い12業種を抜粋。「その他」等の分類は除きます)。

業種 件数 中央値 25%タイル 75%タイル
IT・ソフトウェア 163件 390万円 199万円 1,000万円
卸売業・小売業 54件 850万円 300万円 2,275万円
飲食業 46件 725万円 375万円 2,050万円
各種サービス業 40件 850万円 252万円 3,125万円
エステ・美容・マッサージ 26件 450万円 188万円 925万円
製造・加工業 18件 2,250万円 725万円 1億2,000万円
ホテル・宿泊 13件 4,500万円 340万円 1億5,000万円
医療・介護・福祉関連 10件 1,350万円 562万円 6,500万円
アパレル 8件 475万円 52万円 900万円
教育(学習塾等)・語学 6件 1,650万円 338万円 4,750万円
運送・物流・倉庫業 6件 1,250万円 500万円 1億6,000万円
住宅・不動産・リース業 6件 385万円 198万円 1,350万円

表の見方として重要なのは、中央値と75%タイルの開きです。たとえば製造・加工業は中央値2,250万円に対して75%タイルが1億2,000万円。同じ業種でも、設備や不動産の有無で価格は一桁変わります。

業種によって価格が変わるのはなぜか

IT・Webサービスは390万円と最も低め

意外に思われるかもしれませんが、IT・ソフトウェアの中央値は390万円と全業種で最低水準です。理由は譲渡の単位にあります。運営中のWebサイト・EC・アプリなど「事業」を切り出して売買するケースが多く、設備も店舗も不要なため、価格は収益力にほぼ連動します。月数万円の利益のサイトなら数百万円、という値付けです。

店舗系(飲食・エステ・アパレル)は450万〜725万円が中心

店舗ビジネスは内装・設備(造作)と営業権が価格の中心です。1店舗単位の譲渡なら数百万円台が相場で、居抜き物件の取得と比べても現実的な選択肢になっています。立地と常連客の質で同じ業態でも価格が数倍変わります。

設備・不動産型(製造・ホテル・物流)は数千万円から

工場・宿泊施設・車両や倉庫を持つ業種は、実物資産の価値が価格の下限を支えます。中央値は2,250万円(製造)から4,500万円(ホテル)と高めで、上位は億単位に達します。そのぶん金融機関の融資が組みやすい(担保になる資産がある)という特徴もあります。

許認可・人材型(医療介護・教育)は1,350万〜1,650万円

介護事業所の指定や学習塾の生徒基盤など、新規参入に時間がかかる資産を引き継げる業種です。設備は少なくても、許認可と人材・顧客基盤の価値が価格に乗ります。

価格はどう決まるのか

目安は「時価純資産+営業利益の2〜5年分」

中小企業のM&Aで広く使われる価格の目安が年買法(年倍法)です。時価で評価し直した純資産に、営業利益の2〜5年分を「のれん」として上乗せします。希望譲渡価格もこの水準感を参考に付けられることが多く、大きく外れた値付けの案件は交渉段階で調整されていきます。

希望価格は「交渉の出発点」

掲載されている希望譲渡価格は確定価格ではありません。デューデリジェンス(買収監査)で見つかった問題を反映して下がることもあれば、複数の買い手が競合して上がることもあります。希望価格を「この金額を用意すれば買える」ではなく「この価格帯から交渉が始まる」と読むのが実務的です。

企業価値評価の具体的な手法はこちらの記事で解説しています。

M&Aの売却価格算定方法~3つの手法をわかりや...

「会社を売りたい!」「会社を買いたい!」と思った場合、「対象となる事業はいくらの価値がつくのか?」という疑問が浮かびます。 「〇億円で売りたい!」という希望があったとしても、価格の算定方法が論理的に説明できなければ買い手…

予算帯によって、狙える会社は変わる

予算500万円以下なら、個人でも市場の半分が視野に入る

市場の約半分がこの価格帯です。Webサービス・小規模EC・1店舗の飲食やサロンが中心で、個人の買い手が最も多く参入しています。ただし価格が低い案件には低い理由があります。収益がまだ小さい、特定の人に依存している、といった背景を確認したうえで判断してください。

予算500万〜3,000万円なら、利益の出ている事業が視野に入る

安定した利益を生む店舗・サービス業・小規模な卸売がこの帯に入ります。法人の新規事業参入や、個人でも融資を組み合わせた買収の対象になります。この価格帯から、従業員ごと引き継ぐ「会社」の譲渡が増えてきます。

予算3,000万円超なら、設備・許認可・チームを丸ごと引き継げる

製造業・物流・ホテル・医療介護など、資産と組織を持つ会社が対象です。自己資金だけでなく金融機関融資を前提とした買収設計になり、デューデリジェンスも本格的なものが必要になります。

>>実際のM&A案件を価格・業種で絞り込んでみる

よくある質問

会社はいくらで買えますか?

M&Aナビの成約425件の実データでは、希望譲渡価格の中央値は600万円で、48%は500万円以下です。数百万円台の小規模案件から億単位の会社まで幅がありますが、市場の中心は個人でも手が届く価格帯にあります。

300万円で買える会社はありますか?

あります。実データでは4分の1が240万円以下で売りに出ています。中心はWebサービスや小規模店舗などの事業譲渡です。ただし価格が低い案件には収益規模や属人性などの理由があるため、安さだけで選ばず内容の確認が必要です。

希望譲渡価格と実際の取引価格は違いますか?

違うことがあります。希望譲渡価格は売り手が提示する交渉の出発点で、デューデリジェンスの結果や買い手間の競合状況によって、最終的な取引価格は上下します。

個人が買いやすい業種はどれですか?

価格面ではIT・Webサービス(中央値390万円)、エステ・美容(450万円)、アパレル(475万円)が低めです。ただし買いやすさは価格だけでなく、自分の経験が活きる業種かどうかで決まります。未経験業種の小規模案件より、経験のある業種のほうが引き継ぎの成功率は上がります。

まとめ

会社の買収価格は、実データで見ると中央値600万円、半数は500万円以下から始まります。業種によって価格の付き方は大きく異なり、IT・店舗系は数百万円台、設備・許認可型は数千万円からが目安です。

相場観をつかむ一番の近道は、実際に売りに出ている案件を見ることです。予算帯と業種で絞り込んで、いまの市場を確かめてください。

>>M&A案件一覧をみてみる

M&Aナビは、売り手・買い手ともにM&Aにかかる手数料などを完全無料でご利用いただけます。買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いのも特徴です。

関連する記事はこちら

関連記事

新着買収案件の情報を受けとる

M&Aナビによる厳選された買収案件をいち早くお届けいたします。