【会社を売りたい】会社売却のメリットや流れ、成功のポイントを解説

2024年03月08日

uritai

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会社を売りたい!だけどどうしたらいいかわからない、という方は多いと思います。

この記事では、会社を売ることによるメリットや会社を売る流れ、成功のポイントについて解説をしていきます。

日本の会社売却の現状

日本の会社売却市場は、近年、顕著な変化を見せています。
特に中小企業の領域で後継者不在が深刻化しており、この問題を解決する手段として会社売却が選択されるケースが増えています。

家族経営の企業が多い日本では、世代交代の際に適切な後継者を見つけられないことが多く、事業の継続や従業員の雇用保持のために売却が検討されます。

後継者不在による会社売却が増加

経済産業省の調査によると、多くの中小企業が後継者問題に直面しており、それが会社売却の主要な動機の一つとなっています。

後継者がいない、あるいは後継者が経営を引き継ぐことに興味を示さないケースが増えているため、売却が現実的な選択肢として浮上しています。

成長戦略型の会社売却の増加傾向

また、事業の成長や拡大を目指して、積極的に会社売却を選択する企業も増えています。
特に技術獲得や市場拡大、さらには新たなビジネスモデルへの転換を目指して、他社との合併や買収が進められています。

これにより、企業は競争優位性を高め、より大きな成長を実現しようとしています。

今後も増加の見通し

日本の社会構造の変化、特に人口減少と高齢化の進行により、後継者不在の問題はさらに深刻化すると考えられます。
これに伴い、会社売却は今後も増加傾向にあると予想されます。

また、グローバル市場での競争が激化する中、国内外の企業が戦略的なM&Aによりシナジーを追求する動きも活発化しています。

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会社を売りたい際の手続き・流れ

会社を売却する決断は、多くの場合経営上の重要な転機を意味します。このプロセスは複雑であり、事前の準備から契約締結、そして統合の各段階を慎重に進める必要があります。

売却プロセスを理解し、適切に対応することで、望む結果を得ることができます。

① 準備段階

準備段階は、具体的なM&Aの手続きを開始する前のプロセスです。
特に重要な項目について解説します。

目的の明確化

売却の目的を明確にすることは、すべての準備の基礎となります。
事業の継承、資金調達、または新たな事業機会への移行など、売却の背景には様々な理由があります。

この目的が、売却戦略や価格設定の基準となります。

計画の策定

詳細な売却計画を立て、売却プロセス全体のロードマップを作成します。
計画には、タイムライン、必要な文書や情報のリスト、関与する専門家の選定などが含まれます。

支援専門家への相談

売却プロセスは複雑であり、税務、法務、財務など様々な専門知識が必要とされます。
M&Aアドバイザー、税理士、弁護士など、適切な専門家との協力体制を構築します。

初期マッチング

潜在的な買い手のリストアップと初期コンタクトの実施を行います。
この段階では、非公開情報の保護を含め、機密保持契約(NDA)の締結が重要です。

② 交渉段階

準備段階が完了したら、次に交渉段階に進みます。
交渉段階では、具体的な買い手候補企業とのディスカッションを通して、M&Aに関する交渉を行っていきます。

交渉段階での重要な項目について解説します。

初期交渉

買い手候補との間で初期の条件交渉を行います。
この段階での議論は、売却価格や取引条件の大枠を決定するためのものです。

トップ面談

双方の経営層が直接会うことで、事業の将来ビジョンや経営方針についての共有、理解を深めます。
この面談は、信頼関係の構築にも寄与します。

Q&Aの実施

買い手からの質問に対する回答セッションを設け、事業の詳細な情報提供を行います。
透明性の高い情報開示が、取引の進展には不可欠です。

基本合意

初期交渉を経て、双方が合意に達した場合、基本合意書(LOI)にサインします。
これにより、買い手は詳細なデューデリジェンスに移行する権利を得ます。

③ 契約段階

交渉段階を経た後は、契約段階に進みます。
契約段階では、交渉段階で論点に上がった内容を踏まえて最終譲渡契約書の締結まで進みます。

契約段階での重要な項目について解説します。

デューデリジェンス

買い手による詳細な調査が実施されます。
この段階では、財務、法務、事業の実態など、会社に関するあらゆる情報が精査されます。

最終交渉

デューデリジェンスの結果を踏まえ、最終的な売却条件についての交渉が行われます。
この過程で、価格調整や契約条件の最終確定が行われます。

契約の締結

全ての条件が合意に達した後、売買契約書にサインし、法的に売却が成立します。
この契約には、売却後の責任分担や保証条件なども含まれます。

④ 統合段階

統合段階では、締結した契約内容をもとに経営権の移行やPMIの実施を行います。
統合段階での重要な項目について解説をします。

クロージング

契約締結後、実際に資産や株式の移転を行い、取引を完了します。
この段階で、必要に応じて経営統合の計画が始まります。

PMI

事業の統合(PMI)プロセスが開始され、買収した事業を買い手の組織に組み込む作業が進められます。
このプロセスは、事業のスムーズな移行と、シナジー効果の最大化を目指します。

適切な準備と専門家の支援を得ることで、会社売却のプロセスを効率的に、かつ成功裏に進めることができます。
事前の準備と正確なプロセス管理が、売却成功の鍵となります。

会社を売る5つのメリット

会社を売却することは、多くの場合、戦略的な決断です。
ここでは、そのような決断をする際に得られる主なメリットを5つ挙げて解説します。

事業承継問題が解決できる

多くの企業で後継者問題は大きな課題です。
会社を売却することで、この問題を効果的に解決し、事業の継続性を保証することができます。

個人保証を解除できる

中小企業の経営者の場合、しばしば個人保証が経営リスクとなっています。
売却により、これらの個人保証から解放され、経営者個人の財務リスクを軽減できます。

創業者利益の確保ができる

会社を売却することで、創業者や株主は一時的な大きな利益を得ることができます。
これにより、新たな事業への投資や、個人的な資産形成に役立てることが可能です。

従業員の雇用継続が可能

売却先が事業の継続を望む場合、従業員の雇用を保護することができます。
これは、社会的責任を果たすとともに、従業員からの信頼を維持する上で重要です。

企業のさらなる成長を実現できる

戦略的な売却により、より大きな企業グループの一部となることで、新しいリソースや市場へのアクセスが可能になります。
これにより、企業の成長と発展を加速させることができます。

これらのメリットは、会社売却を検討する際の重要な考慮点です。
適切な計画と準備を行うことで、これらのメリットを最大限に活用することが可能です。

会社を売る3つのデメリット

会社を売却する際には、多くのメリットが存在する一方で、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。
ここでは、会社を売ることの3つの主なデメリットについて解説します。

多大な時間と労力がかかる

会社を売却するプロセスは、準備から実際の売却、そして統合まで、非常に時間と労力を要します。
デューデリジェンス(買い手による詳細な調査)、交渉、契約書の作成など、細部にわたる作業が必要となり、経営者や関係者の日常業務に大きな負担をかけることがあります。

競業避止義務を負う

売却契約の一環として、経営者やオーナーはしばしば競業避止義務に同意する必要があります。
これは、売却後に特定の期間、同業他社への参加や新たな事業の立ち上げを制限されることを意味します。

これにより、経営者の将来のビジネス活動に影響を及ぼす可能性があります。

ブランドイメージが毀損するリスクがある

会社売却のニュースが公になると、顧客や取引先、従業員に不安を与え、企業のブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、買収先の企業文化や経営方針が大きく異なる場合、社内外のステークホルダーからの反発や信頼の低下を招くことも考えられます。

これらのデメリットを理解し、対策を講じることは、会社を売却する際のリスクを最小限に抑え、より良い結果を得るために不可欠です。
売却プロセスを進めるにあたっては、専門家のアドバイスを積極的に求めると共に、関係者とのコミュニケーションを密に取ることが重要です。

会社を高く売るコツ・成功のポイント

会社を売却する際、最高の価格を得ることは多くの経営者の目標です。
成功への道のりは複雑であり、戦略的なアプローチが必要です。ここでは、会社を高く売るためのコツと成功のポイントを詳しく解説します。

高く売るコツ

まずは会社を高く売るコツについて解説をしていきます。
実践的な内容を挙げて解説するので、会社を高く売りたい経営者の方は必見です。

財務状況を健全に保つ

会社を売却する前に、財務状況を整理・改善することが重要です。
売却対象となる会社の財務健全性は、買い手にとって最も関心の高いポイントの一つです。

債務を減少させ、収益性を高めることで、より魅力的な売却対象となります。

高く評価してくれる会社に売る

潜在的な買い手の中から、自社のビジネスモデルや技術、顧客基盤を特に高く評価してくれる企業を見つけ出すことが重要です。
買い手が自社に対して持つシナジー効果の期待値が高ければ高いほど、より高い評価額での売却が可能になります。

業務の仕組化を進める

業務プロセスの効率化や仕組化を進めることで、会社の価値を高めることができます。
将来の買い手がスムーズに事業を引き継げるよう、システム化やマニュアル化を行うことで、事業の持続可能性をアピールできます。

成功のポイント

次に、会社の売却を成功させるためのポイントを解説します。
一般的には、M&Aの成約率は25%ほどといわれているため、ポイントを押さえて会社の売却を成功できるようにしましょう。

早めはやめの準備を行う

売却プロセスは、想定以上に時間を要することが多いです。
早期から準備を始めることで、財務状況の改善や必要な法的手続き、市場での適切なタイミングなど、様々な要素をじっくりと検討する時間を確保できます。

ネガティブな情報を隠さない

会社の売却過程において、ネガティブな情報は適切に開示することが重要です。
隠された問題が後から発覚すると、取引が破談になるリスクや信頼性の低下を招くことがあります。

透明性を持って正直に情報を共有することで、信頼関係を築き、スムーズな取引を促進します。

M&A仲介会社を活用する

M&A仲介会社を活用することで、売却プロセスの専門的なサポートを受けることができます。
仲介会社は、適切な買い手の探索から交渉、契約締結までのプロセスをサポートし、売却の成功率を高めることができます。

会社を高く売るためには、上記のコツと成功のポイントを押さえ、適切な準備と戦略的なアプローチが必要です。
市場の状況を正確に把握し、専門家のアドバイスを積極的に取り入れながら、最適な売却戦略を立案することが求められます。

会社を売りたい時のおすすめの相談先

会社を売却する際、様々な複雑な課題に直面します。
専門的な知識や経験が必要とされるため、適切な相談先を見つけることが成功の鍵となります。

ここでは、会社を売りたい時におすすめの相談先を紹介します。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、売却プロセスの専門家です。
市場分析、適切な買い手の探索、価格交渉、契約締結まで、売却に関わる全プロセスをサポートしてくれます。

豊富な実績とネットワークを持つ仲介会社を選ぶことで、効率的かつ高い価格での売却が期待できます。

金融機関

自社の取引のある金融機関も、会社売却に関する貴重なアドバイスを提供してくれる可能性があります。
特に、企業向けの融資や資金管理を担当する部署は、企業財務に関する深い知識を有しており、資金流動性や財務構造の最適化について助言を得られるでしょう。

顧問の税理士

会社を売却すると、複雑な税務問題に直面することがあります。
顧問の税理士は、税務面での最適な対策をアドバイスし、売却益にかかる税金の計算や節税対策をサポートします。

適切な税務計画は、売却後の手取り額を最大化する上で不可欠です。

商工団体

地元の商工会議所や業界団体は、事業売却に関する情報提供やアドバイスを行っています。
これらの団体は、業界の動向や市場の需要を理解しており、同業他社や関連業界への売却に関する洞察を提供することができます。

公的機関

国や地方自治体が運営する中小企業支援機関では、M&Aに関する相談サービスを提供していることがあります。
これらの公的機関は、中小企業の事業承継やM&Aを支援するための各種制度や補助金の情報を提供し、事業売却のプロセスをサポートします。

会社を売却する際には、これらの相談先を活用することで、より良い条件での売却が期待できます。
それぞれの相談先が持つ専門性やリソースを最大限に利用し、事前の準備と適切なアドバイスを得ることが成功への道となります。

会社売りたい場合のまとめ

ここまでで、会社を売りたい場合の流れやメリットについて解説をしてきました。
日本では後継者不在問題の一つの選択肢としてM&Aが注目されており、会社の売却の件数が年々増加傾向にあります。

一方で、会社の売却には大きな負担が伴うため適切な手続きには専門家の支援を受けることが重要だといえます。
M&Aナビは、買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いことが特徴です。ぜひご活用ください。

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