福岡県における事業承継・M&Aの特徴を解説|会社売却事例も含めてご紹介します

2022年03月20日

福岡県は全国でもトップクラスの人口増加数を誇る政令指定都市の福岡市をはじめとして九州産業の中心といえる地域です。
伝統的にアジア諸国との交流も深く、年間300万人以上の外国人が毎年福岡を訪れています。

豊富な資源に恵まれ、農業や水産業などの一次産業から観光・サービス業まで、比較的バランスのとれた産業構造になっています。
また、近年では再生エネルギーやバイオベンチャーなどの分野の企業が増えており、数多くの研究・製造拠点が形成されています。

今回は、そんな福岡県における事業承継やM&Aの特徴を、実際の会社売却事例も含めてご紹介いたします。

福岡における中小企業M&Aの特徴

中小企業経営者の高齢化は深刻です。帝国データバンクが2019年に発表した「全国社長年齢分析」によると、福岡県の社長の平均年齢は59.1歳となっており、20年前と比べて5.6歳も高くなっています。
つまり、代替わりや事業承継ができないまま社長の年齢がどんどん高くなってしまっているのです。
一般的に元気に仕事ができる年齢は70歳前後と言われており、今後10年以内に大量の企業において後継者不足問題が顕著に現れることは間違いありません。

後継者不足問題を解決するために最も有効な手段は、ずばりM&Aによって会社ごと新たなオーナーに引き継いでもらうこと。
よって、福岡県においてはどんどんM&Aが加速していくでしょう。

福岡県にある中小企業の現状

福岡県には約135,000社の企業があり、99.8%が中小企業です。
さらにそのうち83.4%は小規模企業にあたり、そこで働く従業員数は39万人と県内従業者数の23.9%を占めています。

1995年から2000年ごろまでは、50歳~54歳の経営者の割合が多かったのですが、2015年には65歳~69歳の割合が最も高くなっており、そのうちの5割が後継者が不在です。
経営者の高齢化がこのまま進むと、経営者の引退によって多数の中小企業が廃業となる可能性があり、合わせて従業員の雇用が失われるリスクを抱えています。

全国的に労働人口が足りないと言われていますが、福岡県においては若者が進学や就職で県外に出ていくケースが多く、人手不足によって成長できない会社も増えています。

福岡におけるM&Aに対する意識の変化

帝国データバンク福岡支店が2019年に調査した「M&Aに対する九州企業の意識調査」によると、「今後5年以内に買手もしくは売手としてM&Aに関わる可能性がある」と答えた福岡県内の企業は40.4%となりました。
福岡の企業に限るとは、4割強がM&Aに関わる可能性があると回答しています。

業界別で見ると、不動産や小売、サービス業の経営者が特に高い割合でM&Aを検討している結果となりました。

以前は、乗っ取りという印象の強かったM&Aも、いまは「企業を存続させていくための有効な手段」として認知されるようんなりました。
そのため、経営者の中にもM&Aを前向きに検討している人たちも増えています。

アジア展開の足がかりとしての福岡拠点

福岡県は特に東アジアとの距離が近く、往来するための港や空港も充実しています。
さらに留学生も多く受け入れているため、福岡で就職して育成したのちに、母国の現地法人で仕事を任せるといったことも可能です。

国内市場の縮小が叫ばれる中、成長を続けるアジア諸国へ展開しようと考えている日本企業は少なくありません。
福岡県の企業はとても魅力的であり、九州圏内のみならず全国の企業が積極的に買収や提携を検討しています。

特に、豊富な資源を生かした一次産業やサービス業、エネルギー産業やバイオ産業の企業は、全国の優良企業とマッチングできる可能性が高い傾向にあります。

 

福岡で実際に行われたM&A

福岡で実際に行われたM&Aをご紹介します。

<事例1>第一交通産業によるタクシー事業の取得

福岡県北九州市に本社を置く第一交通産業株式会社は、2019年8月、同じく北九州市でタクシー事業を経営する戸畑タクシーのタクシー事業を買収しました。
戸畑タクシーは26台のタクシーを保有しており、第一交通産業はこれにより、北九州市内で634台のタクシーを保有することになりました。

第一交通産業は、これまで他県でもタクシー事業のM&Aを行っており、なんとこれまで45件もの買収をおこなっています。
タクシー業界は、ドライバーの平均年齢が57歳を超えており、高齢化が進んでいます。そのため、若手の人材確保が急務ですが、中小企業は採用コストをかけられないため、人材不足が目立っています。
一方で、設備投資や人材採用にコストがかけられる大手企業は、高いシナジー効果も考慮して、中小企業とのM&Aを進めています。
第一交通産業は、特に、従業員の雇用継続を大切にしており、小規模事業者のタクシー会社とのM&Aを積極的に行うことで、経営基盤をより安定したものにしています。

このように規模の経済が働きやすい産業は、M&Aが活発におこなわれる傾向にあります。

<事例2>ゲオホールディングスによる、おお蔵の子会社化

2019年、東証一部上場の株式会社ゲオホールディングス(愛知県名古屋市)は、高級時計やブランドバッグなどのリユース事業を行うおお蔵(福岡県福岡市)を完全子会社化しました。
ゲオホールディングスは、ビデオやコミックなどのレンタル事業と、「セカンドストリート」のブランドで衣料や雑貨などのリユース事業も行っており、特にリユース事業では国内でもトップシェアを誇る大企業です。

一方でおお蔵は、これまで高級時計やブランドバッグのリユース事業やオークション市場の運営を手がけており、高級ブランドのリユース品の調達や販路に強く、増収増益を続けてきました。

ゲオホールディングスが優位性を持てていなかった高級ブランド品の分野を、おお蔵の買収によって強化することで、より総合力のあるリユース事業の展開を計ろうとしています。

このように、同業他社のM&Aはシナジー効果が出しやすく、M&Aの中でもポピュラーな組み合わせです。

<事例3>「博多一風堂」運営会社による因幡うどんの事業承継

2016年5月、福岡県のラーメン店「博多一風堂」などを経営する株式会社力の源ホールディングスは、同じく福岡県の有限会社因幡うどんの事業を承継しました。

因幡うどんは、60年以上続いている老舗うどん店で根強い人気を誇っていました。
しかし、後継者不在の状況が続き、さらなる事業拡大を託すことができる承継先を探すためにM&Aを検討していました。
一方で、力の源ホールディングスは、主力のラーメン事業に加えて新業態の開発に取り組んでいるところでした。
その両者が出会い交渉を重ねた結果、うどん店「因幡うどん」の事業を承継することになりました。

因幡うどんの代表取締役は、技術顧問として継続して運営に関わることになり、因幡うどんのノウハウを持つ従業員も全員継続して雇用されました。
このような形で、伝統的なブランドを残しつつ、大手企業の傘下に入ることでさらなる事業発展を狙うこともM&Aのメリットです。

まとめ

福岡のM&A・事業承継について会社売却事例もまじえてご紹介してきました。

今後さらに企業を発展させていくためのM&A、後継者不足問題を解決させるためのM&A、ともに件数は増えていくでしょう。

また事業承継を検討している経営者の方は、ぜひM&Aナビをご活用ください。

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