島根県のM&A・事業承継を解説。会社売却事例3選も含めてご紹介

2024年03月15日

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島根県は17世紀に築城された松江城や堀沿いの塩見縄手にある江戸時代の街並みをはじめ、日本最古級の神社でもある出雲大社が鎮座するなど歴史的にも魅力が詰まったエリアです。
他の地域と比較して鉄道業やサービス業に従事する人が多い傾向にありますが、全国的には人口が少ない県にあたります。
こうした背景から、近隣の広島県や岡山県等へと人が流出する傾向にあり、少子高齢化に伴う事業承継問題は無視できないほど大きな課題となっています。

こうした悩みを解決する方法の1つが、M&Aです。
この記事では、後継者不足問題解決の1つの手段として注目されているM&Aについて、島根県の産業の特徴と合わせて紹介をしていきます。

島根県の産業の特徴

まずは島根県の産業の特徴を簡単に紹介します。
出荷額ベースだと情報通信機械や鉄鋼業、電子部品・デバイスといったものが上位を占めており、品目別出荷額で見ると、溶解パルプと工具鋼、落綿糸を含む純綿糸が日本一となっています。
市町村別では、出雲市が県内の事業所数の約2割を、従業者数でも約2割を占めており、中心となっていることがわかります。
出荷額でみると斐川町が約1/4を占めており、こちらも大きな役割を担っていることがわかります。

島根県の産業別就業者数はサービス業が増加傾向

次に県内の就業者数について見てみましょう。
就業者数は年々減少傾向にあり、2005年の国勢調査では戦後初めて就業者数が40万人を下回ったことが明らかになりました。

しかし、業種別の就業者数で見るとサービス業が1/3以上の高い水準を示していて、これは全国の平均よりも高い数字です。
他にも卸小売や飲食業、製造業や建設業が高い数字となっていますが、サービス業の比率の増加は顕著であり、島根県の1つの特徴として言えるでしょう。

島根県の事務所数は卸売・小売業の比率が高い

産業大分類別構成比は、卸売・小売業が最も大きい約3割を記録しており、これは全国平均よりも高い値です。
卸売・小売業続いてはサービス業、建設業、飲食店、宿泊業が並んでおり、どれも10%を超えています。
しかしこちらの値は日本の平均値には及ばず、その構成比は比較的小さいと言うことができます。

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島根県のM&Aの特徴

では、島根県におけるM&Aの特徴とはどのようなものがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

島根県では後継者不足が続く

帝国データバンクの調べによると2021年度の後継者不在率は72.4%となっており、日本全国47都道府県中3番目というかなり上位に入っています。
後継者がいない企業の確率が70%を超えていることからも、島根県の後継者不足問題は大きな問題として捉えておくべきです。

島根県以外からのM&A成立が目立つ

内閣府・経済社会総合研究所「地方M&A動向」によると、島根県で2018年に成立したM&Aのトータル件数は9件あり、そのうち5件が他府県からの買収であることがわかります。
これは他府県から見ると、島根県企業は魅力的であったと言い換えることもできるでしょう。

東京都などの大都市での成約件数と比較すると、島根県内の9件は少なく感じますが、これは魅力的な企業がまだ残っている可能性が高いと捉えることもできます。
実際に島根では、バンダイナムコをはじめとした大企業からのM&Aが成約しています。
このことからも、島根県の企業の魅力を発掘して動きをかけてみるのもひとつの有効な方法ではないでしょうか。

島根県で実際におこなわれたM&A事例

島根県で実際に行われたM&Aの事例をご紹介します。

事例1.バンダイナムコがプロバスケットボールチームをM&Aで買収

バンダイナムコエンターテインメントは2019年、島根県にて活動している「島根スサノオマジック」という男子プロバスケットボールチームの経営権を取得しました。
具体的には、島根スサノオマジックを運営する松江市の山陰スポーツネットワーク株式のうち、56.5%を買収した形です。
ライブイベントの企画などでこれまで培ってきたバンダイナムコエンターテイメントのノウハウをフルに活用することで試合会場を演出し、集客を拡大することを狙ったM&Aでした。
出資額は非公表ですが、男子プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」の1部に所属する島根スサノオマジックを世界的なチームに育て、それをきっかけに拡大をつづけるスポーツビジネス市場も手中に収めることも視野に入れているようです。

事例2.フーズマーケットホックがマルマンをM&Aで買収

東京都国立市に本社を構える「さえきセルバホールディングス」の傘下にいる島根県安来市の「フーズマーケットホック」が、同じく松江市の同業者である食品スーパーの「マルマン」を買収しました。
このM&Aによって、山陰地方で14店舗を展開していたフーズマーケットホックはマルマンの展開していた島根県内の6店舗が新たに加えて、店舗の総数を20店舗としました。
取引先の多くが重複していたことから、市場シェアの向上や経営基盤の強化を狙ったM&Aでした。
取得価格は非公開ながらも、マルマンに加えて資産管理会社も含めて全株式を取得しており、「マルマン」という店名とパートやアルバイトを含んだ従業員350人の雇用は維持されたM&Aでした。

事例3.山陰地方の顧客増加を狙ったM&Aでの子会社化

2020年、東京都に本社をおくコンサルティング会社「フォーバル」が「えすみ」の全株式を取得し、完全子会社化しました。
えすみはオフィス関連の機器や家具、文房具といった用品の販売・保守を手がける企業で、東芝テックの中核代理店としての役割も担いながらレジなどの販売業務もおこなっていました。
今回のM&Aによる子会社化により、中核事業でもあるアイコンサービスの潜在顧客の増加や事業拡大だけでなく、山陰地方の顧客基盤を獲得・強化するという狙いもあったようです。

島根県のM&A・事例 まとめ

今回は、島根県のM&Aの特徴、島根県のおもな産業についてご紹介しました。
島根県ならではの特徴を感じていただけたでしょうか?

島根県は松江城や出雲大社を有する歴史に深い関わりを持っていることから、観光資源の豊富さが魅力のエリアです。
しかし、山が多いことから人口は多くなく、中でもサービス業や製鋼を行わない鋼材製造業に従事する人が多いことも特徴でした。
後継者不在率ランキングはトップであることと、M&Aの成約件数がまだまだ少ないことを考え合わせれば、まだまだ伸びしろが多いと考えることもできるでしょう。

また島根県の会社を売却しようと検討している方は、ぜひM&Aナビをご活用ください。

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