SDGsの取り組みがM&Aに与える影響とは?

2022年05月19日

「SDGs」は、国連加盟国193か国が2030年までに達成するために決めた、持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標です。
「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の頭文字をとったもので、「エス・ディー・ジーズ」と読みます。
日本では、2016年5月に政府がSDGs推進本部を設立し、国内の企業が積極的にSDGsに取り組めるよう体制を整えています。

SDGsを実践する会社の企業価値は今後上がっていくと言われており、M&Aによって会社の売却を検討している経営者であれば、決して無縁の取り組みではありません。
SDGsを理解し施策を講じることは、会社の成長に寄与することはもちろんのことM&Aの観点においても有益です。

そこでこの記事では、企業価値の向上を目指す経営者の皆さまに向けて、SDGsに関する基礎知識を解説します。

  • SDGsの定義
  • SDGsの17の目標
  • SDGsの具体的な取り組み

上記3点を中心に、SDGsの基本を簡潔に紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

SDGsとは?

SDGsは、2001年に策定された開発分野における国際社会の共通目標「MDGs(ミレニアム開発目標)」の後継として、2015年9月に国連サミットで採択されました。

MDGsは、世界で起きている極度の貧困と飢餓の撲滅など8つの目標をかかげており、2015年の達成期限までに一定の成果をあげています。
SDGsはMDGsをさらに進化させた世界的な施策です。

2016年~2030年までに持続可能なよりよい世界を目指すべく、SDGsでは17のゴールと169のターゲットをかかげ、「誰一人取り残さない」ことを誓っています。

 

SDGs17の目標とは?

SDGsでかかげた17の目標は、大きく3つの特徴に分類できます。

  • 主に発展途上国に向けた目標
  • 先進国に向けた目標
  • 全世界を対象とする包括的な目標

発展途上国に向けたSDGs

SDGsの1~6の目標は以下の通りです(外務省HPより抜粋)。

1.貧困をなくそう

あらゆる場所であらゆる形態の貧困に終止符を打つ。

2.飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する。

3.全ての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する。

4.質の高い教育をみんなに

すべての人に包摂的かる公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する。

5.ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントをはかる。

6.安全な水とトイレを世界中に

すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する。

目標1〜6は主に発展途上国へ向けた内容です。しかし先進国でも問題にならないわけではありません。

たとえば日本の場合、7人に1人の子供が貧困で苦しんでいるといわれており、無料で食事を提供してくれる「こども食堂」へのニーズも年々高まっています。

このように目標1〜6は、先進国か発展途上国かに関わらず、解決していかなければならない問題です。

先進国に向けたSDGs

SDGsの7~12の目標は以下の通りです(外務省HPより抜粋)。

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する。

8.働きがいも経済成長も

すべての人のための持続的持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する。

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大をはかる。

10.人や国の不平等をなくそう

国内および国家間の格差を是正する。

11.住み続けられるまちづくりを

都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする。

12.つくる責任 つかう責任

持続可能な消費と生産のパターンを確保する。

目標7~12はエネルギーや働き方、技術革新の問題など、高度経済成長を果たした先に問われるテーマが中心です。これらの問題はまさしく先進国の課題だと言えるでしょう。

全世界を対象とする包括的なSDGs

SDGsの13~17の目標は以下の通りです(外務省HPより抜粋)。

13.気候変動に具体的な対策を

気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る。

14.海の豊かさを守ろう

海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する。

15.陸の豊かさも守ろう

陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、並びに生物多様性損失の阻止をはかる。

16.平和と公正をすべての人に

持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進しすべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する。

17.パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。

目標13~17は気候変動や環境問題など、地球規模の目標が中心です。先進国か発展途上国かに関わらない、世界共通の達成目標といってよいでしょう。

SDGsの具体的事例

持続可能な開発目標を達成するためには、民間企業をはじめ自治体やNPO・NGO、メディアや教育機関といった団体の参加が大切です。

そこで政府は「ジャパンSDGsアワード」を創設し、SDGs達成に優れた取り組みを行っている企業・団体等を表彰しています。

ここからはSDGsに取り組んでいる企業や団体の中から、ジャパンSDGsアワードを受賞した具体例を3つ紹介します。

 

魚町商店街振興組合

魚町商店街振興組合は福岡県北九州市にある商店街です。
「SDGs宣言」を行い、様々なイベントやサービス活動を行っている同組合は、第3回ジャパンSDGsアワードでSDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞を受賞しました。

同組合は、SDGsの一環として、主に次のような取り組みを行っています。

  • ホームレス自立支援
  • 障害者自立支援
  • 飲食店を中心とした「フードロス削減」
  • 地産地消を目的とした規格外野菜の販売

他にも太陽光パネルを使った商店街のエコ電力の使用や、商店街内のリノベーションといった多様な取り組みが評価されています。

起業やNPO、大学と連携して企画・運営するイベントや、他の商店街との交流などに力を入れている点も特徴的です。

株式会社日本フードエコロジーセンター

日本フードエコロジーセンターは、神奈川県相模原市にある食品リサイクル事業を行っている企業です。

「食品ロスに新たな価値を」という企業理念のもと、廃棄物処理と飼料製造業の2面制を持つ新しいビジネスモデルを構築。
これが評価され、第2回ジャパンSDGsアワードでSDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞を受賞しました。

同社は、SDGsの一環として、主に次のような取り組みを行っています。

  • 産学官連携で食品廃棄物を活用したリキッド・エコフィード(発酵飼料)を開発。廃棄物処理業と飼料製造業の2つの側面を持つビジネスモデルを構築。
  • 食品残さを原料に良質な飼料を製造。飼料自給率の向上と食料安全保障に貢献。
  • リキッド・エコフィードで育てた豚肉をブランド化し、養豚業者・小売業者・消費者を巻き込んだ持続的な食品リサイクルループを実現。

リキッド・エコフィードは、食品ロス問題に新たなロールモデルを与える革新的な事業として評価されています。
「食品ロスに新たな価値を」という同社の企業理念に正面から応える商品だと言えるでしょう。

北海道下川町

北海道下川町は人口約3,200人の小さな街です。少子高齢化の影響を受けて高齢化率が39%と高水準に達している「課題先進地域」です。

小さな町ではありますが、記念すべき第1回ジャパンSDGsアワードで、SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞を受賞しました。

下川町は、SDGsの一環として、自治基本条例に「持続可能な地域社会の実現」を位置づけ、主に次のような取り組みを行っています。

  • 森林総合産業の構築
  • 地域エネルギー自給と低炭素化
  • 超高齢化対応社会の創造

特に重視する施策が森林総合産業です。

バイオマス原料製造による再エネ熱供給システムを軸に、燃料費削減による弱者支援目的の基金創設やコンパクトタウン化など、森林資源をフル活用した小規模自治体ならではの地方創生モデルを打ち出しています。

SDGsに取り組む企業はM&Aにおいても評価が高い

SDGsへの取り組みは、そのインパクトの大小に関わらず企業イメージを向上させ、企業価値にとってプラスに作用します。
そして、その結果としてM&A時の企業評価額の向上につながります。

具体的には、

  • SDGsへの取り組みができている会社は、ビジョンや行動指針も浸透している
  • 本業の成長とSDGsへの取り組みをうまくリンクさせることができている
  • SDGsへ取り組むことで採用力があがり、離職率が下がる

といったメリットに期待をして価値がつくことがあります。

会社の売却を検討している経営者の皆さまは、SDGsへの取り組みも検討してはいかがでしょうか。

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