熊本県のM&A・事業承継を解説。会社売却事例も含めてご紹介

2021年03月05日

熊本県は県内企業の99.9%が中小企業であり、県全体の経済や雇用を支えています。

一方で、後継者候補のいない企業が多く、M&Aや事業承継に課題を抱える会社も多いのです。

そこで本記事では、熊本の産業の特徴やM&A、事業承継に関しての実態などを紹介します。
熊本県内でM&A、事業承継を検討している経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

熊本の産業の特徴

熊本県は農業の盛んな地域でありましたが、近年は製造業も県の基盤産業となっています。九州地方における2017年度の工業出荷額では、福岡県、大分県に次ぐ3位に位置しています。

このような工業県へと転換してきた背景には、県の産業振興の中核を担う「公益財団法人くまもと産業支援財団(旧:くまもとテクノ産業財団)」の存在が大きいです。

くまもと産業支援財団は、県内の中小企業の的確な支援を実施しており経営相談や企業支援などを手がけます。

電子部品を中心に盛んな製造業

平成30年4月に熊本県が公開した「平成27年度 県民経済計算 推計結果」によると、製造業は県内総生産の17.4%を占めており、県内最大の産業であることがわかっています。

そのなかで県内の製造品出荷額等ベスト3の業種は以下のようになります。

電子部品・デバイス・電子回路製造業
輸送用機械器具製造業
生産用機械器具製造業
(経済産業省 「工業統計調査平成29年確報(概要版)」より)

また、1,2位の「電子部品・デバイス・電子回路製造業」と「生産用機械器具製造業」は、全国でも高いシェアです。県内の製造出荷額のトップ3には入っていませんが、ゴム製品製造業の全国シェアも高くなっています。

開業率や廃業率は全国と同程度で経済動向は持ち直しつつある

「熊本県の経済情勢 令和2年11月号」によると、新型コロナウイルス感染症などの影響もあり厳しい状況は続きますが、熊本県内の景気は持ち直しつつあります。

また、帝国データバンクの「休廃業・解散 動向調査(2019年)」によると、熊本県の企業の休廃業や解散は、3年ぶりに増加に転じたことがわかりました。休廃業の件数は252件となり、過去10年で3番目の水準です。

休廃業に関して代表者別年齢をみると、70代が全体の3割ほどを占めており、リタイア適齢期を迎えてうまくM&Aや事業承継ができなかったことも考えられます。

また業種別でみていくと、小売業や建設業の休廃業が多い傾向です。熊本県内の商店数と年間商品販売額は下降の一途をたどり、休廃業数の増加の原因になっています。

このように、基盤産業である製造業は製品出荷額が上向いているものの、ほかの業種には課題があります。

熊本県のM&Aの特徴

ここからは、熊本県のM&Aや事業承継の特徴をみていきます。

後継者候補は親族が多い

熊本のM&Aの特徴は、後継者候補に親族が多いことです。

熊本商工会議所の「事業承継ヒアリングシート調査報告書」(平成30年1月公開)によると、会社の10年後の夢を話せる後継者候補がいる企業は67.7%となっています。

また、親族が後継者候補であるとしている企業は86.1%となっています。業種別に見ていくと、運輸・通信業、製造業、建設業の企業経営者が身内への事業承継を検討していることもわかりました。

以上から熊本県内の企業は、多くの場合で身内に事業承継を検討して後継者によるさらなる発展を望んでいると考えられます。

3割の企業は後継者候補なし、8割以上は売却や譲渡先が未定

前述の「事業承継ヒアリングシート調査報告書」によると、32.3%の事業者は後継者がいないと回答しています。後継者がいないと回答した経営者の年齢層は60代以降が7割以上を占めています。

また、会社の売却、もしくは事業譲渡により引き継ぐ相手先候補がいない企業は86.8%です。
つまり、リタイア適齢期の経営者がM&Aや事業承継に課題をもっていることがわかります。

さらに、経営者が後継者や売却の課題を抱えるだけではなく、それらを相談する専門家がいない場合も多くなっているのです。M&Aを実行する企業が少なく、その理由としてM&Aを具体的に考えている会社が少ないという見解もでています。

事業承継を先送りにしている企業が多い

企業の後継者候補を身内や従業員で検討していても、事業承継に課題がある企業もいます。

前述の「事業承継ヒアリングシート調査報告書」をもとにすると、親族や役員・従業員のなかに後継者候補にしたい人材がいると回答したなかで、事業承認を打診している理由が明確になっている割合が37.9%となっています。

経営者のなかには、後継者候補がまだ若いなどの理由から事業承継を打診していない場合もありますが、4割ほどの事業者ではっきりとした理由がありません。
つまり、事業継承へのアクションを先延ばしにしていることと考えられます。

その理由には、前述したような相談できる専門家がいなかったり、社内に承継したい独自のノウハウや技術がなかったりすることがあげられます。

事業承継ネットワークの診断件数や参画期間が少ない

各都道府県には「事業承継ネットワーク」といって、商工会議所や民間支援機関などが連携して、経営者の事業継承をバックアップする仕組みがあります。

中央企業庁が令和元年7月に発表した「事業承継の集中支援について」によると、熊本県名における事業承継ネットワークへの参画機関数は33となっており、診断件数は991件でした。

とくに診断件数に関しては、全国各県と比べても少なくなっており、事業承継の停滞が伺えます。

安心してM&Aや事業承継をするには専門家への相談や連携が必要

熊本県では企業の後継者不足の対策として、公的機関が設置されています。前述した「事業承継ネットワーク」もそのひとつです。

また、「熊本県事業引継ぎ支援センター」も設置されており、事業や会社の承継をサポートしています。さらに「熊本県後継者人材バンク」が開設され、後継者不足の企業と経営意欲のある方を結びつける事業を展開しているのです。

公的な組織のほかにも、民間のM&A仲介会社なども熊本県の企業の事業承継をお手伝いしています。M&Aナビにおいても熊本県の経営者様から事業承継や会社の売却、譲渡の相談を受けてきました。

県内で盛んな製造業、そのほかの多岐にわたる業種においてもお気軽に事業承継やM&Aに関してご相談ください。

熊本県でのM&Aや事業承継の事例紹介

ここからは、M&Aナビがお手伝いした熊本県内の事業承継の事例をご紹介します。

経営者の急遽による事業承継

はじめに紹介するのは、熊本市内にて自動車板金業を営む事業主の事例です。

先代は個人事業主として30年以上も事業を運営してきましたが、急逝により事業の引継ぎが必要となりました。
当初、ご親族は廃業を検討しておりましたが、先代と取引のあったディーラー様より事業承継への働きかけがあり、引継ぎを決意されました。

その後、息子様が法人設立により事業継承をおこない、先代が努力して築き上げたお客様や取引先との信頼関係をさらに向上させています。

先代が高齢となり事業承継を決意

続いて紹介するのは、菊池市で音響関係の事業を営む事業主の事例です。

こちらの事例は先代が高齢となり、県内一円を対象にする業務遂行が困難な状況から事業承継のご相談をいただきました。

先代が築き上げてきた経験と信頼をどのように受け継いでいくかという課題を乗り越え、今では独自サービスによる新規顧客の獲得に注力できる体制となっています。

焼酎製造業の事業承継

最後に紹介するのは、天草市で焼酎製造業を営む事業主の事例です。

先代の経営者の方はこれまでの純然たる状況を打破するために事業承継を決意されて、M&Aナビにご相談くださいました。

その後、若い経営者の視点で市場を考えることを目的に事業承継をおこない、新商品を展開しています。現在の経営者は30代ということもあり、新たな挑戦が今後も続きます。

まとめ

この記事では熊本県における産業の特徴やM&A、事業承継についてご説明しました。
熊本県の企業は身内を中心とした後継者候補が存在するものの、一部では後継者候補が存在しない会社もあります。後継者候補がいる場合であっても先送りする現状もあり、M&A事業承継に関しての対策は急務といえるでしょう。

熊本県の会社を売却しようと検討している方は、ぜひお気軽にM&Aナビにご相談くださいませ。M&Aナビは、厳選された案件のみを掲載している掲載成約率トップクラスのM&Aマッチングプラットフォームです。

納得のいく会社売却に向けてサポートいたします。

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