高知県のM&A・事業承継を解説。会社売却事例もご紹介します
高知は日本最後の清流と呼ばれる四万十川をはじめとする清流を有し、室戸岬や足摺岬といった自然の観光資源が豊富です。
一方で、四国で最も人口が少なく、日本全国でみても3番目に人口が少ない県であります。
そのため、少子高齢化の波は確実に押し寄せており、事業承継問題に直面している県ともいえます。
M&Aはこのような後継者不足問題にも解決策として有効です。
そこで本記事では、高知の産業の特徴や、M&Aの事例などをお伝えいたします。
目次
高知の産業の特徴
高知の経済は、「かつおの一本釣り」をはじめとした漁業や農業がメインとなっています。
具体的には、人口の少なさが影響して民間建築よりも公共建築の方が多く、医療や福祉においては、人口10万人あたりの病床数や看護師数が日本一を誇っています。
このように、高知では人口の少なさを活かした独自の産業を発展させているのです。
ここでは、高知における第一次から第三次までの産業について紹介していきます。
漁業をはじめとした第一次産業が強い高知県
高知における農業産出は耕種が大半を占めており、その反面畜産の比率が低くなっています。
また、耕種作付面積当たりの生産効率が高く、1ha当りの産出額は483万円で、これは全国1位です。
日本全国で見ての農業産出は47都道府県中30位前後となっています。
林業については、森林面積割合は80%超えで全国トップとなっているものの、林業産出額で見ると47都道府県中20位前後となっています。
対して、漁業産出額は海面漁業と海面養殖業を合わせて全国で10位前後でした。
おもに、古くから有名な「かつおの一本釣り」の影響もあって、海面漁業全体に対する魚種別産出額ではかつお類が1/4程度を占めています。
第二次産業の建設業では公共工事の割合が高い高知県
全国で見た製造品出荷額などは、47都道府県別でみるとほぼ最下位です。
その中を占める割合の上位は、食料品やパルプ・紙、生産用機械です。
また、これらを生産しているのは高知の中で高知市と南国市で全体の約半分を占めていることからも、製造業は地域的な偏りがある点も特徴と言えます。
さらに、建設業を見てみると民間建築よりも公共土木系の占める割合が多く、全体の70%です。
これは各種経済政策の効果をはじめとして、震災や津波対策工事の積み増しが影響しており、2006年度を底辺として増加しています。
第三次産業では医療や福祉が充実した高知県
卸・小売業で見た高知は、卸売業+小売業で表す年間商品販売額が2016年度47都道府県別でワースト3でした。
一方で、人口1万人に対して存在している小売事業所の数が、全国で1位の109もある点が特徴です。
また、四万十川や高知城などの観光名所が豊富なものの、県内で宿泊する人の数が全国でワースト5です。
その中でも外国人宿泊者数が占める割合は、四国の他県よりも低水準となっています。
一方で、医療や福祉においては、人口10万人あたりの病床数や看護師数が日本一を誇っています。
高知のM&Aの特徴
一口にM&Aといっても、各地域において特徴や文化が異なります。
そこで、ここからは高知のM&Aに関する特徴を見ていきましょう。
高知ではゆるやかに後継者不足が起きている
高知では、年々ゆるやかに後継者不足が発生しています。
実際に帝国データバンクの調べによると、2017年度は56.7%だった後継者不在率が2021年度には57.9%となっており、年々増加傾向にあることがわかります。
他県と比べると深刻な数字ではないものの、年々後継者不足は増加傾向です。
そのため高知においても、後継者不足問題は無視できない問題となっているのです。
高知はM&A成立件数が少ないが、前向きな傾向も
全国と比べても、高知はM&A件数の少ない点が特徴です。
内閣府・経済社会総合研究所「地方M&A動向」によると、高知県における2018年のトータルM&A件数は5件となっています。
県内でのM&A案件は1件。
県内に買手が、県外に売手がいるM&Aは2件。対して、県外に買手が、県内に売手がいるM&Aは2件です。
同年、東京都におけるM&Aはトータルで2,718件、大阪府で379件、福岡県で114件といった現場から見ても情報は多少古いものの、案件数は少ない点が一目瞭然となっています。
一方現在では、事業承継型や先行不安型、それと業績不振型などが多く、とくに先行不安型の増加が見られることも特徴です。
以前定着していた「乗っ取り」や「売り逃げ」といった悪い印象が少しずつ緩和されてきていることもあり、M&A自体が経営戦略の一環という認識が広まってきたことで、成長戦略を目指して取り入れる企業も増えてきています。
高知で実際におこなわれたM&A
高知でのM&A事例をご紹介します。
四電工が高知の空調設備会社をM&Aで子会社化
四国電力グループの電気工事を手がける四電工は、2019年に、高知内を中心に空調設備工事などを手掛ける関西設備を子会社化しました。
四国内における深刻な人手不足を解消するため、関西設備を技術者ごと傘下に加えることで四国内の地固めを図る狙いです。
四電工はこのM&Aで4社目となり、さらなる事業拡大に弾みをつけました。
後継者問題で揺れていた関西設備は、もともと協力関係だった四電工の子会社となることで、自社の空調設備工事技術と四電工の電気工事技術を融合させてトータルサービスが可能になります。
それぞれが持っている特色や強みをさらに伸ばす意味でも、前向きなM&Aであることが感じられます。
高知県のM&Aまとめ
今回は、高知県のM&Aの特徴、高知県のおもな産業についてご紹介しました。高知県ならではの特徴を感じていただけたでしょうか?
高知は四万十川をはじめとする清流や室戸岬といった自然観光資源の豊富さはそのままに、面積当たりの人口が少ないというデメリットを医療や福祉関係の拡充によってメリットに変えています。
また、特産であるかつおをはじめとする水産業で栄える魅力的なエリアです。
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