鹿児島県のM&A・事業承継の特徴について解説します
鹿児島県は、その風光明媚な資源を基とした観光業が盛んです。
そして、豊かな農畜水産物の生産数も全国1位のものが多数あります。
鹿児島県のGDPは2012年度からの右肩上がりの推移です。
一方で、少子高齢化の波は鹿児島県にも押し寄せています。
まさしく、事業承継問題に直面した県といえます。
M&Aはこのような後継者不足問題にも解決策として有効です。
ここからは、鹿児島県の産業の特徴や、M&Aの事例などをお伝えいたします。
目次
鹿児島県の産業の特徴
鹿児島県の経済を支えているのは、観光業と食品関連産業です。
実際に、観光業を含む第3次産業は、県内GDPの中で実に8割近くを占めており、圧倒的な経済的シェアを誇っています。
また鹿児島県では、第1次産業が県内のGDP占有率は3~4%です。
全国平均が1%程度であることを考慮すると、高い数字であることがわかります。
つまり、鹿児島県は農畜水産物産業も盛んな土地柄であるといえます。
バラエティ溢れる観光資源を活かした鹿児島県の観光業
鹿児島県の観光資源は、世界的にも魅力あふれる観光スポットの数々です。
鹿児島も県内の有名な観光地を活かした観光業を、重要な産業と位置づけています。
鹿児島県への宿泊数は、年々増加傾向です。
平成28年は7,202千人。
そのうち、外国人の延べ宿泊者数は480,920人で、前年比15.7%の増加となっています。
さらに、鹿児島県への観光客による観光消費額もコロナ前には増加傾向にありました。
西郷隆盛に関連した歴史スポットや活火山の「桜島」、人気の温泉地「霧島温泉」や「指宿温泉」。そして世界遺産の「屋久島」。
このように、他県のうらやむような魅力的な観光地が豊富です。
加えて、県内の「かごしま黒豚」や「新鮮な海の幸」「薩摩焼酎」などのグルメ&お土産品などが関連づけられて、豊かな観光業を展開しています。
鹿児島県内で観光業にたずさわる従業員数は、県内の全労働者のうち実に約30%もあり、非常に観光へ依存した県です。
豊富な食品を背景にした鹿児島県の食品関連産業
鹿児島県は、豊かな農水畜産物資源を基とした食品関連産業が盛んな土地です。
さつまいもや、豚、肉用牛、かつお節は全国第1位の生産量を誇ります。
また、ブロイラーも全国2位の飼育量。
ほかにも壺作りの黒酢などが有名です。
製造業の中で、食品系の出荷額割合は50%を超えていて。金額にすると1兆円を優に超えています。
鹿児島県では、食品産業にさらなる付加価値をつけること、そして、人材確保をはかることが重要だと考えています。
鹿児島県において、食品関連産業の振興は県の命運を握っているといえるほど、大事な産業です。
鹿児島県のM&Aの特徴
地域によって、M&Aには特徴があります。
そこで、ここからは鹿児島県のM&Aに関する特徴を見ていきましょう。
鹿児島県では後継者不足が深刻化
鹿児島県では、後継者不足が深刻化しています。
実際に帝国データバンクの「全国企業「後継者不在企業」動向調査(2021年)」によると、ほぼ毎年、後継者不在率が上昇していく傾向にあります。
鹿児島県地方での企業の後継者不足問題がわかります。
そして、2019年の社長の年齢調査によると、鹿児島県は全国第22位の高齢化率で、平均年齢は62.50歳でした。
これらのデータからわかるように、鹿児島県でも、事業主の高齢化などによる後継者不足問題は喫緊の課題です。
また、九州全体の後継者不在率から見ると、鹿児島県の後継者不在率は幾分よい傾向です。
他府県から見ると、まだまだ踏みとどまっている現状で、M&Aなどにより早期に問題解決をはかるべきでしょう。
鹿児島県はM&A成立件数少ないがチャンスもある
少し古いデータにはなりますが、内閣府・経済社会総合研究所「地方M&A動向」によると、2009年の鹿児島県のM&A売買データがわかります。
買手側が2企業に対して、売手側が5企業とまだまだ、他府県の状況に比べると、M&Aの案件数が少ない状況といえるでしょう。
これには、都市圏以外の地元地域にとってのM&Aの印象が、あまりよくないことも影響しているようです。
とくに、かつては「乗っ取り」「売り逃げ」といった、悪いイメージが先行していました。
一方で、近年、そのようなネガティブな感情をもつ人は少なくなっているといいます。
M&Aは経営戦略の一環です。
ですから、地方でも、自社成長のための戦略として、M&Aをとらえる傾向がでてきました。
鹿児島県の企業でも、「事業承継」「先行不安」「業績不振」などを懸念するタイプが増加していると思われます。
鹿児島県の企業は人材不足に悩んでいる
鹿児島県では、人材不足に悩む企業も増えています。
実際に鹿児島県の有効求人倍率を見ると、高卒で1.52倍(前年比0.01ポイント減)。
大学卒だと2.57倍(前年比0.05ポイント増)です。
高卒の求人は微減したものの、依然高い水準。
さらに大学卒は前年よりも増加した、とわかります。
いわゆるバブル期の最高といわれた求人倍率が、1990年に1.46倍。
上記のデータはそれをはるかに超えた数値です。
鹿児島県では、中国・フィリピンを中心として、外国人の労働者に労働を頼る傾向が見られます。
実際に県内の労働力のおよそ10分の1を、外国人が担っている状況です。
この傾向は加速しており、平成28年度から全国平均を上回るペースで、外国人労働者が増えているのです。
つまり、鹿児島県の企業は国内の人材だけで人手を賄えず、外国人によって補われています。
鹿児島県のM&A まとめ
今回は、鹿児島県のM&Aの特徴、鹿児島県のおもな産業についてご紹介しました。
鹿児島県ならではの特徴を感じていただけたでしょうか?
魅力的な観光スポットを資源とした観光業と、豊かな農畜水産物を元とした食品系産業が盛んな土地です。
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