石川県のM&A・事業承継を解説。会社売却事例も含めてご紹介

2021年03月12日

石川では製造業が基幹産業となっていており、とくに機械・繊維・食料品の製造が盛んです。これらの製造品の出荷額が、石川の2019年製造品出荷額の約8割を占めています。

リーマンショックの際には、石川の経済を支えていた製造業が打撃を受け、県内総生産が落ち込みました。その後順調に回復し、2012年にはリーマンショック前の水準まで回復しています。

一方で全国と同様、石川でも少子高齢化が進んでおり、働き手や後継者の不足に悩まされる会社も増えているのです。

そのため今後は石川で後継者確保のためのM&Aは増えてくることが予想されます。

石川の産業の特徴

石川では古くから繊維製品の製造がおこなわれており、繊維産業とそれを支える繊維機械とがかかわりあいながら発展してきました。

石川が掲げる「石川県産業革新戦略」のもと、企業誘致を進めてきたことも製造業の発展に寄与しています。

また石川では、古くから続く伝統工芸が受け継がれており、加賀友禅や九谷焼など国指定の伝統工芸が多く残っています。

ニッチトップ企業が集まる製造業

石川では、ベンチャー企業や海外展開などを積極的に支援しているため、石川の製造業にはまだ成長のチャンスがあります。

石川は、高い技術力を持ち、ある分野でシェアトップを占める、いわゆるニッチトップ企業の育成に力を入れているのです。
今後はこれらのニッチトップ企業が医療や新素材などの成長市場で発展していくことが期待されています。

石川県によると、育成事業を開始した2005年から2013年にかけて、ニッチトップ企業は40社から77社と約2倍に増えました。さらに、経済産業省が発表した「グローバルニッチトップ企業100選」では、石川から6社が選出され全国4位となっています。

この強みを活かしてさらに伸ばすために、石川でのニッチトップ企業の育成は今後も重要視されているのです。

そのため、石川の製造業には新規参入や成長の可能性が十分見込めるといえます。

加賀百万石文化が息づく伝統工芸

石川では、古くから受け継がれた伝統工芸が今もなお続いています。そこで、伝統工芸が高く評価される海外への販路拡大を狙っています。

伝統工芸の海外への販路拡大のため、アートやトレンドの発信地であるニューヨークや、富裕層が増えてきている中国などをターゲットとした展示会など、石川では伝統産業の海外展開の支援が進んでいるのです。

実際に石川県によると、国指定の伝統工芸の数が全国6位となっており、その強みを今後も活かしていくというのが県の方針です。

そのため、伝統工芸に絡んだ事業にはまだ伸びしろがあり、事業を展開して発展させる余地があると考えられます。

石川のM&Aの特徴

地域によってM&Aの特徴に違いがあり、買収や合併などに影響をおよぼすこともあります。そこで、石川のM&Aの特徴について見ていきましょう。

後継者不足により第三者への事業継承が増えている

石川では、後継者不足によるM&Aが増えてきています。

とくに石川では、人口の減少が進んでいます。
石川県県民文化局県民交流課統計情報室の情報によると、2010年には117万人ほどであった石川の人口は、2040年には97万人程度にまで減少すると予測されているのです。
また、高齢者が全人口に占める割合も2010年では23.7%ですが、2040年には36%になると見込まれています。
さらに、金沢商工会議所によると、2018年の段階で従業員の確保難を経営課題に挙げる企業の割合は55.9%で、事業継承について「決まっていない」という企業の割合は30.4%です。

経営者の高齢化と働き手の減少により事業継承は今後ますます難しくなり、事業の存続のためにM&Aに踏み切る企業も増えてくると予測されます。

個人が事業を買収する例が増えている

近年、個人が事業を買収する事例が増えてきています。

年金問題や老後2000万円問題に不安を感じ、「中小企業を買収してオーナー社長になる」という選択をする会社員が増えてきました。

実際、石川県事業引継ぎ支援センターを経由した2019年度の個人による企業の買収は10件で、従業員・役員の9件、親族の7件よりも多くなっています。

石川はそうした流れに目を付け、後継者不足が深刻な地域の企業と個人を結びつけるプロジェクトを進めているのです。
とくに石川の七尾市では、後継者不足と廃業が大きな問題となっており、民間が提供するサービスなども利用して首都圏からも後継者を募るなど、事業継承の門戸を全国に開いています。

そのため、石川では今後、石川に限らず全国を対象にした個人への事業継承が増えてくると考えられます。

石川で実際に行われたM&A

石川で実際に行われたM&Aを見ていきましょう。

株式会社新家製作所を個人が引継ぎ

後継者がいないまま社長不在になってしまった新家製作所は、個人に経営を引継ぐことで、廃業の危機を免れました。

新家製作所は50年近くにわたり、金属部品の加工や塗装などをおこなってきました。
しかし、創業以来会社を経営してきた社長が亡くなってしまい、後継者も決まっていなかったため、事業の存続が危うくなります。

その頃、現社長は都内で会社員として航空機エンジンの製造や品質管理の仕事をしていました。中小企業を買い取って社長になる計画を立てており、会社を早期退職しました。

現社長は加賀の両親も気がかりだったことから石川で事業を引継ぐために、石川県事業引継ぎ支援センターに登録。会社員時代にかかわってきたのと同じものづくりということで、現社長はセンターから紹介された新家製作所を引継ぐことにしました。

このように、個人に事業を継承することで、新家製作所は事業を存続させられた事例もあります。

金沢建具工房株式会社を個人が引継ぎ

金沢建具工房は、個人に事業を引継ぐことにより後継者の問題を解決し、経営革新をスタートさせました。

金沢建具工房は木製ドアや木製建具、オリジナル建具の製造取り付けをおこなっています。品評会で優秀な成績を収めるなど、技術の高さには定評がありました。

しかし、利益率の低い下請工事がメインとなっていることから収益が不安定で、さらに後継者もおらず廃業の危機に直面します。

現社長は、「この会社が後継者不足だけの理由で廃業するのは忍びない」と事業継承を決意。
利益率高めの個人向け家具の展示販売や、金沢古民家改修の需要への対応、石川の伝統工芸品とコラボした新商品の開発など、収益の安定化を図りました。

こうして金沢建具工房は個人に事業を引継ぎ、後継ぎ確保と同時に経営改革に乗り出し事業を存続させられました。

まとめ

この記事では、

・石川の基幹産業は機械を中心とした製造業
・伝統工芸品も豊富で今後も販路拡大を目指している
・後継者不足解消のためのM&Aが増えてきている
・個人が事業を引継ぐパターンのM&Aも増えてきている

以上を中心に、石川の産業とM&Aについて解説しました。
石川でM&Aを検討されている方の参考になれば幸いでございます。

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