福井県のM&A・事業承継を解説。会社売却事例も含めてご紹介

2021年03月10日

福井はおしゃれなメガネの製造や、繊維工業がさかんなエリアです。詳しく見ていくと、福井は他県に誇るすばらしい技術力・ノウハウをもった地域だとわかります。

一方で残念ながら、現状は福井のもつ高いポテンシャルを活かしてきれていない部分もあります。理由は、国内企業の後継者不足です。

そこで本記事では、福井の産業の特徴や、実際に県内でおこなわれたM&A事例などを紹介しています。

福井の産業の特徴

地域によって産業の特徴は異なり、M&Aに影響することもあります。そこで、福井の産業の特徴について見ていきましょう。

メガネや繊維工業を中心とした製造業が盛ん

福井県のGDPは、平成29年度で約3兆2千億円。福井の経済を大きく支えているのは「製造業」です。
とくに、福井ではメガネや絹織物の繊維工業といった産業が特徴的です。

実際に総務省統計局の調査によると、福井では製造業にたずさわる人が約8万6千人と、産業の中でも最も多い人数です。ついで、卸売業&小売業の約6万人、医療&福祉の約5万人と続きます。

2015年当時の福井の人口が、約78万人。そのため、県内人口のおよそ10%が製造業に関わっていることになります。

また、製造業の内訳を見ると、繊維工業が24.9%とトップです。
福井からの中国や米国への輸出貿易も、繊維工業製品とメガネ類が多数を占めています。
福井から中国への「人造繊維・織物」の輸出額は約136億円。米国への「メガネ類」の輸出額は約80億円です。

このように福井では、メガネ産業と繊維工業が県内の経済を牽引しているのです。

新しい挑戦を続ける繊維産業

福井の繊維産業は、近年「グローバル化」「機能性の強化」「非衣料分野への事業展開」の3つに注力しています。
近年の厳しい繊維不況の中にありながらも、生き残りをかけて新分野を積極的に開拓しています。

福井の繊維産業は、明治4年頃から「羽二重」と呼ばれる絹繊維製品が有名です。丈夫で光沢が強い羽二重は、最高級の絹織物とも評価されています。
羽二重をはじめとした福井県産の絹織物は、大正の半ばまでは全国の約60%のシェアを占めていました。

近年になると、合繊メーカーの糸の開発など新しい繊維分野へ挑戦しています。具体的には、中国を始め東アジア諸国の繊維メーカーとの差別化に取り組んでいるのです。

福井の繊維製品の特徴は、商品1つひとつが多機能な点です。
たとえば、「高密度織り」による強度や機能性を増すテクニックが開発されています。
強度のみではなく「透水」の技術を組み合わせるなどして、高い機能性を持たせることが可能になりました。

このように福井では、歴史があり多機能なスポーツウェアやカーシート、介護用品などの繊維製品は、ますます広がりを見せています。

国内シェア約95%のメガネフレーム産業

福井と言えば、メガネの聖地とされる「鯖江」が有名。日本製メガネフレームの約95%が鯖江市と福井市で生産されています。

福井のメガネ産業の歴史は、明治38年頃から鯖江で始まります。
最初は、農家が閑散期の副業としてメガネづくりをスタートさせました。当時、メガネ作りが盛んだった東京や大阪から職人を招き、他県の師からノウハウを教わったそうです。
そして徐々に、県独自の産業として発展させていきます。

近年、中国メーカーの安価なフレーム商品におされて、福井のメガネ産業は衰退していました。しかし2000年以降、福井のメガネフレームを「鯖江ブランド」として付加価値をつける戦略を打ち出します。
以降、「高品質」「高級」「独創性」を特長とする福井のフレームは、世界的にも高い評価を受けています。

福井のM&Aの特徴

福井のM&A案件を分析してみると、後継者不足や人材確保の課題を抱える企業や、企業能力の向上を目的としてM&Aを進めていることがわかります。

後継者不足が深刻

全国と同様、福井でも中小企業の後継者不足問題は深刻です。

実際に、福井の県事業承継ネットワークによると、60歳以上の経営者のうち「後継者が決まっている」人は57.8%に過ぎませんでした。さらに、後継者不足により「廃業」を考える事業主は21.3%にのぼります。

まな福井では、2019年から「後継者がいない小規模事業所の社長」業をになう人を、全国的に公募して探しています。
具体的には、「後継者全国公募プロジェクト」
という県のプランがあるのです。まさに、県をあげてM&A支援をおこなっている状況です。

このように、後継者不足が進むと、地域経済は衰退することが考えられます。また、後継者不足に対応するために、県内でサポート体制も整えられてきている状況です。

企業能力向上のためのM&A

福井では、企業能力を向上させるためのM&Aが進んでいます。

福井でのM&A事例を見てみると、M&Aを通して新規事業分野へ参入や挑戦する会社、事業承継相手の顧客を活かして販路を拡大する会社などの事例が目立ちます。

事業承継は、会社の経営を承継するだけの方法ではありません。
事業主の交代を機に、事業をさらに発展させるチャンスでもあります。

自社商品のサービスや製造プロセスの見直し、顧客との関係をさらによくするなど、具体的に課題を解決する絶好の機会なのです。

人材確保のためのM&Aが提言されている

福井県では、人材不足が深刻な課題となっています。

実際に、福井での有効求人倍率は、2019年2月時点で2.18倍。
全国平均の1.63倍を大きく上回っており、人手不足の厳しさがうかがえます。

そのため福井県は、人手不足解消のためにさまざまな人材確保の方法を提言しています。中でも、企業の人手不足・人材不足を解決するために、M&Aはトレンドな手法の1つです。

1人ひとりを採用活動をするというアナログ方式ではなく、
M&Aを利用すれば他社の人材を一気に獲得でき、人材不足が一挙に解決することもあります。

働き手不足の問題は、M&Aで解決することも検討してみましょう。

福井で実際におこなわれたM&A

福井のM&A事例について見ていきましょう。

ルックスオティカが福井めがね工業を買収

2018年3月、ルックスオティカ(イタリア)が、日本の福井めがね工業とM&Aをおこないました。事業承継の手法は株式譲渡です。

福井めがね工業は、1969年の創立の会社です。2017年には「日本メガネ大賞」も受賞しています。
めがね工業はチタン加工技術に優れ、100人のメガネ職人&デザイナーを抱えており、高級めがねフレームに特化した企業です。

一方で、ルックスオティカは大手アイウェア企業で、高品質なアイウェア生産で知られています。今回のM&Aで鯖江市の福井めがね工業の株式を取得し、国内の高級メガネフレームの市場に参入しています。

さらにルックスオティカは、その後フランスのレンズメーカー「エシロール」ともM&Aをおこなっています。このM&Aにより、ルックスオティカは、年間売上高約2兆円の巨大企業となりました。

恵比寿堂をワークハウスが買収

2018年5月、恵比寿堂(福井県)とワークハウスがM&Aをおこないました。事業承継の手法は事業譲渡です。

恵比寿堂(現 えびす堂)は、福井を代表する菓子メーカーです。銘菓「羽二重餅」が有名。しかし、前社長は後継者問題に悩んでいました。
そこで後継者として手をあげたのが、ワークハウスです。ワークハウスは、障害者就労支援をおこなっている会社です。またワークハウス代表の嶋田氏は、運転代行・貿易などの企業経営の経験もあります。

異業種からのM&Aでしたが、ワークハウス側の恵比寿堂存続に対する熱意は並々ならぬものでした。それだけ、恵比寿堂が福井では誰にとっても馴染み深い店だからということでしょう。
ワークハウスは福井の老舗を絶やしてはならないという、責任感を覚えたものと思われます。実際にわずか3ヵ月での成約という、スピード感のあるM&Aでした。

恵比寿堂の前社長・中道氏は、事業譲渡後も、菓子づくりのノウハウや古くからの顧客との顔つなぎなどのバックアップをおこなっています。

まとめ

今回は、福井県のM&Aの特徴、福井県のおもな産業についてご紹介しました。福井県ならではの特徴を感じていただけたでしょうか?

福井は、繊維工業とメガネ産業が特徴の県です。
福井がもつ職人の高い技術力は、ぜひ次世代へ継承していくべきものです。

一方で福井は、後継者難など経営上の課題に直面している状況です。企業の将来に不安をもつ方も多いことでしょう。

福井県の会社を売却しようと検討している方は、ぜひお気軽にM&Aナビにご相談くださいませ。M&Aナビは、厳選された案件のみを掲載している掲載成約率トップクラスのM&Aマッチングプラットフォームです。

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