大阪府のM&Aについて解説 | 会社売却事例も含めてご紹介します
中小ベンチャー企業や個人商店が数多く存在している大阪では、M&Aが活発におこなわれています。
この記事では、大阪の産業の概要やM&Aや事業承継にどのような特徴があるのか紹介しています。
大阪でM&Aや事業承継を検討している事業主の方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を通じて、大阪府でのM&Aの可能性と具体的な事例を理解することで、あなたの会社の未来に新たな選択肢を見つけることができるでしょう。事業の継続と発展のために、M&Aは有力な手段となり得ます。
大阪府の産業の特徴とは?
大阪は古くから「商人のまち」と言われてきました。
伊藤忠や丸紅のような総合本社から、特定ジャンルに特化した専門商社、そして船場にある国内有数の卸売街など、商社・卸売関連企業が数多く集積していることが、大阪の産業の特徴と言えます。
商社・卸売と製造が二大産業の大阪府
上記のとおり、大阪では商社・卸売が産業構造の中核を担っています。
大手の商社・卸売業者は本社機能を東京に移しているケースもありますが、依然として数多くの会社がビジネスを営んでいます。
また、商社・卸売だけでなく製造業もさかんです。
卸売は物を集めて小売業者に売る仕事です。
したがって商社や卸売の背後には無数の製造業者がいます。
大阪府が調査した「大阪の産業別総生産構成比」によると、卸売・小売業が6兆3,597億円、製造業は6兆2,981億円で、どちらも府内総生産全体の約16%強を占めています(平成28年度)。
このように製造業は、古くからある商社・卸売とともに、大阪の産業を支える屋台骨となっています。
大阪府は国内最大級の物流拠点
物流の視点でみた場合、九州と関東の中間地点にあたる大阪は非常に重要な拠点です。
そのため大阪には、多くの物流・運輸関連企業が拠点を構えています。
伊丹・関西と2つの空港が、国内外そして日本の東西空輸における最重要拠点であることは言うまでもありません。
また大阪は、阪急・阪神・南海・近鉄・京阪の私鉄大手5社がしのぎを削る全国屈指の「鉄道王国」です。
商社・卸売の集積する都市では、物流関連企業が大きく成長します。
商社・卸売が買い集めた大量の商品は、いったん倉庫に保管された後、空路・陸路を経由して全国に運ばれるからです。
このように物流の巨大拠点であることも、大阪の産業の特徴です。
大阪府は中小企業の活動が活発
大阪は中小企業の経済活動が活発な都市です。
中小企業庁の2020年版中小企業白書によると、大阪の中小企業の会社ベース付加価値額(売上から経費を引いたもの。経済活動によって新たに生み出された価値)は、50.2%と半分を占めています。
東京の29.7%と比べても圧倒的です。
大阪も東京も大企業と中小企業が集積する点では同じですから、大阪における中小企業の存在感がいかに大きいか、よくわかります。
大阪府の中小企業がM&Aを利用するメリット
大阪の中小企業がM&Aを検討するメリットは3点あります。
- 事業承継がスムーズに行われる
- 売却益で個人債務を返済できる
- 従業員の生活を守れる
M&Aで事業承継がスムーズに
少子化の影響で後継者がいない、働き方の多様化で子供に事業を承継する意思がないなどの理由から、近年はスムーズな事業承継が難しくなっています。
帝国データバンクが全国の中小企業を対象におこなった「後継者問題に関する企業の実態調査」によると、社長年齢が60歳以上の時点で後継者のいない中小企業の割合は、48.7%に達しています。
つまり、中小企業の約半数は、後継者不在に悩んでいるのです。
後継者が不在の場合、廃業は選択肢の一つです。
業績は黒字であるにもかかわらず、経営を継いでくれる人材がいないために、やむを得ず事業を終了させるケースが増えています。
経営者が廃業を選択すれば、「経営者として事業を継続させる責任がある」というプレッシャーはなくなるでしょう。
しかしその反面、従業員の将来の保障や経営者の個人債務の整理など、非常に困難な課題がでてきます。
この問題の対策として効果的なのがM&Aです。
M&Aを利用することで、事業主は事業承継をスムーズに行えるようになります。
M&Aの売却益で個人債務を返済できる
M&Aを活用すれば、オーナーは売却益を得ることができ、個人で保証している債務の返済や売却後の生活資金の確保が可能となります。
小さい会社や店舗でも、売却できるチャンスはあります。
個人商店や中小ベンチャー企業の経営者の方は、廃業を選択する前に、M&Aを検討してみることをおすすめします。
M&Aで従業員の生活を守ることができる
事業承継の問題を抱えている事業主の中には、従業員の生活が守れなくなると不安になる方もいるかもしれません。
会社を引き継いでもらうことができず廃業させてしまえば、当然働いている従業員は職を失います。
中小企業のM&Aにおいては、ほとんどのケースで従業員の雇用が守られます。
M&Aにより事業承継をおこなうことで、従業員の生活と雇用を守ることができるのです。
売却検討中の方の疑問をいますぐ解決!よくある質問と回答はこちら
M&Aでよくある質問〜売却検討中の方の不安・...
M&Aで会社や事業の売却を検討する中で、不安や疑問点は多くあるのではないでしょうか。 M&Aナビにおいても「いくらで売れるのか知りたい」「売却後の税金が不安」といったご質問をいただいております。 そこ…
大阪府におけるM&A事例
M&Aを検討する際、実際にどんな企業がM&Aを活用したのか気になるところでしょう。そこで以下では、大阪でおこなわれたM&Aのうち、買い手側の目的が異なる3つの事例を紹介します。
(大阪府のM&A事例1)新事業への展開を目的としたM&A
売手:A社(大阪市/年商3.2億)
買手:B社(東京都/年商5.2億)
生地製造業を営んでいたA社ですが、後継者不在を理由に事業売却を決定。
IT事業のB社と合意しました。
一見まったく関係ない事業をおこなっているように見える両社ですが、B社はこのM&Aによって、EC事業への展開が可能になると判断して買収を決断。
大阪は古くからの経験や実績豊富な会社が多く、その力を活用して事業拡大を目指すM&Aが起きやすいことは大阪の特徴と言えます。
(大阪府のM&A事例2)商圏拡充を目的としたM&A
売手:C社(大阪府/年商3.4億)
買手:D社(兵庫県/グループ年商925億)
自動車整備を営んでいたC社は、後継者不在が理由で事業を引き継いでくれる先を探していました。
そして、新車・中古車販売を営むD社は、このM&Aで関西地方でのさらなる商圏拡充が可能と判断し、合意しました。
このように同業または近しい業種におけるM&Aは最もポピュラーなパターンであり、買収後の事業成長もさせやすい形です。
(大阪府のM&A事例3)技術者の確保を目的としたM&A
売手:E社(大阪市/年商1.6億)
買手:F社(東京都/年商23億)
ソフトウェアの受託開発を展開するE社は、さらなる事業拡大を目指し、パッケージソフト開発販売等を手掛ける上場企業に売却しました。
このM&Aによって、業容拡大のほか、新たな技術者を確保できると見込み、合意にいたりました。
特に、エンジニアをはじめとした技術職は採用が困難であり、人材獲得を目的として買収するケースがあります。
大阪府のM&A案件を探すには
大阪府のM&A案件を探すには、どのような手段があるのでしょうか。
一般的には、以下の3つの手段があります。
- M&Aマッチングサイトで探す
- 地元の金融機関に相談する
- M&A仲介会社に相談する
M&Aマッチングサイトで探す
M&Aマッチングサイトは、インターネット上で企業の売却案件を探すことができるサービスです。
特に近年ではM&Aの案件を探すための手段として主流になってきており活用する企業が増えています。
当社では、M&Aマッチングサイトを運営しており常時1,000件の売却案件を掲載しております。
大阪府の案件もありますので、一度見てみてください。
地元の金融機関に相談する
地元の金融機関に相談することも有効な選択肢の一つといえます。
地方銀行や信用金庫は、地元企業の事業承継支援や経営支援に力を入れているためM&Aの売却案件の情報を保有している可能性が高いです。
一度、懇意にしている地域金融機関に相談してみましょう。
M&A仲介会社に相談する
M&A仲介会社に相談することは、最もベーシックな手段の一つだといえるでしょう。
M&A仲介会社は、売却を検討している方を積極的に探索しており、売却案件の情報を豊富に持っていることが考えられます。
M&Aナビでは、プラットフォームに掲載していない非公開の案件を多数保有しておりますので、一度ご相談ください。
M&A仲介会社に相談する際は、手数料や費用など注意すべきことがいくつかあります。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
M&A仲介会社の選び方や費用について解説!2つ...
以前よりもM&Aが経営戦略の一つとして一般的になるにつれて、M&A仲介会社の選び方がポイントとなっています。 経済産業省も「中小M&A推進計画」を打ち出し、大企業だけでなく中小企業や小規模事業者におい…
大阪でのM&Aのまとめ
大阪ではM&Aによって自分の会社を引き継いでもらいたいと考える経営者が増えています。
特に事業承継を検討している経営者の方は、ぜひM&Aナビをご活用ください。
M&Aナビは、売り手・買い手ともにM&Aにかかる手数料などを完全無料でご利用いただけます。買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いのも特徴です。ぜひご活用ください。
株式会社M&Aナビ 代表取締役社長。
大手ソフトウェアベンダー、M&Aナビの前身となるM&A仲介会社を経て2021年2月より現職。後継者不在による黒字廃業ゼロを目指し、全国の金融機関 を中心にM&A支援機関と提携しながら後継者不在問題の解決に取り組む。著書に『中小企業向け 会社を守る事業承継(アルク)』
関連記事
M&A(エムアンドエー)とは?意味や目的、仕組みや手法などM&Aの基本を簡単に解説!!
M&A(エムアンドエー)とは、”Mergers and Acquisitions”の頭文字を取った略語であり日本語に直すと合併と買収です。 本記事では
M&Aは個人でもできる?個人が中小企業をM&Aで買収する方法とは
個人M&Aが書籍やTVなどのメディアで大きく取り上げられ、「自分もできる!」「個人でM&Aして社長になりたい!」といった意欲のある方が増えて
M&Aはどこに相談するのが良い?相談先の選び方や、選ぶときの3つの注意点を徹底解説!
M&Aを検討しているが、どこに相談すればいいかわからない…。そんな悩みを抱えるは当然です。 家族や従業員に気軽に相談できる内容ではないですし、銀行や税
中小企業の事業承継におけるM&Aのメリットと高く売却できる条件とは?
本記事では、事業承継の手段としてM&Aを活用することのメリットや高く売却できる条件について解説します。 近年、親族や従業員への事業承継ではなく、第三者
新着買収案件の情報を受けとる
M&Aナビによる厳選された買収案件をいち早くお届けいたします。