神奈川のM&A・事業承継を解説。会社売却事例も含めてご紹介

2024年03月15日

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近年の日本では後継者不足による事業承継の必要性が大きな社会問題となっています。
この記事では、全国トップの県内総生産額を誇る神奈川県のM&A・事業承継について、会社売却事例も含めてご紹介します。
神奈川県のM&Aがよくわかる内容となっているので、ぜひご覧ください。

神奈川県のM&Aの特徴

神奈川県は、日本全国で見ても、企業の合併や買収(M&A)および事業承継において、取引の金額と件数でトップクラスに位置しています。 最近のデータに基づくと、156件のM&A取引のうち、神奈川県内の企業が売り手と買い手の両方であるケースは10件、買い手が県内で売り手が県外(この中には8件の海外取引が含まれます)の取引は56件、そして買い手が県外で売り手が県内の取引は90件(このうち7件が海外取引)に上ります。

神奈川県のM&A市場の背景

神奈川県は、規模の大きな企業が多く存在する地域です。 また、日本で最もM&A取引の金額と件数が多い東京都との地理的近接性が、多数のビジネスチャンスを生み出しています。このことから、神奈川県ではM&Aに関する機会も多くなっています。実際、全国的に見ても、神奈川のM&A取引の金額と件数は非常に高い水準を維持しています。

帝国データバンクが行った「神奈川県『休廃業・解散動向調査』」(2021年)によると、休廃業や解散を選んだ企業の経営者の平均年齢は2021年で71.6歳に達し、2020年に続き70歳を超える傾向にあります。

年代別に見ると、「70代」が40.2%と約4割を占め、「80代以上」の比率も前年比で2.8ポイント増加しています。このデータは、経営者の高齢化に伴い、後継者不足によって企業の存続が難しくなっている現状を示しています。これを踏まえ、神奈川県では後継者不足の問題に対処するため、公的機関や金融機関、民間企業が協力し合い、事業承継の支援に力を入れています。

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神奈川県の特産地域における事業

神奈川県は、その経済の多様性と活気によって知られており、特に第3次産業、つまりサービスセクターが非常に発展しています。このセクターには、小売、卸売、さまざまなサービス業が含まれ、県の労働人口の大部分を占めています。平成27年の総務省による国勢調査の結果によれば、神奈川県民の約76%が第3次産業で働いており、この比率は年々高まっていることが確認できます。

このセクターの中でも、特に卸売業と小売業が目立っており、全体の約15%の人々がこの業界で働いています。これに続くのが製造業で、約14%の人々が従事しており、医療や福祉分野も約10.7%となっています。

神奈川県の商業事業所と従業者数は、共に全国トップクラスにランクされており、これは第3次産業のサービス業が非常に盛んであることを示しています。サービス業の発展は、地域経済の多様化と繁栄に寄与しています。

また、神奈川県は工業でも非常に活発で、2020年の製造品出荷額は約17兆円に達し、これもまた全国トップレベルです。ここで生産される製品は多岐にわたり、自動車やトラックなどの輸送機器、化学製品などが含まれます。京浜工業地帯は、横浜市や川崎市の埋立地を中心に展開しており、鉄鋼、石油コンビナート、自動車などの重工業が集中しています。工業が盛んな理由の一つとして、横浜港が近くにあることが挙げられます。これにより、製品の輸出が船舶を通じて容易に行える利便性があります。

神奈川県の主な会社

神奈川県には、数多くの企業が拠点を置いており、2019年時点で上場会社数は190社にのぼり、これは全国で第4位の数です。これは、全国の上場会社の約5%が神奈川県に集中していることを意味します。

特に有名な企業としては、日産自動車が挙げられます。日産自動車は、横浜市の積極的な誘致活動の結果として、2009年に東京の本社を横浜のみなとみらい21地区に移転しました。また、エンジニアリングの分野でグローバルに活躍する日揮も、神奈川県に拠点を構えています。日揮は、世界80カ国以上で2万件に及ぶプロジェクトを手がけており、その事業範囲は石油や資源開発から医療分野にまで及んでいます。

金融関係では、横浜銀行が特筆されます。この銀行は預金額や総資産で地方銀行の中でもトップクラスに位置づけられており、日本で最も古い銀行の一つとして140年以上の歴史を有しています。

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神奈川県で実際に行われたM&A

ここでは、神奈川の大企業中小企業で実際に行われたM&Aについてご紹介します。

食品加工業を名古屋のコンサルティング会社にM&Aで売却

関東エリアで複数の飲食店を経営している企業が、事業拡大の目的で加工食品販売事業を神奈川県内で展開していました。
地道な努力でメディアに取り上げられるなど成長を遂げていましたが、本業の飲食業が忙しく注力できていませんでした。
愛着ある事業だけに、できれば撤退したくないと思っていたところ、M&Aナビを通じて事業売却ができることを知り、候補先を募集することに。
主に名古屋エリアでコンサルティング事業を手がける方が、実業に携わりたいという想いから買収オファーを出して無事に成約に至りました。
売却時の売上高は約5,000万円、売却価格は1,500万円でした。

ITサービスの開発会社を同業にM&Aで売却

横浜市内に本社を置く従業員数4名の自社サービスの開発会社は、社長の高齢化を理由にM&Aナビを通じて売却先を探していました。
ほどなく東京本社の同業から買収の打診が届き、約2ヶ月でスムーズに売却に至りました。

安田倉庫によるエーザイ物流のM&A

2022年10月、安田倉庫はエーザイ物流の全株式を取得し、完全子会社化しました。
安田倉庫は医療品の物流、文書保管、情報管理を手掛ける企業で、このM&Aにより医薬品物流事業を強化しました。
エーザイ物流の豊富な経験とノウハウを活用し、より効率的な医薬品供給が期待されています。

ロピア・ホールディングスによるスーパーバリューのM&A

ロピア・ホールディングスは、2022年8月にスーパーバリューからの第三者割当増資を実施し、子会社化しました。
このM&Aにより店舗エリアの拡大や運転資金の確保、店舗改装などが図られました。

加賀電子による富士通エレクトロニクスのM&A

2018年9月、加賀電子は富士通エレクトロニクスの全株式を取得し、完全子会社化しました。
加賀電子は電子部品を扱う商社で、このM&AによりIotや半導体などの分野での競争力を高め、市場でのシェア拡大を目指しました。

JPホールディングスによるアメニティライフのM&A

JPホールディングスは、2021年11月にアメニティライフを吸収合併しました。
保育園や学童クラブなどの子育て支援事業を展開するJPホールディングスは、横浜市内で5つの保育所を運営するアメニティライフとのM&Aにより、事業基盤の強化を図りました。

スマイルダイニングによる「パティスリー雪乃下」事業のM&A

2020年にスマイルダイニングはエイトの「パティスリー雪乃下」事業を事業譲受しました。
スマイルダイニングは神奈川県を拠点に飲食店を運営する企業で、このM&Aによって事業の多角化を進め、ケーキやお菓子の製造・販売技術を獲得しました。

これらの事例から、横浜市におけるM&Aの動向と成功の要因を学ぶことは、今後M&Aの戦略を立てる際にとても重要なことです。

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神奈川県のM&A まとめ

本記事では、神奈川県のM&A市場の特徴、背景、および具体的な事業承継の例について詳しく見てきました。
神奈川県は、企業の合併や買収(M&A)および事業承継において、取引の金額と件数で全国トップクラスに位置しています。
特に、経営者の高齢化や後継者不足といった問題が浮き彫りになりつつあり、これらの課題への対応としてM&Aが有効な手段として注目されています。

神奈川県内で実際に行われたM&A事例を通じて、この地域の動向と成功の要因を探ることは、今後のM&A戦略を立てる上で非常に有用です。
食品加工業からITサービス、医薬品物流に至るまで、さまざまな業界でのM&A事例が示され、それぞれの事例から事業拡大や技術獲得、市場シェア拡大といった様々な成果が見受けられました。

神奈川は、全国的に見ても、M&A・事業承継の金額と件数がトップクラスになっています。

この記事を通して、神奈川県のM&A市場の動きと、事業承継の重要性について理解を深めることができるでしょう。
神奈川県におけるM&Aの特徴を把握し、これからのビジネスに生かしていくことが可能です。

神奈川県の会社を売却しようと検討している方は、ぜひM&Aナビをご活用ください。

M&Aナビは、買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いことが特徴です。ぜひご活用ください。

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