兵庫のM&Aについて解説 | 会社売却事例も含めてご紹介します

2022年03月20日


近年の日本では後継者不足による事業承継の必要性が大きな社会問題となっています。また、コロナ禍における経営戦略の一つとしても、M&Aは会社と従業員を守る選択肢の一つとして注目度が増しています。

さて、本記事では兵庫県におけるM&Aの特徴や動向を紹介します。

兵庫のM&Aの特徴

兵庫におけるM&Aの特徴として、地方銀行や信用金庫が積極的にマッチングを行なっていることが挙げられます。

帝国データバンクの調査では、2018年の兵庫県内の廃業件数は885件で、これは倒産件数よりも約2.1倍多い数字です。

廃業とは、会社が黒字だが後継者がいないなど、債務超過以外の理由によってやむをえず事業をやめることです。倒産よりも廃業のほうが2倍も多いということは、M&Aによって他社が事業を引き継ぐことができれば、不本意に廃業せずに済んだ会社がかなりあると推測できます。

なぜ廃業率が高くなるのか

兵庫では、事業承継の方法が変わりつつあります。

以前は子供や身内に引継ぐ「親族内承継」が圧倒的に多かったのですが、少子化が進んだことで承継できる親族が減っています。

また、従業員に承継させようと思っても、どのように事業を承継すればいいか分からない事業主が多いのも事実です。

仮に後継者が見つかっても、経営者としての育成と手続きには5年〜10年という長い時間がかかります。

そのため途中で承継が頓挫し、結局事業を廃業してしまう事例が多くなってしまうのです。

そのため現在では「第三者承継」、つまりM&Aによって売却する会社の比率が増加中です。

兵庫の休廃業・解散比率は全国平均よりも低い

起業よりも廃業のほうが多い兵庫ですが、では事業所全体で見た場合、廃業する企業はどの程度あるのでしょうか?

2014年に帝国データバンクが調べた都道府県別の企業数と休廃業・解散件数データによると、兵庫の事業所数は154,949件、休廃業と解散の件数は860件にのぼっています。休廃業・解散件数を事業所数で割って算出する休廃業・解散比率は0.555です。

休廃業や解散は、後継者不在など債務超過以外の理由で事業を終えることを意味します。後継者不在はM&Aで解決できるわけですから、休廃業・解散比率が高いほど、M&Aが活用されてないと推測できるわけです。

兵庫の休廃業・解散比率0.555はランキングでは全国38位にあたります。(全国平均は0.631)

したがって兵庫の場合、休廃業・解散比率にかぎって言えば、それほど悪くはない(M&Aもそこそこ利用されている)状況だと言えるでしょう。

だからといって楽観はできません。休廃業や解散によって、黒字経営の会社を無理やりたたむことは、当該地方における経済や雇用に少なからぬ影響を与えるからです。 M&Aを積極的に活用し、事業承継をスムーズに進めることで、休廃業・解散比率をさらに下げていく必要があります。

兵庫の銀行がM&Aを後押し

2018年、兵庫信用金庫とみなと銀行はM&A業務で提携を結びました。兵庫の中小企業が持つ技術力を次の世代へ引継ぐため、兵庫信用金庫の取引先情報をみなと銀行に開示してM&Aの仲介業務を行う内容です。

みなと銀行は神戸商工会議所と共同でM&Aを支援していたため、この業務提携により、兵庫のM&Aがさらに活発化するものと期待されています。

M&Aの種類〜株式譲渡と営業譲渡〜

中小企業のM&Aには、大きく分けて以下の2つの種類があります。

・株式譲渡
・営業譲渡

M&Aを検討している事業主に向けて、それぞれの特徴を解説します。

株式譲渡

株式譲渡は、発行している株式を全て売却することで経営権を譲るM&Aです。現在行われているM&Aでは最も一般的な方法です。株式譲渡には次のようなメリットがあります。

・手続きが簡単
・負債や担保は買手が引継ぐ
・資産、人材、免許をすぐに引継げる

売手としては、手続きが簡単なことと、負債や担保を買手に引継いでもらえることが特に大きなメリットです。売手の大半はこの株式譲渡を希望しますが、上記理由を考慮すると納得できます。

株式譲渡は、事業承継ができずに会社そのものを売却したいと考えている事業主におすすめのM&Aです。

事業譲渡

事業譲渡は、現在営んでいる事業の一部のみを売却するM&Aです。会社そのものを売却するM&Aではないので、活用法は限られます。

事業譲渡は、売却対象を交渉で決定できます。営業譲渡をすることで事業がスマートになり、効率が良い経営を実現できるのがメリットです。

株式譲渡と事業譲渡は、どちらも売手にとって魅力的なメリットを有しています。現在の経営状況や今後の見通しを踏まえて、どちらのM&Aを活用するか検討してみてください。

兵庫で実際に行われたM&A

兵庫で過去にどのようなM&Aが行われたのか、実例を紹介していきましょう。

兵庫のM&Aの事例①

売手企業:株式会社神戸マルゼン
買手企業:株式会社ココカラファイン
売却内容:兵庫県で展開している調剤薬局1店舗

神奈川県に本社を置く株式会社ココカラファインは、西日本でのヘルスケアネットワークの拠点として上記のM&Aを行いました。株式会社ココカラファインは全国でドラッグストアの経営を行っており、このM&Aにより店舗展開を拡大することに成功しました。

兵庫のM&Aの事例②

売手企業:トーラク株式会社
買手企業:丸大食品株式会社
売却内容:トーラク株式会社の全株式
取得価格:12億円

2020年、大阪府の丸大食品株式会社は、加工食品や惣菜を製造している食品メーカーです。神戸プリンやらくらくホイップなどを手掛けるトーラクを子会社化することで、事業領域の拡大ならびに商品開発力の強化を目論んでいました。既存の顧客のニーズはそのままに、新たな価値の提供に意欲を見せています。

兵庫のM&Aの事例③

売手企業:川瀬食品株式会社
買手企業:株式会社G-7ホールディングス
売却内容:株式売却契約

2017年、地域密着型のスーパーを展開する兵庫県の川瀬食品株式会社は、業務スーパーや農産物直売所、食品の卸売を展開する兵庫県の株式会社G-7ホールディングスに全株式を売却することで合意しました。これによって株式会社G-7ホールディングスは、食品販売事業での事業強化に成功します。

兵庫のM&Aの事例④

売手企業:株式会社フーズパレット
買手企業:フジッコ株式会社
売却内容:全株式売却

2019年、中華惣菜の販売を行う兵庫県の株式会社フーズパレットは、同じく兵庫県のフジッコ株式会社に全株式を売却することで合意しました。フジッコ株式会社は「ふじっ子」をはじめ、様々な食品の製造や販売を行っています。今回の合意でお互いのブランド力や商品開発力が強化されることが予想されます。

兵庫のM&Aの事例⑤

売手企業:松本精工株式会社
買手企業:株式会社カネミツ
売却内容:全株式売却

自動車用の電装部品などを製造販売している兵庫県の松本精工株式会社は、自動車や農機具用のプーリを開発販売している兵庫県の株式会社カネミツに、全株式を売却することを決定しました。今回のM&Aで部品開発事業を強化できるものと予想されています。

兵庫でのM&Aのまとめ

兵庫エリアでは、M&Aによって自分の会社を引き継いでもらいたいと考える経営者が増えています。

事業承継を検討している経営者の方は、ぜひM&Aナビをご活用ください。

M&Aナビは、売り手・買い手ともにM&Aにかかる手数料などを完全無料でご利用いただけます。買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いのも特徴です。ぜひご活用ください。

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