M&A成功事例34選~大企業、中小企業、業界別|2024年版成功の秘訣を大公開!~

2024年03月15日

>>事業の譲渡・売却について相談する

当記事では、M&A(企業の合併・買収)において成功した40の事例を紹介します。
大企業や中小企業、業界別に分けて取り上げ、その成功の秘訣に迫ります。
M&Aは企業成長のために欠かせない手段であり、成功のためには適切な企業選定や戦略的なアプローチが必要です。
ぜひ、この記事を参考にして、あなたの企業成長に役立ててください。

目次

M&A成功事例1

日本郵政と楽天が資本業務提携を実行

売り手である楽天は、Eコマースを含む70以上のサービスを提供しており、買い手である日本郵政は、全国規模で郵便事業を行っています。

M&Aの目的は、デジタルトランスフォーメーション(DX)や物流分野の協力を強化することです。具体的には、以下のような業務提携が計画されています。

  • キャッシュレス決済分野などの協力
  • 共同配送システムや物流拠点の構築
  • 楽天モバイルの申込みカウンターの設置・管理
  • 楽天から日本郵政へのDX人材の派遣

両社のM&Aでは、「日本郵政の物流ネットワーク・荷物データ」と「楽天の物流分野での受注データ活用のノウハウ」の相互利用によるシナジーが期待されています。

投資額は1兆4990億円で、出資比率は8.32%です。第三者割当増資方式が利用されました。投資金の支払いは2021年3月29日に行われました。

LINEとZホールディングスの経営統合概要

売り手であるLINEは、メッセージ送受信サービスを提供しており、一方で買い手のZホールディングスは、ECサイトや広告サービスを含む200以上のサービスを展開しています。
この経営統合の狙いは、両社の既存事業の強化と新規事業への投資です。統合により、「マーケティング」、「フィンテック」、「新規事業・システム開発」、「顧客獲得」の4つのセクターでのシナジーが見込まれています。
経営統合は以下の手順で進められました。まず、NAVERとソフトバンクによるLINE株式の公開買い付け(総額約1兆6800億円)が実施され、次いでLINEによるZホールディングス株式の公開買い付け(総額約7兆3960億円)が実施されました。その後、汐留Zホールディングスは消滅会社となり、LINEが存続会社として吸収合併されました。さらに、JV取引が実行され、ソフトバンクとNAVERが参加し、LINEの議決権比率を50:50にする目的が達成されました。LINEが保有する全事業はLINE承継会社へ引き継がれ、Zホールディングスが完全親会社となり、LINE承継会社は完全子会社となる株式交換が行われました。

以上が、複数の企業やスキームが関与する複雑なM&AであったLINEとZホールディングスの経営統合の概要です。この経営統合は2021年3月に完了しました。

ココカラファインとマツモトキヨシの経営統合実施

譲渡企業であるココカラファインは、全国に1,444店舗のドラッグストア・調剤薬局を運営する会社です。

一方、譲り受け企業のマツモトキヨシは、全国に1,755店舗のドラッグストア・調剤薬局を運営する会社です。

新規参入企業や異業種との競争、商圏の縮小などにより、ドラッグストア業界では厳しい経営状況が続いています。このような状況下で、両社は事業の成長を実現するためにM&Aを行うことになりました。

この経営統合により、商品共同開発や販売促進戦略のデジタル化などが実現され、両社は連結ベースで営業利益約2000億円のシナジー効果が得られることが発表されています。

両社の経営統合では、株式交換や新設分割、吸収分割など、複数のM&Aスキームが予定されています。この経営統合を通じて、ココカラファインはマツモトキヨシHDの子会社となります。最終的な効力発生日は、2021年10月1日(予定)です。

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M&A成功事例2

セブン&アイ、米国のスピードウェイを取得

セブン&アイ・ホールディングスは、アメリカ・オハイオ州を拠点とする小売業者スピードウェイを買収しました。同社はコンビニエンスストアおよび燃料小売業を展開しています。

セブン&アイ・ホールディングスは、日本のコンビニエンスストア業界最大手で、弁当、おにぎり、パン、中食と呼ばれる惣菜やおかずを独自のブランドで開発しています。

セブン&アイ・ホールディングスは、日本のコンビニ市場が飽和状態にあることから、海外での成長を追求し、北米市場におけるコンビニエンスストア事業の拡大を目指しています。同グループのセブン-イレブンは、全米で約9,800店舗を展開し、業界最大手です。

セブン&アイの米国子会社が、スピードウェイの発行済み株式を取得し、取得価額は約2兆2176億円となりました。

三菱商事と中部電力、オランダのEneco社を取得

三菱商事と中部電力は、再生可能エネルギーを中心とした発電、電力・ガストレーディング、電力・ガス小売り、地域熱供給事業を行うオランダのEneco社を買収しました。Eneco社はオランダ、ベルギー、ドイツで事業を展開し、オランダ国内で2番目に大きい顧客基盤を持ち、約120万kWの再生可能エネルギー資産を保有しています。

三菱商事は日本を代表する総合商社であり、最近ではエネルギーマネジメント関連のサービスを充実させています。一方、中部電力は中部地区を中心に関西や関東などへ進出し、海外展開も積極的に行っています。

三菱商事とEneco社は、2012年から欧州で3件の洋上風力発電事業(123万kW)や欧州最大規模の蓄電事業(5万kW)で協業してきた。今回の買収は、欧州における再エネ事業の拡大を目的としています。

買収総額は約5千億円で、株式売買契約締結後、三菱商事と中部電力が共同で設立した新会社(Diamond Chubu Europe B.V.)を通じて、Eneco社の株式を最大100%取得しました。今後は既存株主やEneco内の手続きを経た上で、買収が完了する予定です。

米ベインキャピタル、昭和飛行機工業をTOBで取得

本件では、昭和飛行機工業が生活支援機器、航空機機装品、軽合金構造物、ハニカム加工品、汎用コンテナ、輸送支援機材全般の製造・販売を行っている譲渡企業となります。一方、譲り受け企業のベインキャピタルは、1984年設立以来、プライベートエクイティ(PE)、ベンチャーキャピタル、ヘッジファンド、債券運用等を展開し、750億ドルの資産を運用しています。同社は、1984年にアメリカで設立され、2006年に日本事務所を開設しました。

買収の目的は、昭和飛行機工業の非公開化であり、ベインキャピタルが筆頭株主として、経営管理ノウハウの提供や新たな成長に向けた支援を行うことで、企業価値の向上を目指しています。

買収に伴い、ベインキャピタル系のケイマン籍の会社が昭和飛行機工業に対し、株式公開買い付け(TOB)を実施しました。昭和飛行機工業はTOBに賛同し、親会社である三井E&SホールディングスもTOBに応募し、保有する昭和飛行機株を売却しました。

大王製紙と丸紅、ブラジルの衛生用品大手Santherを子会社化

ブラジルで機能性フィルム、粘着シート、粘着剤などの合成樹脂材料の製造・加工・販売を手がけるSantherが、大王製紙と丸紅の合弁会社によって子会社化されることになりました。

大王製紙は、総合製紙メーカーとして1943年に設立され、ティッシュの「エリエール」や乳幼児用紙おむつ「GOO.N」などのブランドを展開しています。今回の子会社化は、海外展開の一環としてブラジル市場への進出を目的としています。また、ブラジル市場への進出を足がかりに南米全域への事業展開を視野に入れているとされています。

合弁会社は、大王製紙が51%、丸紅グループが49%を出資し、Santher全株式を取得することになっています。これにより、大王製紙はブラジル市場でのシェア拡大や、衛生用品の新たな需要を取り込むことが可能になる見込みです。また、丸紅は世界的な事業展開を進める中で、新たな市場への進出やビジネスチャンスを追求していくことが期待されています。

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M&A成功事例3

ニトリホールディングスによる島忠への株式公開買付けに関して

譲渡会社である島忠は、中堅のホームセンターで、家具やインテリアアイテム、ホームセンター商品を取り扱う小売店を60店舗(2020年8月末時点)展開しています。

一方、譲受会社であるニトリは、家具やインテリア商品の製造・販売を行い、国内外で合計607店舗を構え、製造から流通、販売まですべて独自に手掛けています。

島忠に関しては、業界大手のDCMホールディングスが株式公開買付けを実施し、その後、DCMとニトリの間で競合状態になりました。島忠は一度DCMの買収に同意を撤回し、ニトリの買収に応じることになりました。買収の実施は2021年1月を予定しています。

具体的には、ニトリは2021年1月に、1株あたり5500円で島忠株の買収を開始する予定で、買収成立後は、完全子会社化を目指すことになっています。

シャープがNECディスプレイソリューションズを取得

NECディスプレイソリューションズは、日本電気(NEC)の子会社で、世界各地で液晶ディスプレイやビジネスプロジェクター等の製品や関連サービスを提供しています。

一方、取得会社であるシャープは、電気通信機器や電気機器、電子部品の製造・販売を主軸とし、台湾資本の下にある。連結売上高は2兆2,712億円(2020年3月期)、連結従業員数は51,402名(2020年9月末時点)です。

両社が同じグループになり、シャープがNECディスプレイソリューションズの株式の66%を取得し、子会社化します。しかし、NECは引き続き、NECディスプレイソリューションズの株主として残ります。シャープとNECは、NECディスプレイソリューションズを合弁会社として共同運営することで合意しました。両社は、ディスプレイやプロジェクター市場において競争力を高め、シナジー効果を発揮することを目指しています。

シャープとNECディスプレイソリューションズの技術力や販売チャンネルを組み合わせることで、世界市場においてより強固なポジションを築くことが期待されています。また、共同運営により、両社は研究開発や生産効率の向上を図ることができ、最先端のディスプレイ技術を持つ製品を市場に提供することが可能となります。

今後のディスプレイ市場は、高解像度や薄型、省エネルギーなどの技術革新が求められる中で、競争が激化しています。シャープとNECディスプレイソリューションズが連携し、技術開発や市場拡大に取り組むことで、グローバル市場での競争力を高めることが期待されています。

M&A成功事例4

Blackstone GroupとHilton Worldwide Holdingsの買収

Blackstone Groupは、2007年にホテルチェーンのHilton Worldwide Holdingsを約260億ドルで買収しました。
これは、当時史上最大の民間企業の買収であり、不動産業界で話題になりました。
この買収により、Blackstone Groupはホテル不動産市場に進出し、Hilton Worldwide Holdingsは世界中で急速に成長しました。

Mitsubishi EstateとRockefeller Groupの合併

Mitsubishi Estateは、2015年に、ニューヨークに拠点を置く不動産開発会社のRockefeller Groupと合併しました。
この合併により、Mitsubishi Estateは米国の不動産市場に参入し、Rockefeller GroupはMitsubishi Estateのアジア市場に進出することができました。
両社は、お互いの強みを活かして、世界的な不動産開発プロジェクトを推進することができました。

セコムとエス・コンピュータシステムズの買収

セキュリティ会社のセコムは、2019年にエス・コンピュータシステムズを買収しました。
エス・コンピュータシステムズは、不動産管理システムの開発企業であり、この買収により、セコムは不動産管理システムに特化した新たな事業分野に進出することができました。
また、エス・コンピュータシステムズは、セコムのネットワークや顧客基盤を活用して、新たなビジネスチャンスを生み出すことができました。

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M&A成功事例5

メルカリの子会社によるOrigami買収の詳細

譲渡先であるOrigamiは、2012年に設立され、2016年にスマートフォン決済サービス「Origami Pay」を開始し、日本全国のさまざまな業種・業態の店舗やサービスで利用されています。2018年9月には、信金中央金庫と資本・業務提携を実現しました。

一方、譲受先であるメルペイは、メルカリの100%子会社であり、2019年2月にスマートフォン決済サービス「メルペイ」の提供を開始しました。また、2019年4月には、商品購入代金を翌月にまとめて支払える「メルペイスマート払い」にも対応しています。

M&Aの目的は、メルペイ、メルカリ、Origami、信金中金の4社が連携して、地域の中小企業へ「メルペイ」の導入を促進することです。

2020年1月、メルカリの子会社であるメルペイがOrigamiの株式を取得し、子会社化を発表したことで、M&Aが成立しました。これにより、メルペイとOrigamiのサービスが統合され、一層の拡大が期待されています。

楽天によるマイトリップ・ネットの買収の詳細

譲渡先であるマイトリップ・ネットは、日本最大のインターネット宿泊予約サイト「旅の窓口」を運営しています。

一方、譲受先の楽天は、Eコマース、トラベル、デジタルコンテンツなどのインターネットサービス、フィンテックサービス、モバイルサービス、プロスポーツなど70以上のサービスを展開しています。

楽天は上場により資金調達力や社会的な信用力を得ており、上場直後からM&Aを活用した規模拡大を積極化しています。国内旅行においては、楽天はJTBグループに次ぐ2位の取引高を誇っており、「楽天トラベル」の強化が狙いでした。

そして2003年9月、楽天は株式買収により子会社化した形で、マイトリップ・ネットを323億円で買収しました。この買収により、楽天は日本国内の宿泊予約市場において圧倒的なシェアを獲得し、グループ全体の収益増加につながりました。

M&A成功事例6

大正製薬がドクタープログラムを買収

ドクタープログラムは、機能性基礎化粧品「トリニティーライン」を中心にスキンケア製品を販売していた化粧品通信販売会社です。一方、大正製薬は一般用医薬品(OTC)で国内トップクラスの製薬会社であり、セルフメディケーション領域の事業強化のため、通信販売事業を拡充することを目的にドクタープログラムの買収を決定しました。買収は、武田薬品工業がドクタープログラムの親会社であるキョーリン製薬ホールディングスから株式を買い取る形で行われ、買収額は不明です。

村田製作所、ヴァイオス・メディカルを買収

ヴァイオス・メディカルは、米国の医療機器メーカーベンチャーで、心拍数、呼吸数、心電図等を計測できるチェストセンサの開発や、計測機器に関わるソフトウェアやクラウドサービスなどを提供しています。一方、村田製作所は、セラミックスを基とした電子部品の開発・生産・販売を手がける総合電子部品メーカーで、材料開発やプロセス開発、商品設計、生産技術及び関連するソフトウェア開発も行っています。村田製作所は、市況の変化が激しい電子部品を主力製品としていました。収益が安定しているヴァイオス・メディカルの買収により、グループ全体の収益を下支えする効果を見込み、2017年に、現地の子会社を通じた三角合併という手法により、ヴァイオス・メディカルの株式を取得し、完全子会社としました。買収額は114億円でした。

加ト吉(現テーブルマーク)がサンジェルマンを買収

パン屋「サンジェルマン」を展開するベーカリー事業が主力のサンジェルマンは、JTによる全株式取得後、子会社となっていました。一方、譲り受け企業であるテーブルマークは、冷凍食品やその他食料品の製造・販売を手がける国内大手冷凍食品メーカーであり、画期的な商品やヒット商品を多数生み出してきました。このM&Aは、中国製冷凍餃子の中毒事件を受け、グループの加工食品事業・調味料事業を旧加ト吉(現テーブルマーク)に移管したことをきっかけに、加ト吉(現テーブルマーク)がサンジェルマンを傘下に収める形で成立しました。M&A手法は、加ト吉(現テーブルマーク)がテーブルマークのJTグループ全株式を取得し、2008年7月に加ト吉(現テーブルマーク)の100%子会社となったとされています。

ソフトバンクによる日本テレコム買収の概要

固定通信事業者の日本テレコムは、後にインターネットサービスプロバイダー事業も手がけるようになりました。一方、譲り受け企業の概要は、携帯電話事業などを手がける子会社を持つ持ち株会社であり、子会社数は1,475社(2020年3月末現在)に上り、関連会社は455社(同)あります。M&Aの目的・背景は、日本テレコムのODNユーザーをスムーズにYahoo!BBに移行し、ネットワークへの投資を抑えることでコスト削減を図ることでした。M&Aの手法は、ソフトバンクが2004年に米国の投資会社リップルウッド・ホールディングス傘下にあった日本テレコムを買収したことです。買収後わずか3年ほどで、ソフトバンクは日本テレコムの営業強化やコスト削減を進め、経営を立て直し、グループの収益力に貢献するようになりました。この買収により、ソフトバンクは固定電話事業を手に入れ、携帯電話事業に加えて固定電話事業も展開することができるようになりました。また、日本テレコムは、海外事業を展開することで、グローバルな競争力を強化し、成長戦略を実行することができるようになりました。このM&Aは、日本の通信業界における大型M&Aの先駆けとして注目を集め、その後の業界再編に影響を与えることになりました。

M&A成功事例7

ヤフーがZOZOを買収し、PayPayモールの集客力を高めるためにZOZOTOWNを出店させる

譲渡企業のZOZOは、国内ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営しており、シェアは圧倒的である。一方、譲り受け企業のZホールディングスは、ヤフーを傘下に持つ持ち株会社であり、2019年に商号を「ヤフー株式会社」から「Zホールディングス株式会社」に変更した。

M&Aの目的は、Zホールディングス傘下のヤフーが運営する「PayPayモール」の集客力を高めるため、ZOZOTOWNをPayPayモールに出店させることである。さらに、Zホールディングスグループのモバイル決済サービス「PayPay」を、ZOZOTOWNに導入する計画もあると報道されている。

M&A手法は、Zホールディングスが約4007億円をかけ、TOBによりZOZOの発行済み株式を取得し、ZOZO株式の保有比率は50.1%(議決権ベース)となり、今年11月14日に買収が完了した。

JTがRJRI買収し、海外での販売本数を拡大するために

JTが買収したのは、米国のたばこメーカーRJRIで、買収当時、同社は世界最大のたばこメーカーであった。一方、買収を行ったJTは、主にたばこ事業のほかに医薬事業や食品事業を手がけており、2019年12月31日現在の従業員数は61,975人である。

JTがRJRIを買収した背景には、消費者の健康志向やたばこにかかる税金の引き上げなどがあり、JTの販売本数が伸び悩んでいたことが挙げられる。JTは海外での販売本数を1,000億本にする目標を掲げており、今後も成長を続けていくためには大型の企業買収が必要だと判断し、RJRIの買収に踏み切った。

JTはRJRIを約9,400億円で買収し、クロスボーダー取引として、従来比約10倍となるたばこ販売本数を得ることができた。

富士フイルムが富山化学を買収し、医療分野で事業拡大を図る

譲渡企業である富山化学は、研究開発型の製薬企業であり、抗ウイルス薬などで世界的な実績を残している。一方、譲り受け企業の富士フイルムは、従来の写真技術を生かした診断領域から、予防や治療に事業領域を拡大する目的で本案件を実施した。

富士フィルムは2000年以降、7000億円弱規模のM&Aを実施し、写真関連事業のリストラクチャリングに乗り出し、選択と集中を進める一方で、近年は医療分野でM&Aを積極的に展開している。2008年3月、富山化学は株式公開買い付け(TOB)により富士フイルムの連結子会社となった。

アサヒグループが豪州のビール事業を買収し、グローバルな事業基盤の構築を目指す

アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー、ABI)の子会社であるCUBが、豪州のビール事業を中心に幅広い品揃えを有する会社として譲渡されることになった。これに対し、アサヒグループホールディングスが買収先に選ばれ、160億豪ドル(約1兆2096億円)での合意に至った。

アサヒグループホールディングスは、アサヒビールなどを中核とする飲料メーカーであり、2016年以降、海外でのM&Aを加速してきた。今回の買収により、同社は「Great Northern」を含む有力ブランドの取得によって、日本、欧州、豪州の3極を核としたグローバルな事業基盤を構築することを目指しており、海外での販売拡大と収益の安定化を図る狙いがある。また、豪州市場におけるビール事業の強化を目指し、同社が保有する技術やノウハウを活用して、品質や味わいの向上にも取り組む予定である。アサヒグループは、今後も積極的なM&Aによる事業拡大を目指し、グローバルな競争力を強化していく方針を示している。

テクノモバイル社によるCOMBO社の会社買収

COMBO社はVRおよびAR開発を得意とする企業で、テクノモバイル社はWebシステムやモバイルアプリの開発が主力事業です。テクノモバイル社は、新型コロナウイルスによる経営不安を解消するためにCOMBO社を買収し、M&Aを行いました。買収は、2020年に株式譲渡のスキームを用い、COMBO社の株式の90%を譲渡する形で実行されました。売り手と買い手は、買収後にシステム開発の業務における連携体制を確立しました。

スキャト社によるアヤト社の売却:M&Aの概要

アヤト社は富山県で書籍や販促物の企画・印刷サービスを提供し、スキャト社は福岡県で一般商業印刷業を運営していました。アヤト社は事業承継を検討しており、社内の後継者が見つからず、社員の雇用を継続するためにM&Aを選択しました。一方、スキャト社は異なる顧客層がシナジーを生むと期待して、M&Aを行いました。両社のM&Aは株式譲渡によって実施され、売り手はあらかじめ社員に対してM&Aを行うことを公表し、買い手の経営者はM&A後もアヤトで経営の統合を進めました。

日輪社によるライフ・コーポレーション社の買収

ライフ・コーポレーション社は愛知県で施設の常駐警備事業を行っており、日輪社は総合的な人材サービス業を展開しています。ライフ・コーポレーション社は高齢化に伴う事業承継を行うために会社売却を決定し、日輪社は自社の求人サイトに登録している高齢人材の働き先を確保するため、ライフ・コーポレーション社とのM&Aを行いました。売却は株式譲渡の形式で実行され、売り手企業の経営者はM&A完了時に引退予定でしたが、買い手企業の社長からの要望により、現在でも経営者として活躍しています。

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M&A成功事例8

SDアドバイザーズ社への株式譲渡:コウイクス社のM&A

売り手企業はIT企業であり、システム開発やインフラ構築のサービスを提供しています。一方、買い手企業のSDアドバイザーズ社は、金融分野に特化したシステム開発・支援を主力事業としています。M&Aの目的は、売り手企業の社外への事業承継であり、SDアドバイザーズ社への会社売却が実行されました。売り手企業は、当初は社内承継を予定していましたが、前社長の奥様の体調不良により、M&Aを選択することになりました。買い手企業は、非金融システム分野に参入するため、売り手企業を買収しました。M&A手法は、株式譲渡で実行されました。SDアドバイザーズ社の傘下企業となったことで、売り手企業は従業員の主体性向上や経理のデジタル化などの効果を得ることができました。

小野写真館が旅館「桐のかほり 咲楽」を事業譲渡した経緯

静岡県伊豆にある「桐のかほり 咲楽」として知られる旅館を経営する売り手は、後継者不足を理由に、外部の第三者に事業を譲渡することを決定しました。一方、ブライダル事業で成長している「小野写真館」は、業態転換を図るために異業種の売り手とM&Aを行うことを決めました。

売り手と買い手双方が相手企業に良さを見出し、経営理念に共感したため、わずか3ヶ月でM&Aが成立しました。売り手は、旅館を小野写真館に譲渡し、買い手企業は旅館に併設されたウェディングフォトスタジオを開設し、旅館全体を貸し切った挙式も成功させました。売り手と買い手双方の良さが融合し、異業種M&Aによるシナジーが生まれた成功例となりました。

ミチネイルを運営するミチが丸井織物に事業売却した経緯

自社事業の集中を目的に、売り手であるミチは、ネイルチップ販売サイト「ミチネイル」を丸井織物に事業売却しました。一方、子会社「オリジナルラボ」を通じたデジタルマーケティングの強みと、売り手企業のECサイトノウハウを持つことから、シナジー効果を狙ってM&Aを実施した買い手企業は、売り手企業に協力しながらも、新規事業を開始しました。

このM&Aにより、丸井織物はミチのEC販売やPR活動のノウハウを活用しつつ、自社の商品の多様化を進めることができました。また、売り手オーナーは新規事業を始めながらも、買い手企業のネイル事業に協力することで、良好な関係性を築くことができました。両社の協力により、M&A後も良好な関係を維持し、互いのビジネスを発展させることができたと言えます。

スニタトレーディングがゴーゴーカレーグループに事業売却した経緯

スニタトレーディングは、国内で7店舗の本場インド料理店を運営する売り手企業でした。一方、チェーンのカレー店運営やカレーの商品開発・販売を行う買い手企業であるゴーゴーカレーグループは、スニタトレーディングのハラール料理を作れる工場を獲得することを目的に、M&Aを実施しました。

スニタトレーディングは、自社の手作り商品をデパートなどに卸しても、十分な利益を得られていなかったため、自社商品の味を広めるために、EC販売やPR活動を得意とする買い手企業に工場を売却することを決めました。売り手と買い手双方が目的を達成するために、事業譲渡のスキームを用いたM&Aを行いました。

このM&Aにより、ゴーゴーカレーグループは、自社の販路を使ってスニタトレーディングの商品を展開できるようになり、スニタトレーディング側は、ハラール料理のブランドや新メニューを開発することができるようになりました。

ENCOMがアイティエルホールディングスに売却された経緯

ENCOMは、広島県に拠点を置くITシステム開発会社であり、アイティエルホールディングスは、インフラ系のシステム開発会社4社と複数の事業を展開する企業6社を保有する買い手企業でした。

売り手企業であるENCOMは、アイティエルホールディングスとのM&Aにより、事業承継を目的としていました。一方、買い手企業であるアイティエルホールディングスは、ENCOMとのM&Aを通じて更なる事業拡大を目指しました。アイティエルホールディングスは、インフラ系システム開発会社4社や複数の事業を展開する企業6社を保有しており、グループ横断でサービス・製品を展開する「プラットフォーム構想」を進めていました。ENCOMの技術力を活用し、自治権を持ったENCOMに強みを発揮してもらうことが、アイティエルホールディングスの目的でした。M&Aは、株式譲渡の手法で行われ、売り手企業であるENCOMの柔軟な対応により、スピード成約が実現しました。

M&A成功事例9

ENCOMによるアイティエルホールディングスの企業売却

ENCOMはITシステム開発会社であり、アイティエルホールディングスはシステム開発会社4社と事業6社を持つ企業です。売り手は、アイティエルホールディングスとM&Aを行い、買い手はENCOMとのM&Aを通じて事業拡大を目指しました。

両社のM&Aは、株式譲渡で行われ、コロナ禍の影響で直接対面が困難でしたが、柔軟な対応により、3ヶ月で成約に至りました。

ENCOMは、自治権を持ちつつ、プラットフォーム構想を進め、買い手企業の経営資源を活用することで強みを発揮することが目的です。

デジタルクエストがトレジャー・ファクトリーに売却された理由

デジタルクエストはECサイトやアプリ開発を手がける企業であり、トレジャー・ファクトリーはリユース業を展開する企業です。

売り手は、新しい事業領域で多様なサービスを提供することを目的にデジタルクエストを売却し、買い手はシステム開発を主力とするデジタルクエストとのM&Aを通じて技術力を強化することを目的としています。

M&Aは株式譲渡で行われ、買い手企業グループに参画することで、デジタルクエストの社員たちは自分たちの意思でサービスを開発できるようになりました。また、買い手企業側でも、デジタルクエストの開発者たちから前向きな意見が寄せられ、双方が満足できるM&Aとなりました。

IT情報系ウェブサイトの事業譲渡に関する報道

株式会社Choiseeは、宮城県にあるガジェット・IT系ツールのレビューメディアの運営企業でした。一方、事業を引き継いだ企業は大阪に拠点を置くWeb関連企業で、Webサイト制作、オウンドメディア制作・運営、システム開発などを手がけています。この企業は、事業拡大のために運営メディアを増やす戦略をとっており、Choiseeの事業譲渡を受けることでその戦略が進むことになりました。

Choiseeのオーナーは、一人でメディア運営を手がけることが困難になってしまったため、事業譲渡を決定しました。オーナーは自分で買い手企業を探し、M&Aマッチングサイトに登録しました。その結果、譲り受け企業がChoiseeの事業を引き継ぐこととなり、譲渡金額もオーナーが納得できるものであったため、事業譲渡が成立しました。

TORIPの事業譲渡に関する報道

LIG株式会社は、東京・上野に拠点を置くWeb制作会社であり、自社メディアやコンテンツ制作、地方創生事業、シェアオフィス、英会話スクールなど幅広い事業を展開しています。TORIPは、LIGが運営するCtoC(個人間)プラットフォームで、事業者や個人が旅行者とマッチングするサービスでした。しかし、TORIPの担当者が不在であったため、事業売却を決断することになりました。

埼玉県に拠点を置くIT企業がTORIPの事業を譲り受け、譲渡金額はLIGが納得できるものであったため、事業譲渡が成立しました。LIGのCTOが一定期間、サービスの運営を支援するコンサルティング契約を締結し、LIGによる保守運用の提案も譲り受け企業によって受け入れられました。

M&A成功事例34選:大企業、中小企業|2024年版:成功の秘訣を大公開! まとめ

この記事では、M&A(合併・買収)の成功事例を40選ご紹介しました。大企業、中小企業、業界別に分けて、各事例の成功の秘訣について解説しました。

それぞれの事例において、成功の秘訣として、戦略的な視点や市場調査、顧客や従業員のニーズの把握、適切なタイミングでの買収や合併、合併先や買収対象の文化やブランド価値を尊重する姿勢などが見て取れると思います。

ぜひ、この記事を参考にして、あなたの企業成長に役立ててください。

またM&Aナビは、売り手・買い手ともにM&Aにかかる手数料などを完全無料でご利用いただけます。買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いのも特徴です。

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    2024年03月15日

    M&Aはどこに相談するのが良い?相談先の選び方や、選ぶときの3つの注意点を徹底解説!

    >>事業の譲渡・売却について相談する 近年の日本では、M&Aのニーズが高まってきており、中小企業においてもM&Aの選択肢をとるケースが増えて

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