ゼロゼロ融資(無利子・無担保融資)とは?ゼロゼロ融資の仕組みを解説します!

2022年07月25日

2020年に中国の武漢より拡大した新型コロナウイルス感染症は世界経済に大きな影響を与えました。
日本においても株式市場の暴落やインバウンドの後退、老舗旅館の廃業などあらゆる影響が生じました。
一方、オンライン診療やリモートワークなど、ライフスタイルやこれまでの常識が大きく変わったきっかけにもなり、事業環境も大きく変わりました。
新型コロナウイルス感染症拡大によって、中小企業においてもクラウドやテクノロジーを活用する世の中に変わり、ニューノーマルを体感する事業者も多いのではないかと思います。

また中小企業においては、新型コロナウイルス拡大の関係で大幅な需要減や休業を余儀なくされ、多大な損害が発生した事業者も少なくありません。ほかにも工場の生産が停止し、部品が供給されない事態が発生したり、在宅ワークに伴い木材の需要が逼迫し、木材価格が高騰(ウッドショック)が発生したりするなど様々な影響をもたらしました。

今回ご紹介するのは、新型コロナウイルス拡大による企業の倒産を防ぐ支援策として打ち出された、「ゼロゼロ融資」についてです。
すでに利用されている方も多くいらっしゃると思いますが、ゼロゼロ融資の仕組みについて詳しく述べていきたいと思います。

ゼロゼロ融資とは?

ゼロゼロ融資とは新型コロナウイルス感染症によって売上が減少した企業を対象に、実質無利子、無担保で融資を行う支援制度のことです。

新型コロナウイルス感染症拡大による事業環境の悪化により、一時的に企業の収益が減少することが避けられず、運転資金の枯渇や借入金の返済不能が発生し、倒産件数が増えると予想されました。
こうした事態を防ぐため、官民一体となりできた支援策がゼロゼロ融資です。

ゼロゼロ融資とは、無利子無担保融資や、新型コロナウイルス感染症特別貸付とも呼ばれ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一定以上業績が悪化した中小企業や個人事業主を対象に、実質無利子無担保で融資を受けられる支援制度のことです。
現時点では民間金融機関での受付は終了しており、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などの政府系金融機関では引き続き受付を行っている状況です。

ゼロゼロ融資の仕組み

ゼロゼロ融資は中小企業や個人事業主が対象となります。
零細企業や個人事業主では最大6000万円、中小企業では最大3億円が実質無利子で融資を受けることができます。

返済が滞った場合は、最大8割もしくは全額が信用保証協会によって保証される仕組みとなっているほか、利息についても利子補給により、一定期間国が企業の代わりに負担をするため、事業者側からすると安心して運転資金や設備投資資金等の融資を受けることができる点が特徴です。
のちほどご説明しますが、例えば日本政策金融公庫では設備資金、運転資金ともに最長で20年間借りることが可能で、最長で借入を行う場合は最初の5年間、元金の返済が免除されることが特徴です。

新型コロナ対策特別融資の種類

2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、民間金融機関や政府系金融機関で様々な特別融資が発表されました。
一例ではございますが、これまでどのような特別融資が発表されたのか以下に記載しております。

  • 新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)
  • セーフティネット貸付(日本政策金融公庫)
  • 新型コロナウイルス感染症対応資金(民間金融機関)
  • 新型コロナ感染症特別貸付(商工組合中央金庫)

新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)

日本政策金融公庫が受付を行うコロナ融資制度です。
融資金額は零細企業や個人事業主であれば上限で8000万円までとなっており、うち6000万円までは金利の優遇措置を受けることができます。
中小企業であれば融資金額が上限で6億円までとなっており、うち3億円までは金利の優遇措置を受けることができます。
また借入期間は運転資金、設備資金ともに20年と長く、うち据置期間も5年以内となっております。
利用条件は新型コロナウイルス感染症により一定の影響を受けた事業者が対象となります。

セーフティネット貸付

日本政策金融公庫が受付を行うコロナ融資制度です。
融資金額は上限で4800万円までとなっております。
また借入期間は運転資金で8年、設備資金で15年長く、うち据置期間も3年以内となっております。
利用条件は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業者が対象となり、新型コロナウイルス感染症特別貸付の要件に当てはまらない事業者であっても活用できる点が特徴です。

新型コロナウイルス感染症対応資金(民間金融機関)

こちらについては2021年3月末で申込期間が終了しておりますが、民間金融機関のゼロゼロ融資として特別融資が行われておりました。
融資金額は上限で6000万円までとなっております。
また借入期間は運転資金、設備資金ともに10年間で、うち据置期間も5年以内となっております。

新型コロナ感染症特別貸付(商工組合中央金庫)

商工組合中央金庫が受付を行うコロナ融資制度です。
融資金額は上限で20億円までとなっております。
また借入期間は運転資金で15年、設備資金で20年となっており、どちらも据置期間も5年以内となっております。
また借入を行う際、当初3年間は利子補給による金利の優遇措置を受けることができます。
利用条件は新型コロナウイルス感染症により一定の影響を受けた事業者が対象となります。

ゼロゼロ融資の効果

新型コロナウイルス感染症の影響から中小企業を支えるために開始されたゼロゼロ融資ですが、これまで官民合わせて貸出総額は2021年末時点で42兆円を超えました。
また2021年の倒産件数(負債額1000万以上先)はバブルのピークである1990年を下回る件数となり、効果は絶大であったと言えます。
ただし今後返済を迎える企業が増え、ゼロゼロ融資の副作用が懸念されております。

ゼロゼロ融資の副作用

ゼロゼロ融資の利子補給の期限が3年間となっており、2023年以降、借入金に対し金利の負担が発生する事業者も出てきます。
こうした背景もあり、2022年に入りゼロゼロ融資の返済が本格化している状況です。

今後ゼロゼロ融資の副作用として懸念されていることが、新型コロナウイルスの収束が見えず返済負担に耐えきれない企業や、ゼロゼロ融資により延命措置のような形で資金供給を受けた企業が返済不能により倒産をすることです。
またこれによりサプライチェーンの崩壊や連鎖倒産が起こり、新型コロナウイルス拡大期以上の不況となる可能性もあります。
最近では原油高や円安といった企業業績を逼迫させる新たな問題が出てきているため、当初の想定よりもさらに深刻な状況になると予想されております。

ゼロゼロ融資 まとめ

今回のコラムでは「ゼロゼロ融資の仕組み」についてご説明いたしました。
ゼロゼロ融資によってコロナ禍の倒産件数は歴史的な低水準となりました。
企業の内部留保は戦後最大となり、企業にとって新型コロナウイルスの拡大は一時的な業績悪化のピンチと、さらなる成長にむけた大きなチャンスをもたらしました。

しかし今後ゼロゼロ融資の副作用が顕著に出てくると言われてます。
M&Aにおいては今後「崩壊したサプライチェーンを修復するため会社を買いたい」、「事業が不安定になる前に第三者承継をしたい」といったご要望が出てくるかと考えております。
弊社はこうした戦略を検討される事業者のご支援を行っておりますので、是非お気軽にご相談ください。

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