農業のM&A動向を解説!後継者を探すにはどうすればいい?マッチング方法を解説
日本の農業は、高齢化や後継者不足、競争激化など多くの課題に直面しています。
これらの問題に対処するため、農業分野でのM&A(合併・買収)が注目を集めています。
本記事では、農業の現状と課題、2025年に注目すべきM&A動向、そのメリットと注意点、さらに後継者候補とのマッチング方法について詳しく解説します。
M&Aナビには、様々な企業規模や業種の売り手・買い手の方にご登録をいただいており様々な出会いのお手伝いをしています。
目次
農業の現状と課題
農業とは
農業とは、農作物を育てる産業分野の総称です。畑や水田で米、野菜、果物などの食料や、飼料作物を生産する一次産業に当たります。
日本の食料自給率は非常に低く、国民生活を支える重要な基盤となっています。
農業の課題
日本の農業が直面する主な課題は以下の通りです。
- 農業従事者の高齢化と後継者不足
- 農地の遊休地化や付加価値向上の遅れ
- 自然災害や気候変動による影響
- 輸入農産物との競争
- 人手不足や労働力の確保
こうした課題に対処するため、農業分野でもM&Aなどによる経営の効率化や事業承継の取り組みが活発化しつつあります。
農業の生産現場を維持・発展させるには、担い手確保と生産基盤の強靭化が急がれており、M&Aはその有力な手段と位置付けられています。
2025年に注目すべき農業のM&A動向
農業のM&Aの現状
農業分野でのM&A件数は年々増加しつつあり、2022年には過去最多の約240件が成立しています。
買収を受ける側としては、高齢化で後継者不在の農家や遊休農地を抱える法人などが中心です。
一方、買収側は農業参入を目指す企業や農業法人などが名乗りを上げています。
農業のM&Aの今後
こうしたM&Aの活発化は、今後も続くと予想されます。
2025年までに高齢化の進展で廃業を検討する農家は更に増えると見られ、農地の有効活用に向けてM&Aニーズが高まると考えられています。
また、労働力不足への対応や収益性向上、6次産業化などを目的とした大規模農業法人による買収も増加すると予測されています。
AI・ロボット技術の農業分野への導入なども後押しするでしょう。
さらに、自治体による農地の貸借や買取事業を通じてM&Aを仲介するケースも出てくるものと思われます。
地方創生の観点から、遊休農地の活用に力が入ることになります。
このように農業分野でのM&Aは、今後さらに活発化していく可能性が高いと言えるでしょう。
農業のM&Aのメリット
売り手のメリット
高齢などで廃業を検討している農家が、自らの農地や経営資源をM&Aで売却することで、以下のようなメリットが得られます。
- 後継者不足の問題を解決できる
- 農地の遊休化を防ぐことができる
- 借入金の返済や従業員の退職金にあてられる
適切な買い手に農地や設備などを引き継がせられれば、長年の経営努力が無駄にならず、廃業に伴うコストも最小限で済みます。
買い手のメリット
一方で、農業参入や規模拡大を目指す企業が、M&Aで既存の農業経営を買収することで以下のメリットがあります。
- 既存の農地や設備が活用できる
- ブランド力のある農産物を手に入れられる
- 参入の時間とコストを節約できる
- 生産の拡大や6次産業化への足がかりが得られる
特に法人経営の農業では、土地の確保が参入の大きな障壁となっていますが、M&Aによりその解決につながります。
このように、双方の事情に合わせてメリットが得られる形でM&Aが活用されています。
農業における後継者候補とのおすすめマッチング方法
引継ぎ支援センターへの相談
農林水産省が運営する「農業労働力素材発掘センター」では、UIJターンで就農を希望する都市住民と、後継者不在の農家とのマッチングを支援しています。
全国に拠点を持ち、年間1,000組以上の引継ぎ支援実績があります。
相談は無料で、専門のコーディネーターが適切な候補者を探し、引継ぎプランを立案してくれます。
農協への相談
最寄りの農協にも相談できます。
農協では地域の農業状況を把握しており、引き継ぎ希望者と譲り受け希望者の情報を持っていることがあります。
マッチングに加え、手続きの支援や研修なども受けられる場合があります。
M&A仲介会社への相談
M&A専門の仲介会社に依頼することもできます。
農業分野に特化した会社もあり、営農資産の適正評価や買収候補企業の紹介、交渉支援などを手掛けています。
手数料が発生しますが、プロのサービスが受けられます。
M&Aプラットフォームへの相談
近年、オンラインのM&Aプラットフォームが注目を集めています。
譲渡希望の農業経営者と買収希望企業をマッチングさせ、手数料収入を得るビジネスモデルです。
対面営業がないため手数料が安く、全国規模で橋渡しが可能です。
このように、複数のルートがあり、地域や規模、ニーズに合わせて活用できます。
プロの支援を得られるメリットがあるものの、費用と自身の交渉力も勘案する必要があります。
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農業のM&Aにおける注意点
農地の状況
農地については、その状況をしっかりと把握しておく必要があります。
地形や土壌の質、用排水施設の整備状況、付帯設備の老朽化度など、生産に影響を与える要因を確認しましょう。
地目(田畑の別)も重要で、後々の転用や遠隔地からの営農の可否にも影響します。
農地がおかれている環境
また、農地が置かれている立地環境も大切なポイントです。
周辺の農地との競合状況や、道路アクセスの良し悪し、大気汚染や騒音の有無、地震や台風など自然災害のリスクなども把握が必要です。
法人格
法人経営の場合は、その法人格(株式会社か有限会社か等)による課税関係や財務体質の違いなども考慮しなければなりません。
将来の経営計画との親和性を検討する上で、法人格は重要な要素です。
このように、農業のM&Aでは一般的な企業M&Aとは異なる点に留意が必要です。
農地の実態や周辺環境の確認が不可欠であり、法人経営の場合も注意を要します。農業分野に精通した専門家に相談することが賢明でしょう。
農業のM&Aに関するまとめ
農業分野でのM&Aは売り手・買い手双方にメリットがあり、2025年に向けてさらなる加速が予想されています。
後継者候補とのマッチングには様々な方法がありますが、それぞれの特徴を理解し、自身のニーズに合った選択が重要です。
農業のM&Aには一般的な企業M&Aとは異なる注意点があるため、専門家のアドバイスを受けることが成功の鍵となるでしょう。
適切に実施されれば、M&Aは日本の農業が直面する課題に対する有効な解決策の一つとなる可能性があります。
M&Aナビは、売り手・買い手ともにM&Aにかかる手数料などを完全無料でご利用いただけます。買い手となりうる企業が数多く登録されており、成約までの期間が短いのも特徴です。

株式会社M&Aナビ 代表取締役社長。
大手ソフトウェアベンダー、M&Aナビの前身となるM&A仲介会社を経て2021年2月より現職。後継者不在による黒字廃業ゼロを目指し、全国の金融機関 を中心にM&A支援機関と提携しながら後継者不在問題の解決に取り組む。著書に『中小企業向け 会社を守る事業承継(アルク)』
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