債務超過であっても会社売却はできる?成功のポイントや進め方について解説!

2024年09月05日

債務超過に陥った企業でも、適切なアプローチを取れば売却は十分に可能です。

本記事では、債務超過の会社が売却できる理由や、そのメリット・デメリット、売却を成功させるためのポイントを詳しく解説します。

債務超過の企業が売却に成功するために必要な知識を、わかりやすくお伝えします。

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債務超過の会社は売却できる?

債務超過とは

債務超過とは、会社の負債がその資産を上回っている状態を指します。
具体的には、会社が持つ資産をすべて売却したとしても、その売却代金だけでは負債を全額返済できない状況を意味します。

これは、財務的には非常に厳しい状況であり、通常は経営が困難になることを示します。

多くの人が、このような状況に陥った会社は売却が難しいと考えますが、実際には債務超過であっても売却は可能です。

債務超過であっても会社売却は可能

債務超過の状態でも、適切な買い手が見つかれば会社の売却は可能です。
これは、買い手がその会社の将来性や事業資産、人材に価値を見出す場合が多いためです。

買い手は、債務超過の状態であっても、戦略的な買収によって事業の再構築やシナジー効果を期待し、その会社を手に入れることで競争力を高めたいと考えることがあります。

また、買い手が業績回復のノウハウを持っている場合、その会社の立て直しが可能であると判断することもあります。

債務超過の会社を売却するメリット

事業継続が可能

債務超過の状態にある会社にとって、売却は事業継続のための重要な選択肢となります。
買い手が見つかれば、その会社の事業は新たな資本と経営資源を得ることができ、通常では倒産や廃業に至る可能性のある状況でも事業を続けることが可能になります。

特に、買い手が同業種であれば、既存の事業基盤を活用しつつ、さらなる成長を目指すことができます。
事業が継続されるだけでなく、新たな市場展開やサービス拡充が期待できます。

経営のプレッシャーからの解放

債務超過の状態で経営を続けることは、経営者にとって大きな精神的負担となります。
日々のキャッシュフローの管理や、債権者との交渉、従業員や顧客への対応など、プレッシャーは計り知れません。

しかし、会社を売却することで、経営者はこれらの負担から解放されることができます。

新たなオーナーが引き継ぐことで、経営者は新しいキャリアをスタートさせるか、あるいは引退して自由な時間を得ることができます。

従業員の雇用維持

会社が債務超過に陥ると、従業員の雇用が危ぶまれることが多いです。
しかし、会社が売却されることで、従業員の雇用が維持される可能性が高まります。

新しいオーナーが経営を引き継ぎ、事業を再構築することで、従業員は引き続き仕事を続けることができます。

これは、従業員にとっても安定した雇用環境が保たれることを意味し、会社としても大きなメリットとなります。

債務超過の会社を売却するデメリット

事業の価値が低い状態で売却することになる

債務超過の会社を売却する際、最大のデメリットは、事業の価値が低い状態での取引となることです。
買い手にとって、負債が資産を上回っている状況はリスクが高く、そのため売却価格が大幅に下がる可能性があります。

これは、売り手にとって経済的な損失を意味し、希望する価格での売却が難しくなることが多いです。

売却価格が低い場合、債務を全額返済できない可能性もあり、結果として個人保証の履行や追加の資産売却が必要となるケースも考えられます。

従業員の不安や反発

会社の売却は、従業員にとって大きな変化を伴います。
特に、債務超過の状況での売却となると、従業員の不安がさらに高まることが予想されます。

新しい経営者によるリストラや待遇の悪化、労働環境の変化などが懸念されるため、従業員が反発する可能性もあります。

このような状況では、従業員の士気が低下し、生産性の減少や離職者の増加につながるリスクもあります。

そのため、売却の際には、従業員との適切なコミュニケーションが重要となります。

債務超過の場合の企業価値の考え方

明確な相場はない

債務超過の企業における企業価値の評価は、一般的な企業とは異なり明確な相場が存在しないことが特徴です。
通常、企業の価値は収益性や資産の価値を基に評価されますが、債務超過の場合、負債が資産を上回っているため、標準的な評価方法が適用できません。

このため、買い手は企業の収益回復の可能性や事業の将来性など、定量的な指標以外の要素を重視することが多くなります。

企業価値を決定する際には、交渉の力や買い手の戦略に依存する部分が大きくなります。

評価してもらえるポイント

債務超過の企業でも、評価してもらえるポイントは存在します。
これらのポイントを的確にアピールすることで、企業価値を最大化することが可能です。

以下に、評価されやすいポイントをいくつか挙げます。

保有する資産・設備

債務超過の企業であっても、保有する資産や設備には一定の価値があります。

特に、特殊な機械設備や不動産など、他社では入手しにくい資産を持っている場合、それが企業価値の一部として評価されます。

買い手はこれらの資産を活用して、事業の立て直しや新たな展開を図ることができます。

事業の将来性

企業の将来性も、買い手が注目する重要なポイントです。

債務超過の原因が一時的なものであり、再建可能な見込みがある場合、買い手はそのポテンシャルに価値を見出します。

特に、成長市場における事業や、将来的に高い需要が見込まれるサービスを提供している場合、その企業価値は高く評価される可能性があります。

人材や技術

債務超過企業が有している人材や技術も、大きな評価ポイントとなります。

特に、独自の技術やノウハウを持った人材が在籍している場合、それを買い手が評価し、企業価値の一部として考慮することがあります。

買い手にとって、その人材や技術が事業成長に直結すると考えられる場合、その企業の魅力は増します。

債務超過の会社を売却する際のポイント

債務超過の要因を明確にしておく

債務超過の会社を売却する際に、まず重要なのは、債務超過に至った要因を明確にしておくことです。

買い手は、なぜ会社が債務超過に陥ったのか、その理由を詳しく知りたいと考えます。
経営の失敗が原因なのか、外部環境の変化によるものなのか、あるいは一時的な問題で回復の見込みがあるのかを説明できるようにしておく必要があります。

これにより、買い手がリスクを正確に把握し、その上で判断を下すことが可能になります。

また、透明性のある情報開示は、買い手との信頼関係を構築するためにも重要です。

高い価値になりづらいことを理解する

債務超過の会社を売却する際には、企業価値が通常よりも低く評価される可能性が高いことを理解しておく必要があります。

これは、買い手が負債を引き受けるリスクを考慮するためです。

このため、売却価格に関しては現実的な期待を持ち、売却が成立することで得られるメリット—たとえば事業の継続や負債の削減—を重視することが重要です。

高値で売却を目指すよりも、適正な価格で早期に取引を成立させる方が、結果的に売り手にとって有利な選択となる場合もあります。

M&Aの専門家に相談する

債務超過の会社を売却する場合、M&Aの専門家に相談することが不可欠です。

専門家は、適切な買い手を見つけるためのネットワークを持っており、売却交渉や条件設定など、複雑なプロセスをスムーズに進めるサポートを提供してくれます。

また、債務超過の特性に応じた適切な戦略を立て、売却プロセスを最適化することが可能です。

専門家の助言を受けることで、売却の成功確率を高めることができ、売り手にとって最善の結果を引き出すことが期待できます。

なぜ債務超過の会社が売却できるのか

人材の獲得をしたい買い手がいる

債務超過の会社でも、優れた人材を多く抱えている場合、その人材を目的として買収を検討する企業が存在します。

特に、特定の技術やノウハウを持つ従業員が多数在籍している場合、それらの人材を確保するために買収を行うケースがあります。

このような場合、買い手にとっては、人材の獲得が主な目的であり、会社全体の負債よりも、その人材の価値が優先されることになります。したがって、人材の質や数が高い場合、債務超過でも売却が可能となります。

売却する事業とのシナジー効果を見込んでくれる買い手がいる

買い手が自社の事業とシナジー効果を見込んで債務超過の会社を買収するケースも多く見られます。

シナジー効果とは、企業が統合されることで、個別に運営するよりも高い効果を発揮することを指します。

例えば、買い手が同業種や関連業種である場合、既存の事業と組み合わせることで、コスト削減や収益増加が見込めることがあります。

こうしたシナジー効果を期待する買い手にとって、負債を引き受けるリスク以上に、事業統合によるメリットが大きくなるため、債務超過の会社でも買収が進むことがあります。

事業の立て直しを得意としている買い手がいる

事業再生や立て直しを専門とする企業や投資家は、債務超過の企業を買収して再生することを得意としています。

彼らは、財務や経営に問題がある企業を低価格で買収し、その後の経営改善やコスト削減、新たな資金注入などで企業価値を向上させることを目指します。

こうした買い手は、債務超過のリスクを承知の上で、その企業の潜在的な価値を見出し、積極的に買収を進めることがあります。

少ない初期投資で買収できる

債務超過の企業は、その経済的な状態が反映され、買収価格が低く設定されることが一般的です。

そのため、買い手にとっては少ない初期投資で企業を手に入れるチャンスとなります。

特に、事業再生や新規参入を目指す企業にとって、このような低コストでの買収は魅力的な選択肢となり得ます。

初期投資が少ない分、買収後の経営改善や投資に資金を回すことができるため、経営戦略の柔軟性が高まるという利点もあります。

債務超過の会社を売却する際のおすすめのM&A専門家

M&A仲介会社

債務超過の会社を売却する際には、M&A仲介会社のサポートを受けることが非常に有効です。

M&A仲介会社は、企業の買収や売却に関する豊富な経験と知識を持ち、売り手と買い手の間を仲介してスムーズな取引を実現します。

特に、債務超過の企業の場合、適切な買い手を見つけることが難しいため、仲介会社のネットワークと専門知識が役立ちます。

また、仲介会社は、企業の財務状況や市場価値を適切に評価し、最適な売却条件を提案してくれるため、売却プロセス全体を効率的に進めることができます。

M&Aプラットフォーム

近年、M&Aプラットフォームを活用する企業が増えてきています。

これらのプラットフォームは、インターネット上で売り手と買い手をマッチングさせるサービスを提供しており、特に中小企業やスタートアップ企業にとって手軽な選択肢となっています。
債務超過の会社であっても、こうしたプラットフォームを利用することで、全国から幅広い買い手候補にアプローチすることが可能です。

また、プラットフォームの利用は通常、低コストであるため、初期費用を抑えたい企業にも適しています。

ただし、プラットフォームを利用する場合、自社の魅力を適切にアピールするための情報発信が重要です。

中小企業診断士

中小企業診断士は、経営全般に関するアドバイスを提供する専門家であり、M&Aに関する知識も豊富です。

債務超過の企業が売却を検討する際には、中小企業診断士の助言を受けることが非常に有効です。

彼らは、企業の現状を的確に分析し、経営改善のアドバイスや売却の準備をサポートしてくれます。

また、中小企業診断士は、地域に密着したネットワークを持っていることが多く、地元企業との連携を強化する上でも役立ちます。

さらに、売却後の経営継続や従業員の雇用維持に関しても、診断士からのアドバイスが役立つことが多いです。

債務超過の会社売却に関するまとめ

債務超過の会社でも、事業の将来性や人材に価値を見出す買い手がいれば売却は可能です。

売却にはM&A仲介会社やプラットフォームの利用が効果的で、特に人材やシナジー効果が評価されることが多いです。

また、売却前には債務超過の原因を明確にし、適切な専門家の助言を受けることが重要です。

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